◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年03月30日

川島ジャンボうどん

昨日の夜は、近所のしをり嬢と川島ジャンボうどんへ。ものすごくひさしぶりなので、何も考えずにいちばん基本の「かまあげおろし」を頼んだところ、そうだった、川島 “ジャンボ” うどんだ。忘れていた。

ほんとに大きい。
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写真ではわかりにくいですが、そこらへんのうどん屋の倍ちかい量があります。

無理かなーと思ったけど、幸い天ぷらなどのボリュームのある具はいっさいなしで、おまけに消化を助ける大根おろしつき。さぬき饂飩のような強いコシもないので、食べやすいといえば食べやすい。そしてなによりわたしは炭水化物好き。途中休憩をはさんでなんとか完食しました。ふー。

ここのセットものものすごいです。「うどん+かつどん+からあげ」とか。お値段もリーズナブル。

その後、腹ごなしに輸入食材屋に寄って、問屋町のカフェで珈琲を飲んで、「ブ」に寄って帰りました。そういえば、倉敷で「ぶ」といえば、ぶっかけうどんですね。


関係ない写真。

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うちの猫(部分)。
posted by 蟲文庫 at 18:12 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月29日

『おじさんとうつわ』原画展

くどうなみお『おじさんとうつわ』原画展、はじまりました。

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昨年6月に松山であった個展会場(元は病院だった古いビルをまるごと使った楽しいものでした)に、この原画が展示されていたのですが、その時にはまだ絵本にはなっていなくて「いずれちゃんとした本の形にできたらいいのだけど」と言われていたのです。それがことしの初めに実現し、その記念の原画展第二弾。ちなみに一弾は刊行直前の昨年末、松山の「CAFE NEW CLASSIC」で行われました。

ただ、蟲文庫の展示スペースは狭くて、あんまりたくさんは飾れないしちょっとさみしい展示になるかもと心配していたら、

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こんな立派な額をつけてくださいました。
絵はもちろんですが、この発想とセンスとやさしさ、大好きです。


出来上がった絵本は、年明けくらいからうちでも並べさせてもらえるようになったのですが、通りすがりの人がなにげなく入ってきて、ふと手に取り、しばらく眺めてから静かにうれしそうに帳場まで持ってこられる、という、町の古本屋やっていていちばんうれしい売れ方をする本なのです。

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『おじさんとうちわ』くどうなみお(森と)1000円

「なくしたかけらもちょっとあったけれど、おじさんはていねいになおしてくれました」


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「あなたのへやもこれ1枚でおじさんとうつわギャラリーポスター」400円(写真)やポストカード(100円)、そしてオリジナルサウンドトラックも届いています。(※サウンドトラックは非売。期間中流しています)CD『はるのあめ』も好評発売中。

展覧会は4月10日(土)までですが、最終日は『工藤冬里・工藤礼子ライブ』のため、午後からお休みします。
※展示期間が変更になりました。

詳細:http://homepage3.nifty.com/mushi-b/events.html
posted by 蟲文庫 at 13:34 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月28日

【 工藤冬里・工藤礼子ライブ 】(4/10 sat)

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 【 工藤冬里・工藤礼子ライブ 】

●期間 2010年4月10日(土)
●時間 19時開場/19時30分開演
●料金 2000円(お菓子付き・飲みもの持参歓迎)
※ 座席に限りがありますので、なるべく事前にご予約ください。
    ・Eメール:mushi-b◆nifty.com(◆を@に替えてください)
(3/28 追記)座席はだいぶ埋まってきていますが、まだ大丈夫ですのでぜひ。

おふたりでのライブは約3年ぶり。目の前での演奏が聴けるなんて、ほんとにうれしい。
当日は、くどうなみお『おじさんとうつわ』の原画展も開催しています。どうぞおたのしみに。

詳細:http://homepage3.nifty.com/mushi-b/events.html
posted by 蟲文庫 at 13:05 | お知らせ・催事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月27日

「あの生き物」はペス

用事があって岡山へ出かけたので、ダッシュで丸善岡山シンフォニービル店で開催中の猫本フェアへ。目指すは “猫ストーカー” 浅生ハルミンさまの新刊『猫の目散歩』(筑摩書房)です。広い売り場をうろうろしたのち、ようやくコーナー発見(通路に面したの文芸などの新刊コーナーの横のあたりです)。ありましたっ、『猫の目散歩』。さっそく胸に抱えレジへ。

