◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
mushi-bunko-diary.seesaa.net

2005年12月22日

古本漬けの一日

「上京日記」2005年12月15日(木)
 (*13日と14日もありますが、また追い追い)

この日、古本屋には一軒も立ち寄らなかったにもかかわらず、どっぷりと古本漬けになりまし
た。

朝、池上の友人宅(ホンモンジゴケが最初に発見された池上本門寺のすぐ傍なんです〜)を出
て、一艸堂の石田さんにお会いするため、池上ー蒲田と乗り継いで、根岸線で横浜へ。石田さ
んはホームまで迎えに来て下さる。

奥様と3人で横浜散策。ほとんど田舎の姪っ子でも遊びに来たようなムードです。でも、お昼
になったばかりの中華街でさっそく酒を飲みはじめるのが、やっぱり古本屋かな。奥様曰く「
断末魔の聞こえてきそう」な古本業界の先行きなどをぽつぽつ話す。でも、10年後の自分が
どうしているかという事より、世の中がどうなっているのかという事のほうが気になります。
というと、石田さんも全く同感、と。

その後、石田さんも私もアルコールでちょっと眠くなりつつ、近代文学館と大佛記念館を見学。
全集の端本でも、外村繁や葛西善蔵はよく売れるというと、そりゃ頼もしいねと褒められる。
うれしい。

あっという間に夕方になって、また横浜駅まで送っていただく。
「来年は、もっとゆっくりいらっしゃい」と。是非そうさせていただきたいと思います。

そして夜は神保町。

にゃんとも、ワタクシめの上京に合わせて、岡崎武志さんと古書現世の向井さんが宴席を設け
てくださったのです〜〜(ああもう、もったいないもったいない....なむなむ)。し・か・も・
その御二人に加えて、書肆アクセスの畠中さん、「わたしは猫ストーカー」の浅生ハルミンさ
ん、海月書林の市川さん、という、目も眩むような、そうそうたる顔ぶれ。..わたしはわたし
は....なにか芸でも出来たらよかったんですが、あいにく歌も踊りもからきしで、もうどうして
いいのかわからず、とりあえず普通に飲んでいました。(と言いつつ、移動時間の予測ができ
ない田舎者は、5分くらい遅刻してしまいました。岡山県民にとっては、横浜も神保町も同じ
場所に思えるのです....。すみません)

2軒またぎ4時間程の宴席の中で、岡崎さんとは初期の万歩書店や巴里夫のこと、向井さんと
は同い年だという事や蟲文庫をはじめた頃のこと(岡崎さんから「....なんて無造作な....」とあ
きれられる)、ハルミンさんとはツチノコとヒバゴンのこと、市川さんとは百鬼園先生のこと
畠中さんとは岡山文庫や徳島の小西昌幸さんの「ハードスタッフ」のことをお話しをしたのを
思い出しますが、でも本当に、世にいう「いっぱいいっぱい」で、ぼーという状態だったので
うまく説明はできません。すみません。

でも、普段、まともに古本や古本屋の話しが出来るのは、先輩業者のMさんとだけということ
もあり、単純に、とても勉強になり、そして楽しかったです。岡崎さんに「東京も、たまには
いいでしょ?」と言われ、何度も激しく縦に首をふる。感謝の言葉もみつかりません。

11時頃お開きになり、方向が同じの向井さんと帰る。「(書肆アクセスの)畠中さん、今日
でも充分面白かったけど、でもほんとはもっともっと、ものすごく面白いんですよー」と力説
される。でも、向井さんの鋭いツッコミも面白かったです。

この時のことは、岡崎さんや向井さんが、ご自身のブログにも大変好意的に書いてくださっ
ています。
 okatakeの日記「12月16日
 古書現世店番日記「12月15日

そうあることが出来るよう努力していきたいと思います。

ひとつ前の日記にも書きましたが、みなさま、もの凄いご多忙の中を本当にありがとうござい
ました。正月の餅の心配も、まるっきりの冗談ではない蟲文庫ですが、ともかく引き続きがむ
ばります。

これまでも、いろんな方が言われてる言葉ですし、好きで古本屋をやっていれば、そう思わず
にはおれないような気がしますが、「毎日毎日、これだけ沢山の本に接していても、それでも
まだまだ世の中は知らない本だらけで、おおよそ完成ということはあり得ない。でもだからこ
そ古本屋という仕事はどこまでも面白い」です。

そして、やっぱりどこまで行っても、相変らず、食うや食わず自転車操業。とにかく目の前
にある、いま出来ることをコツコツとやるしかないのですが、でもその「目の前にある、いま
出来ること」がゴロゴロ転がっている古本屋という仕事は、本当に、とてもシンプルで幸せな
んだとも思います。

51221.jpg
岡崎武志さんの奥様(直接お目に掛かったわけではありません)か
ら、手作りの文庫本カバーをいただきました。
表がキノコ柄(ベニテングダケもありますよ)内側は葉脈柄という
すばらしい組み合わせ。ステキ。

さて最初にどの文庫本を包もうかと、未だ迷っていたりします。

posted by 蟲文庫 at 13:01 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする