◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2011年07月23日

酒津公園:犬の波紋

先日、急な用事で出かけた帰り道、酒津公園(さかづこうえん)へ行きました。市内北西部に古くからある公園です。

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桜の名所でもありますが、すぐそばを流れる高梁川(たかはしがわ)という一級河川から、市内に張りめぐらされた用水路へと水を引き込んでいる場所なので、水量の豊富な川やため池もみどころ。ひさしぶりに来たけど、やっぱりいいなあ。

などと思いながら、水辺の周りの遊歩道をぶらぶら歩いていたところ、前方の景色の中に、なにやら違和感が。
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何か、おかしい・・・。

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どうも、ココがおかしい。

え、犬? その向こうはカモのカップルです。
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犬ですね。それもかなり大きくてふわふわの。
マレーシアのマーライオンみたい。

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あ、こっち向いた。

ここは、広くてゆったりとした雰囲気の公園なので、夕方になると、家々の犬々が飼い主に伴われてお散歩にやってきます。この白い大きなわんこもその常連さんのようですが、あのふわふわの毛が暑いのか、涼を求めてため池へ入ったものと思われます。飼い主さんは、しょうがないなあという顔で見守っておられました。

遊歩道を歩く、他のわんこに向かってほえています。
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ほえるたびに広がる波紋が、ただでさえ妙な雰囲気をいやましていました。


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木の幹のずいぶん高いところに、ヤゴの抜け殻。

ここはいろんな種類の蜻蛉もいるのです。
posted by 蟲文庫 at 14:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月17日

梅と蓮と亀マッチ

二ヶ月ほど続いた「朝、なかなか起きられない周期」からようやく脱出した模様。寝起きの、鉛を呑んだような重さから開放され、7時、8時にはすっきり起きられる。11時の開店前にひと仕事できるし、ああ、よかった。やれやれ。暑いのにも、すこし慣れてきたようです。

晴天続きなので、今日は梅干しをしました。

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まだ紫蘇につける前の段階の「白梅」状態。でも近々赤くします。

梅雨明けのこの梅干し作業。こんなに晴れ晴れとした気分になることも、他になかなかないというのに、今年はどうしても気持ちが塞ぎます。東電の原発事故以来、特に危険とされる海藻、キノコ、山菜、梅、枇杷などなど・・・大好きなものばっかりですよ。まったく、なんてこった。


着々とふくらんできた、蓮のつぼみ。

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左から、7/11(月)、13(水)、16日(土)。

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本日の様子。明日には咲きそうです。


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(新製品のおしらせ)

久しぶりに、店のオリジナルグッズが増えました。

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亀マッチ。イラストは武藤良子さんです。贅沢ー!!

帳場前にて販売中。3コセットで200円です。

武藤良子:http://www.toshima.ne.jp/~mryoko/home/index.html
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2011年07月12日

足の裏がうっとり

梅雨が明け、蝉が鳴きだし、しばらく思わしくなかった腰の具合も安定してきたので、今日は帳場の畳の上敷きを替えました。3畳ほどのスペースですが、亀やら猫やら古本やらの往来が激しい場所なので、2〜3年もするとボロボロになるのです。さらに梅雨時のじっとりとした足触りも相まって、この時期の不快指数は相当なもの。「よしっ、やるぞ」とひとり握りこぶしを作るのも、たいていこの季節。店もヒマなものですから。

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ということで、敷き替え完了。足の裏がうっとり。

そして、い草のいい匂いがします。

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先日、中庄付近でみかけたい草畑。

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花がついていました。


最近ではもうずいぶんと少なくなりましたが、このあたりはい草の産地でもあるので、子どもの頃からとても親しい匂いです。ガシャン、ガシャンとゴザを織る機械の音も懐かしく、この匂いと音はいつもセットで思い出されます。それと蚊取り線香。

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蚊取り亀。

花などの模様を織り込んだ、名産の花ござにも憧れますが、さすがにこの帳場にはもったいないわねえ。


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(新入荷のおしらせ)

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川手直人/FORTY-FOUR (CD-R) 1000円

心地よく親しみやすいギターソロ、と思うのは一瞬で、聞けば聞くほど変な(※賛辞です)川手さんの新譜です。「こまりいりまめ」以降の新曲もいろいろ。限定50枚、No.入りです。


その他、dependent direct salesの「M.S.H.B/1996 TORI KUDO DROWING」「工藤冬里/三つのりんご」、また現在品切れ中の「yumbo/これが現実だ」「マヘル/セ・ラ・デルニエール・シャンソン」も近日入荷予定です。お楽しみに。
posted by 蟲文庫 at 18:04 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月05日

