◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
mushi-bunko.com

2014年02月28日

近所のMさん

昨年の夏の終り頃から、ひたすら切羽詰まった状態だったコケ図鑑もなんとか無事に出来上がり、深夜や明け方にがばっと起き上がって「うわ〜あれがまだ出来てない〜(書けない〜)」とか「ああ、ほんとうにあれでよかったんだろうか……」などと頭を抱えることもほぼなくなりました。おかげで最近はよく眠れます。しばらくは店の中の細々としたことに専念し、自身の疲労回復にも努めたいと思います。こんな時、帳場に座っているだけでいちおうは「仕事」になるなんて助かるなあ。あ、もちろん、日々古本の補修、値付け、棚出しには励んでおります。ここのところ、うれしい買取りも続いています。


かれこれ2週間ちかくも姿がみえず心配していた近所のMさんがやってくる。

1402281.JPG

1402282.JPG

お腹まわりもたいへん充実しており、特に何事もなかったようでした。
よかった。

そういえば、猫で思い出しましたが、友人知人が恋人や配偶者と別れたり、結婚が決まったり、仕事が変わったりしても、知らされるのはたいてい少し後になってからなのですが、飼っている動物が死んだ時だけは一番に連絡があるのです。考えさせられます。


::::::::

1402283.jpg

清音読書会より『木山捷平資料集』の最新号をご恵贈いただきました。

木山捷平の年譜や作品はもちろん、雑誌などへ投稿された作品や研究資料、座談会や放送、音楽化された作品のリスト、文学展のポスターの写真などがたいへん丁寧にまとめられています。

木山捷平の作品に親しむ人がひとりでもふえてくれたら、という思いで編まれているこの資料集。つい最近、わたしもそんな気持ちで、あるところへ木山捷平に関する文章を書かせていただいたところです。
posted by 蟲文庫 at 19:05 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月21日

のっそりと20周年

蟲文庫はこの2月7日で20周年を迎えることができました。
これは奇跡のようなものです。でも、奇跡のおこっている最中、人はわりあいぼーっとしているものですし、20周年という奇跡は、やはり20年をかけて起こっているので、「やったー」という達成感のようなものではなく、「そうかあ、20年かあ」とふと振り返ってみて、それがいかにすごいことであるのかあらためて意識するような、そんなのっそりとした感覚です。ほんとによく続いてきたもんだ。
おかげさま、というのは、こういう時のためにある言葉だと思います。ほんとうにおかげさまでここまで続けてくることができました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


それで、20周年記念の葉書を作りまして、いまぼちぼちと書いては投函しているところです。

1402210.jpg

『苔とあるく』が出た時、友達がプレゼントしてくれたヨーロッパの古い石版画。
実際にはA3ノビくらいのサイズです。

苔、羊歯、海藻、といずれも胞子でふえるものたちばかりで、さらによく見ると、胞子そのものの顕微鏡スケッチまで描かれており、まるで未来(『胞子文学名作選』)を予見していたかのようなのです。
これをひとりで眺めているのはもったいないので、葉書にしました。店頭にもありますので、ご希望の方がいらっしゃいましたらお声かけください。

1402213.jpg

ちなみに、『胞子文学名作選』の尾崎翠「第七官界彷徨」の扉は、この石版画の中の苔の部分が使われています。


:::

(おしらせ)

1402211.jpg

『早稲田文学』7号

特集「<私>から別の形態へ」に「世界は胞子からはじまる」というエッセイを書かせていただきました。扉絵は『胞子文学名作選』の松田水緒さん。『早稲田文学』は今年で創刊123周年。早稲田文学といえば井伏鱒二、そして木山捷平を思い浮かべ、いまさらながら緊張で内臓が縮こまる思いです。


1402212.jpg

『本の雑誌』3月号

『胞子文学名作選』関係者座談会が掲載されています。港の人の里舘勇治さん、編集の井上有紀さん、デザインの吉岡秀典さん、シナノ印刷営業部の渡部さんによって、この本についての裏話や苦労話などが詳細に語られています。面白いのでぜひ。

:::

近々蟲文庫店内のガラスケースの中とその周辺で松田水緒さんの原画展を行う予定です。どうぞお楽しみに。
posted by 蟲文庫 at 20:01 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。