◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2012年12月31日

大晦日の顔

いつのまにか大晦日ですね。
いつものように帳場にいるので、あまり実感はわきませんが、一年に一度、この日にだけ覗いてくださる方々の顔をみて、おしゃべりをしているうちに、ああ、あとちょっとで来年なんだ、とすこしずつ「その気」になってくるのです。

今年は、本を2冊も出せるなど、喜び事も多くありましたが、でもやっぱり一番は、まだ店が続いていてよかったなーということです。月並みなようですが、それに尽きます。ほんとうにいつもありがとうござます。そして、来年もよろしくお願いします。

みなさまも、どうぞよいお正月をお迎えください。

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今朝のギンゴケ(真ん中の白っぽいやつ)。
posted by 蟲文庫 at 17:23 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月23日

最近のPさん

近隣の猫らが、一匹のこらず丸くふくらんできました。寒いですね。

年末年始の休業予定が少し変更になりましたので、取り急ぎのお知らせです。

【休業】25日(火)〜28日(金)、1月1日(火)
  ※2日(水)以降は通常営業の予定です。


最近、またちょこちょこやってくるようになった近所のPさん。

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写真ではわかりにくいですが、なかなかの巨漢です。

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でも人なつこい。

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そして、とてもかわいい声で「にゃあ」という。
posted by 蟲文庫 at 16:54 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月14日

12月の本


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『冬の本』(夏葉社)1700円+税 
 編集:北條一浩 発行:島田潤一郎

「次はなにかしら」と楽しみにしておられる人も多い夏葉社の新刊が届きました。今回はなんと書き下ろしです。それも84人の。
冬に読んだ本。冬になると思い出す本。まるで冬のような本。「冬」と「一冊の本」というテーマで書かれた84通りの冬の話。巻末には、それぞれが取り上げた「一冊の本」についての詳細も載せてあります。以下は夏葉社の代表である島田さんがtwitterに書かれていた言葉。

  《『冬の本』、ゆっくりゆっくり、読んでほしいです。この本には84通りの文章
  があります。気になる人の「冬の本」を読み、これまで知らなかった書き手の
  「冬の本」を読み、そこで紹介されている「冬の1冊」も読む。それから自分に
  とっての「冬の本」について思いをはせる。読書はいつまでも続きます。》


(執筆者)

   青山南、秋葉直哉、淺野卓夫、天野祐吉、安西水丸、いがらしみきお
   池内紀、池内了、石川美南、井嶋ナギ、伊藤比呂美、伊藤礼、井上理津子
   岩瀬成子、上原隆、宇田智子、内堀弘、大竹昭子、大竹聡、大谷能生
   岡尾美代子、岡崎武志、荻原魚雷、角田光代、片岡義男、木内昇、北澤夏音
   北沢街子、北村薫、北村知之、久住昌之、小林エリカ、越川道夫、小西康陽
   近藤雄生、佐伯一麦、柴田元幸、杉江由次、杉田比呂美、鈴木慶一、鈴木卓爾
   鈴木理策、曽我部恵一、高橋靖子、高山なおみ、田口史人、竹熊健太郎
   武田花、田尻久子、田中美穂、丹治史彦、友部正人、直枝政広、長崎訓子
   名久井直子、能町みね子、橋口幸子、蜂飼耳、服部文祥、浜田真理子
   早川義夫、平田俊子、平松洋子、文月悠光、穂村弘、堀込高樹、堀部篤史
   ホンマタカシ、前野健太、万城目学、又吉直樹、松浦寿輝、町田康、南博
   森山裕之、安田謙一、柳下美恵、山崎ナオコーラ、山下賢二、山田太一
   山本善行、吉澤美香、吉田篤弘、吉本由美


じつはわたしも書かせていただきました。
たいへんに地味な「一冊の本」と冬の話を。


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『わたしのブックストア』北條一浩(アスペクト)1600円+税


副題は「あたらしい「小さな本屋」のかたち」。古本、新刊とわず、全国の「ちいさな本屋」を丁寧に取材して書かれた書店ガイドです。蟲文庫も取材していただきました。

   コンコ堂(東京・阿佐ケ谷)、火星の庭(宮城・仙台)、幸福書房(東京・
   代々木上原)古書玉椿(東京・聖蹟桜ヶ丘)、dessin(東京・中目黒)
   町家古本はんのき(京都・堀川寺之内)、往来堂書店(東京・千駄木)
   古書 音羽館(東京・西荻窪)、橙書店(熊本・玉屋通り)、ガケ書房
  (京都・北白川)、青聲社(東京・目白台)、山陽堂書店(東京・表参道)
   ブックギャラリー・ポポタム(東京・西池袋)、古書 日月堂(東京・
  (表参道)、恵文社(京都・一乗寺)、蟲文庫(岡山・倉敷・本町)
   古書ビビビ(東京・下北沢)、信愛書店(東京・西荻窪)
   コクテイル書房(東京・高円寺)、古書ロスパペロテス(東京・代々木上原)
   市場の古本屋ウララ(沖縄)