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『樹のうえで猫がみている』やまだ紫(思潮社)もいっしょに。ほしいと思っていたのです。


『猫の目散歩』は、webちくまの連載がまとめられたものですが、タイトルどおり、猫の目になったハルミンさんが街を歩くおはなし。ハルミンさんとハルミンさんの中の猫とが自在に入れ替わり、そのたびに読んでいるわたしも脳内の目線が高くなったり地面すれすれまで低くなったりします。そしてだんだんとわたしという人間の輪郭があいまいになって、ハルミンさんの描く「あの生き物」に近づいていくのです。読み終わって、もとのヒトの形に戻ったら、いつもの景色がなんだか殺風景にみえました。ハルミンさん、おかわりっ!
イラストも、どれもすばらしいです。細部にふふっとなります。

エンボスっていうんですか?カバーのイラストが浮き出しています。
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この写真でわかるかな。
(帯文はしまおまほさん!)

そうそう「あの生き物」が、「犬と猫の間の生き物で、長いことつきあっているうちに猫っぽくなってきて、名前はペス」ということが判ったのもニュースでした。

この日は、ハルミンさん、猫、『猫の目散歩』…と思いながら歩いていたせいか、猫によく出会いました。

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岡山市南方。永瀬清子旧宅付近。

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 (おしらせ)

『しまおまほ展』は盛況のうちに終了いたしました。短い期間でしたが、たくさんの方にご覧いただくことができました。お越しくださったみなさま、ありがとうございました。作品をお買いあげいただいた方には、近日中にお届けいたしますので、いましばらくお待ちくださいませ。

打ち上げの席で、『まほちゃんの家』に登場する島尾家の老猫ミケ(刊行当時20歳)のことを尋ねたら、去年とうとう死んでしまったということ。22歳(23歳?)といえばずいぶん長生きには違いないけれど、でもそれでもハルミンさんの言葉のように「触れ合える時間はほんの一瞬」なんですよね。

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島尾家のミケ。
posted by 蟲文庫 at 15:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月25日

たまねぎ味噌とすり鉢

昨日はひさしぶりに早い時間に帰宅できたので、わが家の常備菜筆頭の「たまねぎ味噌」を作りました。手間も時間もかかるけど見栄えのしない、わたしの得意料理。大量のたまねぎでつくった味味噌みたいなものです。ごぼうとヒジキも入れます。

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このように、実に見栄えのしない料理です。
(ちなみにこのお皿は、昨年愛媛で工藤冬里さんの指導のもと、うまれてはじめてロクロをまわして作ったもの。初心者らしくぼってりと重たいです)。

ところで、この「たまねぎ味噌」は仕上げにすりゴマを混ぜるのですが、そのあとのすり鉢にご飯を入れてみぞに残っているゴマをきれいに拭うようにぐりぐりやって、そこに塩をかけて食べるのが大好きです。もう、ほんとにおいしいんです。


一昨日から降り続いている雨もそろそろあがるようです。

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物干し台のムスカリ。

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 (おしらせ)

明日と明後日(26日(金)27(土))は臨時休業いたします。でも27日(土)はたぶん午後から開けられると思います。
posted by 蟲文庫 at 12:41 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

まほちゃんがやってきた

昨夜のしまおまほさんのトークショーは大盛況でした。お越しくださったみなさま、ありがとうございました。中にははるばる東京から来られていた方も。

トークは、まず「拝、ボーズ!!」とまほさんとの往来縁起からはじまり、こうゆうさんのお寺での修業体験のこと、好きなラジオ番組のこと、出演されている「ウイークエンドシャッフル」のことなどなど。あ、もちろん今回の作品のことなども。そして「いま、かつての水前寺清子のポジションにいるのは木村カエラではないか」とか「勝俣は風呂上がりに水を浴びる」とか「藤井フミヤといえば奥さん天ぷら油でボヤ出しましたね」というような、すばらしくどうでもいい芸能ネタの数々もたまらなく可笑しかったです。でもやっぱり、ふしぎな島尾家の話は格別によかったなあ。大量の年賀状の話とか。お父さんの三つの袋とか。

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ある方が「できれば、バークリ(「拝、ボーズ!!」のリスナーには有名なお店「Bar 栗坂」)で飲みながら、あのままぐだぐだ3時間くらい聞きたかった」と言われていましたが、いやまったく。そしてそれは司会のこうゆうさんの、さすがはプロ!な話術のおかげでもあります。お寺さんのトンデモ話もおもしろかったなあ。

でもみんな、なにはともあれまほちゃんに会えてうれしかった。ということに尽きるのではないでしょうか。帰りぎわに友達が「はあ、まほちゃん、やっぱりかわいかった…」とため息のようにひとこと。そういうことです。会えてよかったね。

用意していた『まほちゃんの家』もたくさん売れました。
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わたしもサインもらった。


しまおまほさんと最初にお会いしたのは、いまをさかのぼること3年前。ある雑誌の取材でクラムボンの原田郁子さんとともに天野こうゆうさんのお寺「高蔵寺」へ体験修業に来られた時でした。ちょうど『苔とあるく』を書いていた頃で、担当のHさんから、そのころ発刊されたばかりだった『まほちゃんの家』のことを聞いたりしていたのですが、古本屋という仕事柄、島尾家のことはもちろん知っていましたし、この前も書いた永井宏さんは、まほさんのお父さまの島尾伸三さんと仲良しで、わたしが書いたものが初めて掲載された雑誌『water magazine』に連載をもたれていたり、その後最初にクウネルに載せていただいた時も、同じ号にまほさんが奄美のお祖母さまを訪ねられた記事があったり、とそんなふうに一方的に「あ、偶然!」とよろこぶ機会が何度もあったのです。

で、その初対面の時、まずこうゆうさんと郁子さんが入ってこられ、おしゃべりなどしているところへ、表で電話をしていたまほさんが少し遅れて入ってこられたのですが、そんなこんなでわたしの頭の中ではまほさんについてのいろいろなことが駆け巡っていたもので、はじめましてのご挨拶もそこそこに思わず口から出たのが「Hさん!」という、担当編集者の名前。その瞬間、まほさんのあの大きな瞳がさらに大きく見開かれたとおもったら、「いま、Hさんと電話してた…」と。もちろん、まほさんはわたしがHさんの担当で本を書いていることなどご存知ありませんでしたし、Hさんも、まさかまほさんが倉敷にいるとも思わずに電話で話していたわけですが、もー、ほんとにこんなこともあるんですねえ、というようなある意味で衝撃的な出会いだったのです。

あれから3年、ふたたびお会いする機会ができて、わたしもほんとうにうれしかった。あの日お買い上げくださった、赤塚不二夫対談集『バカは死んでもバカなのだ』は、いまもまほさんの本棚で“現役”なのだそうです。またどこかでお会いできますように。


『しまおまほ展』くらしき蟲文庫は3月25日(木)まで。お近くの方はぜひ。
posted by 蟲文庫 at 18:01 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月19日

『しまおまほ展』はじまる

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『しまおまほ展』くらしき蟲文庫

  ・2010年3月19日(金)〜25日(木)まで。
    ※21日(日)のトークイベント当日は18時でいったん閉めますのでご注意ください。
  ・午前11時〜午後19時(店舗営業時間内)
  ・期間中無休・入場無料


しまおまほさんのポップで愛らしくも端正な、めくるめく世界です。ファブリックのパターンのようなデザイン的な作品も多いので、どうぞゆっくりと、ひとつひとつ脳内で増殖(培養)させてみてください。きもちいいですよ。

尚、作品はすべてお売りできますので、ご興味のおありの方はお気軽にお問い合わせください。初日からさっそく数点赤丸がついています。お早めに。


FMくらしき「拝、ボーズ!!」特製の「まほちゃんTシャツ」でも出来ました。各サイズ数量限定です。

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右:「煩悩Tシャツ」、左:「まほちゃんTシャツ」各2500円

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21日(日)の夜にはトークイベントは、あと少し座席がありますので、この機会にぜひ。

