◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2005年12月29日

東京古本詣で(西荻界隈・五反田編)

神保町と早稲田の他には、西荻窪の音羽館と興居島屋、荻窪のささま書店を覗くことができました。

音羽館では均一の文庫から堀田善衛の『広場の孤独』と『時間』、福永武彦『愛の試み』。店内ではマルカム・ラウリー『活火山の下で』が欲しかったのですが、高くて買えませんでした。でも、他にも欲しい本がたくさんありました。
興居島屋では『思索の階段』串田孫一。入っても、しばらくお店の人が出てこないところが蟲文庫みたいです。ただこの時は、移動中の「あ〜時間ないけど、でもでも、せっかくだしぃ〜」とムリヤリ途中下車していたもので、ほとんど駆け足状態。興居島屋の "紙もの” も、ものすごく気になりました。もっとゆっくり見たかったです。

別の日に荻窪のささま書店へ。表の均一で堀田善衛『橋上幻像』、井上光晴『未青年』、津田孝『プロレタリア文学の遺産と現代』、店内では、参詣記念に尾崎一雄の『蜂と老人』『蜜蜂が降る』を買いました。かわいいネズミの袋がうれしい。すごい品ぞろえだなーと、ほーと口開けて眺める。お客さんが引きも切らずなのも頷けます。働き盛りの男子を何人も雇えるなんて、おやじさんすごいな。

ところで蟲文庫は、東京からいらした方などから「ニシオギにあるような古本屋ですね」と言われることがあります。そう言われても、その "ニシオギ" という所を知らない私はなんとも返事のしようがなかったのですが、『古本道場』の中で、角田光代さんが書かれていた西荻(の古本屋)的なるもの。「サブカルチャーの整った田舎(村)」で「流行ともさほど関係なく」そして「かつて誰かに読まれ、大切にされていた本」etc....というのには確かに思い当たるフシがあります。

倉敷は、とても小さな町ですが、柳宗悦や河井寛次郎などが起こした民芸運動には、その黎明期から縁の深い土地柄で、(で、いきなり話しが飛びますが)70年代前半からいまも健在の輸入盤屋さんなどもあり、町の規模にくらべると、「文化」的にずいぶん恵まれてきたように思います。そして、蟲文庫に並んでいる本も、その殆どが、近隣の人々が様々な事情で(時に泣く泣く)売りにこられたものです。買わせていただき、売らせていただくのだ、と思わされずにはおれない場面もしばしば。
そうそう、角田光代さんが他に挙げておられた「西荻の古本屋における共通点」

”昔のガロがある” 
”根本敬の本がある” 
”ジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』がある” 

にも、見事当てはまります。

これに関しては、もう少しじっくり考えてみると、ちょっと面白いものが出て来そうな、そうでもなさそうな、う〜ん...という微妙なところですが、とにかく、いま私は年賀状を書かねばならないので、ひとまず、倉敷はどこかしら西荻と似ている部分があるのかもしれないという事で置いておきたいと思います。
でもそういえば、今年、ある雑誌記事でお世話になった、ライターのK女史から、「蟲さんがもし東京に住むんなら、絶対に中央線ですね」と断言されました。そうなん?

そして16日朝は、五反田の南部古書会館即売会。
しっかり開場前に到着し、まずは表のものを何冊か掴む。そして9時半開場。なるほど、これはオヤジのバーゲン会場ですね。
初参戦の私も隙間を縫って(なんて、実は全然遠慮しませんが)1階(100〜300円中心)で、中西悟堂『野鳥を訪ねて』、室生犀星『蒼白き巣窟』(表紙の蜘蛛がステキ)、中谷宇吉郎『日本のこころ』、永井龍男『わが切抜帖より』『青梅雨』、谷川雁『影の越境をめぐって』、メーテルリンク『蜜蜂の生活』、山田無文『碧巌物語』、串田孫一『風の中の詩』、『新青年傑作選4』、『水木しげるお化け絵文庫1』『同2』などなど...。2階(そこそこのお値段)では、お客さんから頼まれていたものもあり、吉増剛造『わたしは燃えたつ蜃気楼』、串田孫一『博物誌』、中谷宇吉郎『春艸雑記』、丹波文雄『美しき嘘』などを買いました。送料は岡山でも一律で800円というのが嬉しかったです。発送のお世話をしてくださったお兄さんもとても親切でした。
こうして並べてみると、あれま、なんだか無難なセンに収まってしまったかしらねぇ.....な感もありますが、でもまずは「即売会初体験」ということで、よしとしたいと思います。

ただ、前日の飲み会の終りに、「明日、五反田で〜」と、手を振った岡崎さんのお姿が見えないのが、最後まで気になりましたが、後日、原稿の締め切りなどで「遅い出勤」になった由、ご自身のブログにて知りました。この度の五反田、上京前に古書会館への地図までお送りくださって「これはぜひ」とすすめて下さったのも岡崎さんなのです。本当にありがとうございました。

他には、友人知人宅付近ということで、砂川と目白のブックオフにも行きました。武田百合子『犬が星見た』、草森紳一『ナンセンスの練習』、パブロ・カザルス『喜びと悲しみ』、辺見庸『屈せざる者たち』など、105円でなかなかよいものがありました。さすが東京。

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ささま袋。ねずみがかわいい。



posted by 蟲文庫 at 12:22 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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