   (book cafe)Brooklyn Parlor、SUNDAY ISSUE、CAT'S CRADLE、beco cafe
          SEE MOER GLASS、6次元

   (インタビュー)ピース 又吉直樹
   (対談)岡崎武志×小山力也
   

北條さんには、書評を書いていただいたこともあるのですが、著者であるわたし自身が「受け取り方は読んだ人の自由だけれど、でももしこんなふうに受け取ってもらえたなら、とてもうれしい」と思っていることを、ほんとうにきちんと汲み取って読んでくださるので、ちょっとびっくりしてしまうのです。それは、今回のこの蟲文庫についての文章でも同じで、取材の時、こちらがうまく言い表せなかったところまで、ちゃんと受け取ってくださっていて、やっぱりものすごくうれしくなりました。きっと、他の本屋さんもそうなんじゃないかと思います。


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『山口さんの椅子/記憶』鈴木るみこ(オオヤコーヒ焙煎所出版局)1000円+税

京都・ボンジュール!現代文明にて行われた展示「山口さんの椅子」のために作られた小さな本。「山口さんの椅子に座って読むのにふさわしい文章を」というオオヤさんからの依頼で書かれた、鈴木るみこさんの文章です。


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『定本 古本泣き笑い日記』山本善行(みずのわ出版)2700円+税

「青弓社版「古本泣き笑い日記」刊行から10年。記事、書影とも大幅に増補した決定版。古本者必読の一冊。」という謳い文句の通り、もうほんとうに勉強になるのです。善行堂にはなかなか行けないので、まずはこの本で。思いがけず、蟲文庫前の通りと店内の様子の写真も載せていただいています。


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『DECO CHAT』vol.2 旅のツヅキ(DECO社)860円+税

一年ぶりの『DECO CHAT』の新しい号です。判型も雰囲気もがらりと変わりましたが、でもこちらもいいですね。あわせてvol.1「旅と本のコラム」も再入荷しています。

詳細:http://bit.ly/Ube4ln
posted by 蟲文庫 at 13:39 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月10日

川手さんの「田中さんの龜」

ご報告が遅れましたが、8月末に発売された『亀のひみつ』は、10月のはじめに増刷され、現在2刷、累計11000部となっております。ありがとうございます。

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二刷り!(個人的には、痛恨の誤植が訂正できてほっとしました。)


本が出来てしばらくした頃、川手直人さんがこんな歌を作ってくれました。

「田中さんの龜」https://soundcloud.com/kawatenaoto/tanakasan-no-kame
 (※左上のオレンジ色の(>)をクリックすると聴けます)

なんと、あの川手さんの歌ものです。
前々から、川手さんは声がいいので、歌をうたわないのはもったいないなあとおもっていたのです。なおさらうれしい。

川手直人さんのページ https://soundcloud.com/kawatenaoto

他にもいろいろ聴けますよ。

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新作の『NEW WAVE』(CD-R 1000円)は蟲文庫でも販売中です。

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 (新入荷のおしらせ)

●HEADZより

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のっぽのグーニー/賛歌賛唱(CD 2300円)

●趣味と實益社より

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純粋個人雑誌『趣味と實益』第壹号〜六号 編集:平山亜佐子(各500円)

●西荻 gallery cadocco より

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てぬぐい「猫のほんや」(1300円+税)

高円寺書林(高円寺)、ブックギャラリーポポタム(目白)、にわとり文庫(西荻)、橙書店(熊本)Voltaire&Rousseau(U.K. Glasgow)、そして蟲文庫と全部で6軒ぶん。本屋の猫(もしくは本屋の店主が飼っている猫)が登場するてぬぐいです。うちはコケ観察をするミルさん。緑の部分の猫亀です。

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年末年始の営業と休業は下記のとおりです。

【休業】26日(水)〜28日(金)、1月1日(火)
 ●1月2日(水)から通常営業の予定です。
  (※年内は変更の可能性もあります)

長年、年末年始は無休でやってきましたが、ここ数年は家の用事などで、年末についてはそうもいかなくなってきました。トシねえ。
どうぞよろしくお願いします。
posted by 蟲文庫 at 16:19 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月06日

青森・奥入瀬紀行(1)

温暖といわれる瀬戸内沿岸部のこのあたりの紅葉ももう終わり、冬らしくなってきました。9月の終わりに訪ねた青森は、そろそろ雪景色でしょうか。

遅ればせながらの奥入瀬(おいらせ)紀行です。

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このたびの青森・奥入瀬渓流行きは、当地でガイドをされている方々を対象とした「モス・プロジェクト」という学習会のためでした。全部で8回、その道の研究者から、わたしのような「やわらかい」キャラクターの者までが講師として順番に訪問し、コケをはじめとした隠花植物の生態や魅力、その観察方法などを指導、解説、紹介する、といったものです。

