ついに出ました。最新号にして最終号。今回はこの雑誌のホームタウンである児島特集。なんと特集の写真は全点、編集長の赤星さんが撮影されています。ほんと、なんでもできるんだなあ。蟲文庫での配布開始は来週半ばくらいからになる予定。いつもあっという間になくなるので、みなさんどうぞお早めに。

『Krash Japan』vol.10
Krash Japan
http://www.krashjapan.com/いまから6年ほど前、ある東京の知人から「友達が地元の倉敷に戻ってフリーマガジンを作ろうとしている」といって紹介されたのが赤星さんでした。わたしのような人間を紹介するくらいだから、もっと地味でこぢんまりとしたことを考えているのだとばかり思っていたら、もうまるで正反対。その「作ろうとしている」雑誌の内容やスケールも、いちいち想定外で、あっけにとられるほどでしたが、でも、こんな人も倉敷にいるんだなあ、ととても新鮮でもありました。
とはいえ、ここは山陽地方の田舎町。東京でフリーライター、それも思いっきり第一線の仕事をしてきた人の感覚とはずいぶん隔たりがありますし、そんな人が田舎に帰って来るというのですから、やはりそれなりの事情も抱えておられました。正直なところ、難しいんじゃないか、と思っていました。あとで聞けば、当時相談した友人知人からは「やめとけ」という声も少なからずあったということ。
でも、赤星さんは実行したのです。そして数々の(もうそれはそれは数々の)困難に立ち向かいながら、毎回「えーっ!」っとびっくりさせられるような企画を実現させ(詳しくは、
Krash Japanのサイトのバックナンバーの欄などをご覧ください)、当初の予定どおり5年間で10号発行。それまでの仕事で培った技術と広く華やかな人脈はもちろんですが、それ以上に赤星さん自身のぶっ飛びぶりとそれと同時にある粘り強さとか生真面目さといったものの不思議なバランスから生まれたものなんだろうなあと思います。すごい!かっこいいー。し、やっぱりへんな人だなあ(誉めてます)。
そして昨夜は、その「10号無事に出ましたおめでとうの会(ご近所の巻)」(と勝手に命名。すみませんね、かっこわるい命名で)に呼んでもらう。
わたし自身は、最初から「えー、やめといたらー」とか言っていたクチで、それでも連載までもたせてもらっていたというのに、途中でいろいろあって(いやその、『苔とあるく』で力尽きて……)7号以降はただ配布するのみ、というダメっぷりでしたが、とにかく、このお祝いの席に声をかけてもらって、みんなといっしょに「おめでとー、おつかれさまー」と言うことができたのは、幸せなことでした。どうもありがとう。
お店の方が用意されていた、サプライズのケーキ。

クッキーで「祝 Krash Japan 10」の文字!
某老舗洋菓子店のSさんが「えー、このクッキーどうやって作るの?」と聞いていたのが可笑しかった。でも切り分ける手つきはさすがプロ。そして、このケーキを人数で等分するのに「ええっと、○○人いるから…ええっと…」と言っていると、即座にシュワーベ先生が「コッチを4等分して、コッチを…」と指示をしてくれたのもさすがプロ。数学者。
(『ジオメトリック・アート』カスパー・シュワーベ 他(工作舎)
http://bit.ly/bhFnU1 )

ロウソクに火を灯す赤星豊編集長。
おめでとうございます。おつかれさま。そして今後のご活躍もたのしみにしています。
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(おしらせ)
その赤星さんの写真展が、今日から岡山問屋町のカフェ maimai ではじまりました。

「 radius 4.2 」Yutaka Akahoshi
●期間:2010年3月13日(土)ー4月5日(月)
●場所:cafe the market maimai
http://www.themarket.co.jp/maimai/index.htmlお近くの方はぜひ。