20年後、30年後

催しに原稿に苔内職に梅作業……思えば忙しい6月でした。ただいま少々休憩中。

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ご近所のミントさん。

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息子のプリン。

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我が家のナドさん。

身の回りの猫のみなさんも、そろって休憩中です。

(しかしナドさん……太いですね。これでもずいぶん痩せたんですけどね。ただいま17歳)

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新入荷の本のご紹介。

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『星を撒いた街』上林暁 傑作小説集(夏葉社)山本善行 撰 2200円+税

『レンブラントの帽子』『昔日の客』『関口良雄さんを憶う』につづく、夏葉社待望の4冊目。作家でも音楽家でも、こんなに次回作を楽しみにすることって、最近なかなかないなあ。あ、夏葉社は出版社ですが。
今回のアナウンスのあった時も「そうかあ、次は上林暁かあ、そうかあ、そうかあ、上林暁読めるんだあ、そうかあ」と、ひたすら口の中でぶつぶつと繰り返し、喜びをかみしめました。内容といいその佇まいといい、撫でさすりたくなるような、それももったいないような本です。

帯文に「30年後も読み返したい 美しい私小説」とありますが、いや実際、古本屋には、何冊在庫があってもうれしい本なのです。何年後であれ、並べれば確実に売れる。なんていうとずいぶん下品に思われるかもしれませんが、でもそれは、読みたいと思う人がいるということ他なりません。そんな本はそうめったにあるものではないし、本にとって、こんなすばらしいことは他にないと思います。そして、そんな本や言葉があるということは、未来への希望だとも思うのです。

ちなみに上林暁は「かんばやし・あかつき」と読みますよ。


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『東京ブルー』谷口巧写真集(圓津喜屋)2100円

日の出の一分。その青く写る時間をとらえた写真集です。夕方にもひとときありますが、あの青い時間には、わたしもふと立ち止まり、振り返ることがあります。なんでしょう、「うつろい」というものが意識にのぼってくるからでしょうか。この写真集を開いていると、やはりそんなふうに、自分の中のいろいろなものが、つぎつぎとまるで泡粒のようにたちのぼってくるのです。
ある方のブログに「20年後にもう一度見たい」という感想が書かれていたということ。この青く静かで端正な、でもじつはとてつもなく饒舌でもあるこの写真集からあふれる物語は、いったいこれからどれほどのものになるのか、と「20年後」をおもって少し意識が遠のきました。写真は、やっぱりすごいなあ。

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署名入りですよ。サインもブルー。


谷口さんとは6年ほど前、雑誌『BRUTUS』の撮影がきっかけで知り合ったのですが、なんとなく不思議な縁があり、いまも行き来をさせていただいているのです。

『BRUTUS』2004年7月1日号より。
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(余談ですが、店の表の水槽の中に仔亀時代のサヨイチが写っていますよ)。

この写真が「すごく印象に残っていて」と訪ねてくださる方や、観光での散策中に偶然通りかかって「いま、記憶の中のあの写真と結びついて! 倉敷だったんですね!」と駆け込んで(?)くださる方がいまも少なくないのです。
今日も、谷口さんの写真のファンだという地元の女性が「倉敷で、しかもサイン入りがあるなんて!」と買いに来てくださいました。その方は、谷口さんの撮影されたレミオロメンの写真に惹かれたのがきっかけで、いまはむしろ谷口さんの写真を意識するようになったということ。
谷口さんの写真、すごくいいもんなあ。ほんとうに身に余る光栄です。

谷口巧:http://www.takumitaniguchi.com/


せっかくなので、谷口さんとの不思議なご縁話をひとつ。

昨年の秋、いま進めている亀の本の監修をしてくださる矢部隆先生を訪ね、愛知県豊田市にある大学へ伺った時のことです。ご挨拶や取材が終わり、さて宴会となった沖縄料理屋さんで、「そうだ、この近くに同僚が住んでるから、あいつも呼ぼうか」ということになり、突然呼び出された「谷口准教授」。学部のエースといわれる若手の方ですが、硬軟取り混ぜあれこれとお話しているうちに、なんと谷口巧さんの実の兄上であることが判明。「えー、こんなことってあるのー!」とお酒の席だもんで、なんだかよくわからなけどむやみに盛り上がる一同。その場で谷口さんの携帯に電話をかけてくださり、「いま豊田にいて、なぜかお兄さまと飲んでますよー」とつながった。
というようなこともありました。あの時は、ほんとうにびっくりしました。弟さんのことをいつも気にかけておられる、とてもやさしいお兄さまでした。
posted by 蟲文庫 at 18:27 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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