 《しまおまほ トークショー》(司会:天野こうゆう)
  ・3月21日(日)
  ・19時オープン・19時半スタート
  ・料金:1000円(お菓子付き・飲みもの持参歓迎)
   ※ 座席に限りがありますので、ご予約ください。
    ・Eメール:mushi-b◆nifty.com(◆を@に替えてください)

詳細:http://homepage3.nifty.com/mushi-b/events.html

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『拝、ボーズ!! inこうぞうじ 彼岸だよ、全員集合!!』
  日 時:3月22日(月・祝)
  場 所:高蔵寺(岡山県倉敷市中島186)
  参加費:1500円(当日2000円)
  ゲスト:しまおまほさん(漫画家/イラストレーター)

ポッドキャストでも人気のエフエムくらしきのお坊さん法話バラエティー番組『拝、ボーズ!!』が倉敷・高蔵寺において「彼岸だよ、全員集合!!」開きます。
お寺ならではの体験修行とお話し満載の公開収録を予定しています。当日は自他とも認める、拝ボ終身名誉総代(リスナー)のしまおまほさんもゲストでご来山なされます!

詳しくは、拝、ボーズ!! ドットコム:http://www.haibozu.com/
posted by 蟲文庫 at 15:30 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月18日

亀のてのひら

冬眠組の亀たちもそろそろ起き出す頃ですが、室内加温越冬組も日に日に動きが活発になってきました。
エサと日光浴の他は、冬中ホーム炬燵の中で過ごしていたサヨイチくんとも、ここのところ廊下や台所でよく出くわします。知らずに蹴ってしまうこともしばしば(そういう時は、ざーっと滑っていく)。カタカタと床に腹甲板が当たる音もずいぶん軽快に。

サヨイチくんの手。
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ヌマガメは手のひらがぷっくりしていてかわいい。

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 『しまおまほ展』くらしき蟲文庫、は明日から。

作品は販売もしてくださるということですので、ご興味のおありの方はお問い合わせください。FMくらしき「拝ボーズ!!」特製「まほちゃんTシャツ」、かわいいのが出来てきましたよ。

詳細:http://homepage3.nifty.com/mushi-b/events.html
posted by 蟲文庫 at 20:03 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

出入りのイタチくん

昨夜、母親が唐突に「ペレットって細いじゃない」と言うので、まさかピーター・ペレットではあるまい、と思って聞いていると、やっぱりフェレットのことだった。フェレットは細身でしゅるしゅるっと動くので、家の中でよく行方不明になるんだって、とかそんな話。

フェレットといえばイタチ。夜、店の前の通りを歩いているとよく見かけますが、そういえば、一昨年くらいから頻繁にうちの台所に出入りしていたイタチくんは、この前の暮れあたりからぱったり姿をみせなくなりました。好みそうなパンなどを、うっかり一晩中出しっぱなしにしてしまっても、まったく無傷。イタチの寿命というのは、たしかそんなに長くないはずなので、もしかしたらこの冬のうちにお星さまになってしまったのかもしれません。

ただ、これまでは特定の一匹だけが出入りしていたのか、それとも複数がランダム(なんぼなんでもローテーションてことはないだろう)にやって来ていたのか判断できずにいたのですが、どうやらその一匹だけが来ていたらしいということがわかりました。

そのイタチくんが、かろうじて写っている1枚。
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そうか、やっぱり君だったのか。ねずみ捕ってくれて助かってたよ。

さて、うちの台所へつながる、このひみつの抜け穴。次に発見するのはどんなイタチくんでしょうか。いや、「くん」なのか「さん」なのかはわからないのですけれども。


ところで、もうかれこれ一週間ほど前の話題になりますが、急に雪がふってびっくりしましたね。
お正月前後にいくらかちらちらする日はあったものの、結局この冬は降らなかったなあ、と思っていた矢先のこと。もうクリーニングに出そうと思っていたアウトドア(=苔観察&天体観測)用のジャケット、まだ出してなくてよかったです。

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虹の玉に春の雪。


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(おしらせ)

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『まほちゃんの家』しまおまほ(WAVE出版)1470円(税込み)
入荷しました!

特典として、この『まほちゃんの家』の刊行記念サイン会のために作られたブックカバーも付きますよ。版元のWAVE出版から特別に分けてもらうことができました。

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しまおまほさんが子供の頃に描かれたピアノと教会。いいでしょ。
このままま壁に飾りたい。

もちろん、今週末からの【しまおまほ展】とトークショーでも販売しますので、どうぞお楽しみに。
posted by 蟲文庫 at 13:40 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

祝『Krash Japan』10号

ついに出ました。最新号にして最終号。今回はこの雑誌のホームタウンである児島特集。なんと特集の写真は全点、編集長の赤星さんが撮影されています。ほんと、なんでもできるんだなあ。蟲文庫での配布開始は来週半ばくらいからになる予定。いつもあっという間になくなるので、みなさんどうぞお早めに。

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『Krash Japan』vol.10

Krash Japan http://www.krashjapan.com/


いまから6年ほど前、ある東京の知人から「友達が地元の倉敷に戻ってフリーマガジンを作ろうとしている」といって紹介されたのが赤星さんでした。わたしのような人間を紹介するくらいだから、もっと地味でこぢんまりとしたことを考えているのだとばかり思っていたら、もうまるで正反対。その「作ろうとしている」雑誌の内容やスケールも、いちいち想定外で、あっけにとられるほどでしたが、でも、こんな人も倉敷にいるんだなあ、ととても新鮮でもありました。
とはいえ、ここは山陽地方の田舎町。東京でフリーライター、それも思いっきり第一線の仕事をしてきた人の感覚とはずいぶん隔たりがありますし、そんな人が田舎に帰って来るというのですから、やはりそれなりの事情も抱えておられました。正直なところ、難しいんじゃないか、と思っていました。あとで聞けば、当時相談した友人知人からは「やめとけ」という声も少なからずあったということ。

でも、赤星さんは実行したのです。そして数々の(もうそれはそれは数々の)困難に立ち向かいながら、毎回「えーっ!」っとびっくりさせられるような企画を実現させ(詳しくは、Krash Japanのサイトのバックナンバーの欄などをご覧ください)、当初の予定どおり5年間で10号発行。それまでの仕事で培った技術と広く華やかな人脈はもちろんですが、それ以上に赤星さん自身のぶっ飛びぶりとそれと同時にある粘り強さとか生真面目さといったものの不思議なバランスから生まれたものなんだろうなあと思います。すごい!かっこいいー。し、やっぱりへんな人だなあ(誉めてます)。

そして昨夜は、その「10号無事に出ましたおめでとうの会(ご近所の巻)」(と勝手に命名。すみませんね、かっこわるい命名で)に呼んでもらう。

わたし自身は、最初から「えー、やめといたらー」とか言っていたクチで、それでも連載までもたせてもらっていたというのに、途中でいろいろあって(いやその、『苔とあるく』で力尽きて……)7号以降はただ配布するのみ、というダメっぷりでしたが、とにかく、このお祝いの席に声をかけてもらって、みんなといっしょに「おめでとー、おつかれさまー」と言うことができたのは、幸せなことでした。どうもありがとう。

お店の方が用意されていた、サプライズのケーキ。
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クッキーで「祝 Krash Japan 10」の文字!

某老舗洋菓子店のSさんが「えー、このクッキーどうやって作るの?」と聞いていたのが可笑しかった。でも切り分ける手つきはさすがプロ。そして、このケーキを人数で等分するのに「ええっと、○○人いるから…ええっと…」と言っていると、即座にシュワーベ先生が「コッチを4等分して、コッチを…」と指示をしてくれたのもさすがプロ。数学者。
(『ジオメトリック・アート』カスパー・シュワーベ 他(工作舎)http://bit.ly/bhFnU1

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ロウソクに火を灯す赤星豊編集長。

おめでとうございます。おつかれさま。そして今後のご活躍もたのしみにしています。


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 (おしらせ)

その赤星さんの写真展が、今日から岡山問屋町のカフェ maimai ではじまりました。

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「 radius 4.2 」Yutaka Akahoshi

●期間:2010年3月13日(土)ー4月5日(月)
●場所:cafe the market maimai http://www.themarket.co.jp/maimai/index.html

お近くの方はぜひ。
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2010年03月11日

猫の眼鏡と猫の目散歩

ハルミンさまの新刊『猫の目散歩』、本日発売!

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『猫の目散歩』浅生ハルミン(筑摩書房)1470円(税込み)

といっても、いまのところ蟲文庫への入荷予定はありません。うちは小さな古本屋なので、そう簡単には仕入れられないのです。ごめんなさい。わたしもこれから本屋に買いに行くところ。カバーのどこかがぷにぷにしているそうですよ。

詳しくはコチラを http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480816672/


先日、木山萬里さんが覗いてくださったので、お茶をいれてしばらくおしゃべり。よく吉祥寺のバウスシアターで映画をご覧になるのだそうですが、そういえばと思って、映画「私は猫ストーカー」のことをお話すると、「ああ、やってたねえ!」「 ただ、わたしはちょっと猫は…」と。じつはあまり猫がお好きではないご様子。そう伺ってすぐに思い浮かんだのが、父上である木山捷平の「猫」という詩。


  萬里は玄関を出ると
  猫に出あつてこはがつた。
  猫の光る目におどろいたのだ。
  あとで
  猫は眼鏡をかけていたといふ。

    「猫」ー吾子満三歳を過ぎてー
           木山捷平(昭・14)


『木山捷平全詩集』(講談社文芸文庫)は、いま新刊書店でも買えますよ。

萬里さんは高田渡(木山捷平の詩「長屋の路地」を歌っている)の大ファンだそうで、いろいろな思い出話も聞かせてくださる。「いせや」でもらったチラシがきっかけでライブにも行くようになり、木山捷平の母校である新山小学校の講堂の落成式の時には、高田渡を招いて「長屋の路地」を歌ってもらったこともあるのだそうです。ええっ、その映像、ビデオなんかで残ってないのかな。


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 (おしらせ)

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『ボタンとリボン』vol.2 (windchime books)600円
入荷しました。

永井宏さんがはじめられた新しい雑誌。身近な人々の詩や文章をあつめて一冊にしたもので、かつての『water magazine』に近い感じでしょうか。

いまから10年ほど前、ひょんなことで行き来の出来た永井さんから「田中さんも、なにか苔のこととか書いてみたら?べつに上手く書く必要なんかないから」と声をかけてもらった、その言葉を真に受けて書いたのが『water magazine』vol9に掲載された「苔観察日常」という苔エッセイで、それがいまこうして文章を書くようになったきっかけでした。これがなければブログだってきっとやってなかっただろうし、ということは早稲田古本村通信の連載も『苔とあるく』もありえなかったということになります。『苔とあるく』が出来た時は、ほんとうに喜んでくださいました。ちなみに、ロバロバカフェのいのまたさんや古書ほうろうさんとの出会いも『water magazine』。いつもありがとうございます。

「苔観察日常」http://mushi-bunko-diary.seesaa.net/article/4928779.html
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2010年03月08日

メガネと男顔

一昨日の夜、突然メガネが壊れる。予備にと思ってあたらしいメガネをつくったところだったので、ふてたんでしょうか。その証拠(?)にフレームのネジが飛んだだけで致命的な壊れ方ではありませんでした。レンズも無事。

ということで、ここ数日あたらしいメガネをかけているのですが、いつもの細く四角く黒いメタルフレームを、さらに強調したようなやや男性的なデザインなので、鏡をみるとほんとに男に見える。……そうだった自分、男顔だったんだ。と思い出す。視力の悪い人は、お店でメガネを作る段階では、そのフレームをかけた自分の顔はぼんやりとしか視えていないものなのです。ああ、ちょっと失敗かも。

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これ。

髪を長くしているのも、じつは男性に間違われないための対策のひとつ。二十歳前後の頃はずっとショートカットにシャツにジーンズという出で立ちだったので、よく女子トイレで「ぎょっ」とされていました。背も高いほうだし薄っぺらいしね。ある知人からは真顔で「あなた、ほんとに生まれたときから女の子?」と訊かれたことがあるくらいです。いや若いうちは、「男の子」と間違われるうちはまだいいんです。でもさすがに四十が近くなるとそれはすなわち……ねえ、オクサン。
とにかく、明日にでもメガネ屋さんへ行って直してもらおう。そして、次に作る時はもうちょっと優しい雰囲気のフレームにしてみよう。せめて「おばさん」に見えるように。

三つ編みにスカートを定番にしているいまでも「○○さんと雰囲気似てますね」と言われるのは十中八九男性。最近では「荻原魚雷さん」「古本海ねこさんの旦那さん」「スローラーナーの越川さん」というご意見をいただきました。ちなみに、瀬戸内作文連盟の出海博史さんは、自分でも激似だと思います。もちろんみなさま素敵な方々なので光栄には違いないのですが、ただ、自分が男性ではないだけに、まあそのー。


話かわって、一般に「ゴミ屋敷」と呼ばれる物件は、意外にどこにでもあるものですが、先日もある町を散策中に遭遇。あんまりじろじろ見ているとお家の人に怒られそうですが、でもなんとなくどうしても気になって、なんでこんなに気になるのかと思ったら、

猫がいた。
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おそるおそる近づいて激写。手前に黒いのもいますよ。

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よくみると二階建て。

気の毒には違いないですが、ただ、トイレはどこか別のところにあるようで、それほど汚れていませんでした。一日どれくらいここで過ごすんですか? ご飯はちゃんともらってるようですね。あ、もしかして日光浴のためですか? うちの亀たちもそうしてますよ。
posted by 蟲文庫 at 12:52 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

『少年詩篇』の苔

ここのところ不安定な天候がつづいています。「晴れの国」岡山。

お昼すぎ、笠岡のHさんが佐伯一麦さんをご案内くださる。木山捷平短編小説賞の授賞式が明日なので、そのためにみえたご様子。佐伯一麦さんは第一回(当時は「木山捷平文学賞」という名称でした)の受賞者で、そして現在は選考委員をされているのです。普段は仙台にお住まいということで、やはり火星の庭の前野さんの話題に。つい先週あった《佐伯一麦 「夜の文学散歩」第2回》、いいなあと思っていたところだったのです。

Hさんがお送りくださったそうで、わたしの『苔とあるく』のこともご存知だということ。『少年詩篇』という短章集の中に、苔について書かれたものがあるのだそう。古本屋であるわたしが、そんなことをご本人から伺うのは恐縮以外のなにものでもないのですが、でもこの機会がなかったら、出会いはまだ当分先になっていたはずなので、ありがたくさっそく読んでみたいと思います。「子供の頃、苔に興味があって育ててみたことある」のだそう! 文庫では『あんちゃん、おやすみ』(新潮文庫)の中に収められているということです。

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『少年詩篇』佐伯一麦(新潮社)

Hさん、ほんとうにいつもいつもありがとうございます。ああ、でもびっくりしました、突然だったので。


昨夜は、近所のしをりちゃんが子亀のぶりちゃんを伴ってわが家へ。

寝ているナドさんに乗せてみる。

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「あ、亀乗っけられたかも…」

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「うにゃ〜」

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「まあ、しょうがないか」

よその子亀には寛容なナドさんでした。


でも、その後接近してきたうちのサヨイチ君には、
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「また来た…」とイヤな顔。

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 (おしらせ)

文字のサイズをすこし大きくしてみました。最近「老眼が進んで蟲文庫のサイトやブログの文字が読みにくくなった」という声がちらほら。わたしも今月で38だもの無理もない、ということで。「蟲日記」と「蟲通販」などのデザインを少し変えて、そして試しにリンクページもつくってみましたよ。

・「蟲文庫」http://homepage3.nifty.com/mushi-b/(文字がすこし大きくなりました)
・「蟲リンク」http://homepage3.nifty.com/mushi-b/links.html(まだ制作途中です)

これでもまだ小さいと思われるかたもいらっしゃるとは思いますが、あんまり大きくするとあれこれ大幅な変更が必要になるので、ひとまずこれくらいで。その他、ご意見ご要望がありましたらお知らせくださいませ。
posted by 蟲文庫 at 17:31 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月04日

西村研究室の胞子

昨夜は、いつもの居酒屋で岡山コケの会のTさんと飲む。一年ほど前から、コケの会代表の西村先生に「最近、うちの研究室におもろいねーちゃん来てんだよー、コケとか海藻も好きだっちゅーてなあ」と話には聞いていて、その後ひょんなことで観察会を手伝ってもらったりして面識は出来ていたのですが、あらためて話すのはこのたびがはじめて。
Tさんは、コケの道に足を踏み入れてわずか1年足らずで、ダンゴゴケという日本新産の苔類を発見してしまったというツワモノですが、話してみると、わたし同じくコケについて専門で学んできたわけでもなく、そしてその道を極めようとしているわけでもない、ただ、気になることは解るようになりたいと思っている「モノズキ」のひとりで安心する。コケはもちろん、海藻標本の作り方について、こんなに熱く語り合える人も珍しい。「コメノリ」なんて、当たり前に口から出てくるのもうれしい。そしてお酒に強いのも。

西村先生のページから写真を拝借。

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ダンゴゴケ属(Sphaerocarpus sp.)タイ類
岡山市南区の田んぼでE.T.さんが2009年11月末に発見.
日本新産となる帰化コケ植物か?!検討中です.

「岡山理科大学のコケ研究室」http://okaridai.ous.ac.jp/garden/kokenoheya/kokenoheya.htm


Tさんは同い年の女性なので「昔、あれ流行ったよねー」みたいな話にも花を咲かせつつ、現在の岡山コケの会の“若手”である自分たちが今後どれだけ会に貢献して行けるのか、例えばいま○○さんが一手に引き受けてくださっているあの業務や、△△さんのこの業務を、先々誰が引き継いで行けるか、というような真面目な話も少々。若手といったって、もうみんな四十目前ですからね。

ともあれ、わたしたちのような素人がこうして気軽にコケのことに関わることが出来るのも、岡山コケの会のみなさん、なかでも西村先生の分けへだてなく惜しみない、「コケに興味あるヤツはなんでも来い!」という姿勢と人柄のおかげです。なのでTさんもわたしも、ダンゴゴケの発見や『苔とあるく』の出版という形で、「先生、こんなん見つけました!」「こんなん書けました!」と、その成果を見てもらう機会に恵まれたことが何よりうれしい、というところでも意見が一致しました。これからもますます精進していきたいと思います。

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その岡山コケの会の創設者、故 井木長治(張二)先生とも親しく、『苔について』というすばらしい作品も残した詩人永瀬清子の没後15年特別展です。

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【 永瀬清子展 時代をかけぬけた天女 】

  ● 2010年1月24日(日)〜4月25日(日)
  ● 開館:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
  ● 休館日:毎週月曜日(祝日は開館)・祝日の翌日
  ● 一般400円、大・高生300円、中・小生200円

 吉備路文学館 http://www.kibiji.or.jp/


永瀬清子『あけがたにくる人よ』のあとがきによれば、「苔について」という詩は、井木先生に京都の苔寺を案内されたのがきっかけで出来た作品だということ。我らが岡山コケの会とはとても縁が深いのです。『苔とあるく』にあの詩の掲載許可をいただいた時は、もう飛び上がるほどうれしかったです。ありがとうございます。
posted by 蟲文庫 at 17:03 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

石垣からロバロバカフェ、そして。

確定申告に向けた集計(まだこの話題、すみません)いま6合目。毎年恒例、運動についで苦手な分野にとりくむ月間です。蟲文庫にとって最も大切なもの。それは電卓。今週中には仕上げたいところです。

昨日、経堂のロバロバカフェのいのまたさんから、5月12日で閉店します、というお知らせが届く。年末に遊びに来てくれた時、うちの台所でお好み焼きを焼きながら、そのあたりの話も聞いたのですが「もっとのんびりと自分にあったペースでやって行きたい、それは東京では難しい」というようなことだった。いのまたさんとわたしは「似ている」と言われることがありますが(つっけんどんなしゃべり方なんかもー)、ほんとうにそうだとすれば、それも無理はないだろうなあと思う。休憩時間はもっと長くとりたいもんね。
「そうか、ロバロバ通信ももう来なくなるのか」と思うと残念には違いないけど、いのまたさんらしい今後の成り行きが楽しみでもあります。そういえば、10年くらい前に知り合った頃は、石垣島をひきあげて来たばかりだったしね。


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「サンガツの」コガアキコ展 3/6(土)〜17(水)

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「うさぎカフェ」亜花美・展 3/20(土)〜31(水)


5月12日(水)まではこれまで通りなので、お近く方はぜひ。わたしも行けるといいけどな。

ROBAROBA cafe http://www15.ocn.ne.jp/~robaroba/
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