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(写真中央下)木賊の群落が目を引きました。


奥入瀬といえば、広大なブナ林や、十和田湖へいたる美しい渓流などで有名な景勝地ですが、じつはコケも豊富です。そこで、これまでのような「ブナの林を眺めながら、おだやかな渓流沿いをやや足早に歩く」ような楽しみ方に、もうひとつ「そこに生えている小さな植物を見つけながらゆっくりと歩く」ということもプラスしたら、もっと奥入瀬の魅力が広がるのではないか、ということから企画されました。

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イクビゴケ

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キノコシーズンでもありました。

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トリカブトの花。

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サラシナショウマの花。


奥入瀬渓流沿いの遊歩道は、整備をされすぎているわけではないのに、とてもおだやかで平坦で、極端にいえばパンプスでも歩けないことはないくらいです(実際、スーツを着た上司と秘書みたいな二人連れとも行き合いました。妄想が膨らみますね。)。例えば白神山地、南なら屋久島などの場合、目的地まで行こうと思うと「登山」が必要ですが、奥入瀬については、そんな頑張りはまったく必要なく、体力に自信のない人でもたのしく歩くことができるのです。

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平坦で歩きやすい道。左側が渓流です。

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こんなふうに、流れのすぐそばまで近寄ることが出来る場所もあります。


今回、このモス・プロジェクトを発案し、実現へと尽力されたノース・ビレッジという会社の河井大輔さんは、日本のさまざまなブナ林を歩いてこられている方ですが「こんなにゆっくりのんびり誰でも歩ける場所は他にないですよ」と言われていました。

じつはわたしも、いざ行くことになって「トレッキングシューズいるのかな…」などと不安がっていたのですが(生まれつき体力がなく、登山する気などさらさらないため、トレッキングシューズも持っていないのです)、おそるおそる尋ねてみたら「市街地でのコケ観察の時と同じ靴で大丈夫ですよ」という返事。そして行ってみたら、ほんとにその通り。雨さえ降らなければ普段の格好で充分でした。それくらい、気軽に歩ける場所なのです。


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栃の実。

今年は栃の実が豊作だそうで、歩いているそばから、流れの中に「ぼちゃん」「ぼちゃん」と落ちる音が聞こえていたのが印象的でした。頭の上に落ちてきたら、すごく痛そうです。でも栃餅は大好物なので、許せるような気もします。

(つづく)
posted by 蟲文庫 at 20:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

青森・奥入瀬紀行(2)

そして翌日は本番。

会場となる会議室で簡単な挨拶をしたあと、まずはフィールドへ。
みなさん、コケについては初心者とはいえ、長年奥入瀬渓流でガイドをされている方なので、専門用語などもあたりまえのように出てきて緊張します。

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アオモリサナダゴケ、フロウソウなど、わたしの住んでいる瀬戸内沿岸部では見られない種類も多いのですが、余裕がなくて写真は撮れませんでした(主催者のひとりである河井大輔さんが、ものすごく写真が上手いので「まあ、いまこの状況の中でわたしが撮らんでも…」という気持ちもあったのですが)。



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質問には精一杯こたえますが、わからないこともあります。


それまで、めいめい、おもいおもいに観察していたみなさんが、ぞくぞくと一ヶ所に集まってきました。

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なにがあるのかといういと

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ツノゴケ(たぶん、ニワツノゴケ)

市街地や山里など、開けた場所では珍しくないのですが、このような森林地帯ではまずみられません。
ではなぜかというと、この先に大きな施設があり、かなり整備された公園のようになっているのです。いってみればこの奥入瀬では「特殊な環境」。そのせいで生えているのだろうと思われました。


お昼休憩を挟んで、午後は講義室へ。

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本来は、コケ植物の基本の生態や、ふだん自分がやっている活動などについてお話する時間だったのですが、なにしろ大勢の前で一方的に話すのが大の苦手。自己紹介すらしどろもどろになるようなありさまなので、事前にお願いして、質疑応答形式にしていただきました。

今回初の試みに、最初はなかなか質問が出にくかったのですが、だんだんと打ち解けてきて、終わってみれば、3時間があっという間でした。
そしてわたしのほうも、みなさんとのやりとりの中から、これまで自分が考えていた「初歩のコケ」に対する意識を見直すきっかけが生まれ、5年前『苔とあるく』で試みた「専門家と初心者の間に立つ」ということの、さらにもっと細部の隙間を埋められるものが出来たら、というような新たな夢も生まれてきました。

ありがとうございました。

(つづく)

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スギゴケの仲間。
posted by 蟲文庫 at 19:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする