◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2017年06月21日

『星とくらす』できました


先日もお知らせさせていただいた、『星とくらす』が出来上がりました。そろそろ店頭に並びはじめていると思います。蟲文庫にはすでにあります。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく三部作の完結編。


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『星とくらす』田中美穂 著 木下綾乃 絵(WAVE出版)1600円+税

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帯を外したところ。

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カバー裏は南天の天の川。

装丁は、今回も松田行正さんのマツダオフィスです。


「苔」「亀」は、基本的に「そのことに詳しい人」の立場で書いていますが、今回はまったく違って、かなり素人の目線のもの。内容も、「自転車での帰り道に星空を眺めている日常についてのエッセイ」が中心で、どことなく『わたしの小さな古本屋』に近い部分もあるかと思います。「天文の基本について」ではなく、そこへいたるもう一、二歩手前あたりの、星に親しむきっかけやとっかかりになれば楽しいなと思って書きました。かえる目の「天文台もなかのうた」についての文章もありますよ。

3年ほど前にこの本を書きはじめた頃から、母が「天文はぜんぜん興味がない…(私には難しいかも)」と暗い顔をしていたのですが、先月、試しに4校くらいのゲラを見せてみたら、「わ、これなら読めそう!おもしろそう」と目が輝いたので心底ほっとしました。これは内容もだとは思いますが(思いたいですが)、木下綾乃さんによるイラストのおかげも大きいと思っています。案内役のヤマネコくん、とてもかわいいのです。

ところで、この本は「秋のころ」のオリオンの話しからはじまっています。季節外れもいいところですが、秋の終わりから見えはじめるオリオンは、日頃から星に親しんでいる人にとっても、それほどでもない人にとっても、印象深く、頭の中でイメージしやすいのではないかと思ったからです。とはいえ、季節に関係のない話題も多いですし、たったいまが初夏なだけで、季節はどんどんと移り変わるので、目次などで気になったところから読んでいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

星空をはじめとした写真や、専門的な内容の確認については、多くの方ににご協力をいただきました。
『苔とあるく』からちょうど10年。「おわりに」にも似たようなことを書いたのですが、同じ編集者と10年かけて、このような3冊の本を作ることができたのは、とてつもなく幸せで、ほとんど奇跡のようなものだと思います。これまで、さまざまな形でお力添えくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。
無事出来て、よかったなー。


「この本が、ふだんより少しだけ目線を上げ、星々に近づくきっかけとなりますように。」


posted by 蟲文庫 at 20:09 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

氷ノ山の星空と星の本

2ヶ月ほども更新できずにいるうちに、もう6月です。

以前にもちらっとお知らせをさせていただいていましたが、数年前から取り掛かっていた星についての本が、ついに今月中旬〜下旬に発売されることになりました。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく第3弾(完結編)の『星とくらす』という本です。前の2作にくらべると、エッセイの要素が強く、内容も「星は好きだけどそれほど詳しくはない」という立場で書いたものなので、雰囲気はだいぶ違うものになったと思います。「自転車での帰り道に星の観察」をしている日常の様子を中心に、流星と彗星はどう違うかなどをイラスト入りでちょこちょこと解説しています。詳しいことは、またあらためて。どうぞよろしくお願いします。

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先日、コケ観察会の講師として鳥取県の若桜(わかさ)へ行ってきました。スキーをされる方なら「氷ノ山(ひょうのせん)」という山の名前で知っておられるかもしれません。

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若桜鉄道「若桜駅」


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倉敷から鉄道を乗り継いで4時間ほどかかる中国山地の深いところです。若桜自体は初めてでしたが、ここから峠をひとつ越えたところ(兵庫側)に母の実家があるので、ひどく懐かしい感じもありました。

「氷ノ山 自然ふれあい館 響の森」で行われている様々な観察会の一貫で、これまであまりじっくりとコケを見たことはなかったという方の参加がほとんどでした。そんなわけで、まずはコケとコケ以外の植物とを見わけるところからはじめます。その後は、現地に生えているいくつかの特徴的なコケの種類を紹介しました。新緑のまぶしい初夏の森で、地面や岩にはいつくばっているのはもったいないような気もしないではないですが、コケのほうも凵i胞子体)が伸びている時期で「いちばんいいシーズン」ではありました。最後は屋内で顕微鏡観察を。
講師ひとりだったので、行き届かないところが多々あったと思いますが、他の動植物とはちょっと勝手が違う、コケへの近づき方を体験していただけたのではないかと思います。暑い中、ほんとうにありがとうございました。

ところでこのあたりは、倉敷天文台で数々の彗星を発見した本田實さんの生まれ故郷にも近く、天気予報を見ながら「もしかしたら…」と内心期待していた通り、夜には、思わず息をのむような、すばらしい星空を見ることもできました。
近々発売予定の『星とくらす』にも書いたのですが、星を眺めるようになった最初のきっかけは、倉敷天文台と本田實さんの存在なので、なんというのか、もう胸いっぱいでした。


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星の写真は撮れなかったので、夕日の写真を。


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(おしらせ)

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山尾悠子さんが、角川書店のPR誌『本の旅人』に「倉敷・蟲文庫への通い始め」というエッセイを書いてくださいました。大きめの書店では配布されていると思いますので、機会がありましたらぜひ手に取ってください。わたしはまずは神棚に。


現在蟲文庫では、山尾悠子さんのご著書も販売しております。

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『角砂糖の日』山尾悠子歌集(LIBRAIRIE6)3200円+税 
3月に重版されたものですが、こちらも既に在庫僅少となっています。

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『夢の遠近法』山尾悠子(ちくま文庫)900円+税
『ラピスラズリ』山尾悠子(ちくま文庫)760円+税

いずれもサイン入りです。
posted by 蟲文庫 at 18:38 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする