◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年01月20日

きのこの思惑、苔の意図

本日より営業再開。明後日はオグラさんのライブなので、準備、準備。3月のワタナベマモルさんは、オグラさんとファン層もかぶるので、この機会に宣伝しようとせっせとチラシづくり。

以下、上京日記第1弾です。

16日、17日の「古書往来座 外市」は、寒風吹きすさぶ中でしたが、それでも朝からひっきりなしのお客さん。店をやっていても思いますが、古本屋のお客さんというのはじつにたくましい。これまで営業中に停電したことが何度かあるのですが、そんな真っ暗な中でも目を凝らして、買って行かれる方は買って行かれます。
そしておかげさまで、外市の蟲文庫の棚も予想外の売り上げがありました。片づけの時、かなり残った感じだったので、ダメだったかなーと思っていたのですが、けっこうよかった去年よりもさらによかった。全体の売り上げも上々だったということです。

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武藤さんがかぶっていたパンダ帽が、あまりにもかわいいのでわたしも被らせてもらう。
太陽がまぶしいです。(撮影:武藤良子)

そしてこの格好のまま、武藤さんとこの夏の計画を。8月にはうちで武藤さんの個展ができそうです。やった!


コケキノコトークは、やはりだいぶ緊張しましたが、飯沢耕太郎さんの柔らかくクレバーな絶妙の進行のおかげで、聞きに来てくれた友人知人からも「思ったよりハラハラしなかった」「あんなにしゃべると思わなかった」という感想が聞かれ、いくらかほっとしました。

飯沢さんは「自分はキノコに選ばれたメッセンジャーだと思っている」と言われていましたが、それにはわたしも同感です。『苔とあるく』は、どう考えても苔に書かされたとしか思えません。コケの先生方から「よくぞ書いてくれた、こんな本は私たち研究者には絶対に書けない」と言われたのですが、これはなにも自著を自慢しているのではなくて、こういう理数系の分野についてわかりやすく書くためには、理数が苦手でないと無理だと思うのですよ。実際、コケの本を書いている時も「ん〜…このあたりの話は眠くなるな…」と、本当に自分が眠くなってきてカットしたところが何箇所もありました。自分では「コケの先生の難しい話を翻訳するために」やっていると思っていましたが、じつはコケ側の意図だったんですね、きっとね。で、念の為お尋ねしてみたところ、やはり飯沢さんも「計算、ものすごく苦手」と仰っていました。


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『きのこ・こけ・しだ』井上浩・横山和正(小学館)

飯沢さんが持参されていた本なのですが、うっかり持って帰ってしまっていました。すみません、近々ご返送いたします。


トークとトークの間のピッポさんのライブでは、飯沢さんが作詞された「キノクリキノクラ」「銀塩写真」の演奏もありました。詩の朗読もよかったなあ。飯沢さんが学生時代に書いたという「イルフォニコ・ステラザルス」という詩がすごくかっこよかった。永瀬清子の「苔について」、いつか最後までききたいです。

ところで、トークの前にふと思い立って「『きのこ文学大全』の中に出てくる苔採集」をしてみたのですが、これが思った以上にたくさんありました。飯沢さんにご報告すると「そのうち、文学作品の中のキノコと苔について何かできたらいいですねえ」という話に。いまのところ「苔いちめんに霧がぽしゃぽしゃと降って」という一文ではじまる宮沢賢治の「蟻ときのこ」が出色ですが、尾崎一雄が「苔」という随筆の中に書いている「セミタケ(冬虫夏草の一種)は普通の地面にもみかけるが、苔の中のほうが多く生える」という一節も大好きなのです。

そういえば、そんなことを考えながら、きのう東京駅の地下街を歩いていたら、「R.S.Books」のウインドウ越しに、ぱっと目に入ったのが、ダニエル・シャルル『ジョン・ケージ』。で、どきどきしながらページを繰ると、やっぱりだ! 最後のほうに南禅寺に関する、ケージと苔とキノコについての記述がありました。もちろん買いましたよ。こうして、どんどん取り込まれて行くわけです。


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『ジョン・ケージ』ダニエル・シャルル(書肆 風の薔薇(水声社))


なにはともあれ、考えれば考えるほど、ふつうありえないような光栄な機会でした。企画してくださった「わめぞ」のみなさんとたくさんのお客さま。そして快くお受けくださった飯沢耕太郎さん、ほんとうにありがとうございました。それにしても、感謝や感激の気持ちでいっぱいになればなるほど語彙が貧困になるものですね。ほんとにね。


打ち上げは、近くの「世界の山ちゃん」。さすがは「わめぞ」という盛り上がり。いろんな人とお会いでいましたが、古本海ねこさんと初対面できたのもとてもうれしかったです。恒例の売り上げ発表は、藤井書店3代目の “B-BOY” リボーさんが、HIPHOP調で。おもしろすぎです。その後、みんなでリボーさんのキャップとサングラスをかけあいっこ。

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「まだまだ照れてますね」とダメ出しをくらった写真。

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お手本。

11時前くらいにいったんお開き。二次会にも心惹かれましたが、池袋からは、うっかりすると電車がなくなりやすい「中央線組」のひとりとして、ここでおいとますることに。ただ、その後、荻原魚雷さんが誘ってくれて、BOOKONNの中嶋さん、海ねこさん夫妻とこの日が最後の高円寺あずま通りのコクテイル(※3月上旬には北中通りに移転オープンの予定)へ。今回無理かなあ、と思っていたのでうれしかったです。たまたま前野健太さんの歌が2曲聴けたのもラッキーでした。


そういえば、狩野さんには、前日高円寺の商店街でばったり出会ったりもしましたし、ほかにもいろいろあったので、また追々書いていきたいと思います。が、まずは明後日のオグラさんのライブです。よろしくお願いします。



posted by 蟲文庫 at 18:11 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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