火曜日は、地域の「ひやさい」という催しの一環で、コケ観察講座の講師をつとめました。晴れの予報だったので、ちょっと暑いかなと思っていたのですが、野外観察をした午前中は曇り空で、絶好のコケ観察日和となりました。コケの緑は、薄曇りくらいがいちばんきれいに見えるような気がします。日陰に生えるコケのしっとりとした手触りもよかったですね。



午前中は、蟲文庫の裏の鶴形山をぐるりと一周し、野外での観察と採集。午後は屋内での顕微鏡観察と蒔きゴケ体験。参加された方は、園芸好きの方(コケを育てる)から、大学の植物関係の研究員の方(コケを利用した他の分野の研究)までと幅広く、受ける質問の内容も多岐にわたっていましたが、ともあれ、殆どの方が、こうして、野外でひとつひとつじっくりと観察するのは初めてということだったので、何かしら、持ち帰っていただくものがあれば何よりだったと思います。わたし自身は、コケの分類がメインということもあり、ひとつひとつのやりとりが頭の体操にもなって楽しかったです。
コケというのは、あまり知らないうちは「あ、○○ゴケかな」と簡単に見当をつけられるのですが、肉眼ではそっくりに見えても、顕微鏡で葉の詳細や細胞の形をみるとぜんぜん違った!というものも少なくありません。知れば知るほど「いや、あれかも、いやいや…」と、はっきりしたことが言えなくなる分野なので、ふだんの観察会では、たいてい「○○の仲間」というところまででご容赦願っています。
また、サクという胞子体が出ている時期などでないと分類できないものもありまして、そういったものについては「わかりません」と自信満々(?)で答えていますが、そういった事情なのです。すみません。
最後の「蒔きゴケ」というのは、盆栽などの根元にコケを生やすために用いられている方法です。細かく刻んだコケを園芸用の土と混ぜて、あとはひたすら生えてくるのを待つ、だけ。今回は、晴れの国岡山の気候にぴったりのエゾスナゴケでやってみました。経験的には「日当たりがよく雨の当たる場所に放置」というのがいちばんいいような気がしています。
また、当日は、倉敷自然史博物館の狩山さん(ご専門は、維管束植物=コケよりも高等な植物)がサポートしてくださったおかげで、道々の樹木や草花などにつても見識を深めることができました。ほんとうにありがとうございました。
ところで、「ひやさい」というのは倉敷弁で「路地」のことです。
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(おしらせ)

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まだもうすこし座席がありますので、どうしようかなと思われている方はぜひとも!
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また、雨降りの予報となっていますので、ご予約くださっている方はどうぞお気をつけていらしてください。
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