◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年02月19日

バナナロールと大山名人

ふくやま文學館の常設展では井伏鱒二がたいへん手厚く紹介されているのですが、その中に将棋好きの井伏鱒二が誰か(失念)と対局している様子を大山康晴十五世名人が観戦している写真がありました。
じつはわたしが一度だけ就職したことのある会社は、当時この大山名人が名誉会長で、勤めている10ヶ月足らずのあいだに一度だけ見かけたことがあるのですが、なんとなく「井伏鱒二みたいだな」と思った記憶があります。もちろん、同じ荻窪住いで、そのような親交があるということなどは知るよしもありませんでしたが。

ところで、その会社はとんでもなく忙しいところで、入社早々昼夜分かたずといった蟹工船状態。みな「上はいったいどういう了見なんだ」と日々不満をつのらせていたわけですが、そんなある日ひょっこり現れたのが先の大山名誉会長。「やあ、みなさんいつもご苦労さん」と言ったかどうかはもう覚えていませんが、ねぎらいのキムラヤのバナナロール(※ヤマザキのジャムコッペみたいなもの)が配られたとたん、同僚達から「へえ、けっこういい人だねえ」という声がきこえはじめ、思わず腰の力が抜けそうになったという思い出もあります。まあ、みんな疲れきっていて甘いもんが食べたかったというのは確かですが、しかしいくらなんでもバナナロールで「いい人」なんて安すぎですよ。

もちろん、名誉会長というからには現場のことなどご存知なかったでしょうし、いまとなってはただの笑い話で、これっぽっちの恨みもありませんが、ただ、わたしが生きている限りは「大山名人」=「キムラヤのバナナロール」と連想されてしまうという不名誉なことにはなってしまっているのでした。

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大山名人といえば。

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◆ 明日は知久寿焼さんのライブのため休業。翌日(21日(日))はお昼くらいからの営業となります。

posted by 蟲文庫 at 16:53 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする