◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年06月16日

物干し台の観測所

土砂降りかと思えば今日は晴天というよりすでに炎天。めまぐるしいですね。でも天気予報をみると、明後日くらいから当分雨がつづくようです。

そんな時ですが、倉敷天文台(関係者)のOさんから望遠鏡をお借りすることに。店の2階の物干しは北側で視界もあまり広くはないのですが、でも朝に晩にここでよく空を眺めていますしせっかくなので。

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口径8cmの屈折望遠鏡。

夜空の星も地べたの苔も、見ようと思ってなんぼのことですし、定点観測とおもえば季節感もあっていいものです。

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接眼部。

生まれて初めて自分ひとりで触る天体望遠鏡。最初ちょっとよそよそしい感じがしたのですが、この接眼部が顕微鏡とほぼ同じなので、一気に親近感がわきました。とりあえずは月を入れる練習。つづいて肉眼で見える星。まずは上々。ですがやはり赤道儀に乗っていればなあ、とつい。

とはいえ、わたしの用途からすれば充分すぎるくらいなのです。ただ光学機器はいいもんに越したことはないのでありがたく。Oさんは、本田實先生(あの本田彗星の!)の奥様をして「(あなたも)星のケモノヘンねえ…」といわしめた人ですから、そうりゃあもう聞いてるだけでうんざりするほどお持ちなのです。そして考えてみれば、苔を見る時の顕微鏡にしても、実体、光学の各一台は必須として、それらの仕事場用、家用、野外用、とこれがなかなかキリのない世界。いや、お気持ちはよくわかります。というか人のことはいえません。かつては、新しい星を探すためには、膨大な数の写真のフィルム実体顕微鏡で確認する作業が必要だったそうですが、本田先生も職場用、自宅用・・・と何台もの実体顕微鏡をお持ちだったとか。もちろん肝心要の望遠鏡のほうは言うにおよばずで、もう、それはそれは……。なんて、こんなところからも親近感がわいてしまったりして。


ところで、いまの時期は北斗七星がよくみえますが、野尻抱影『星三百六十五夜』6月17日のところに、冠座の輪を「踊り子星」と呼ぶ地方があるという話から、

 「本田實君によると、広島県沼隈郡地方で、北斗七星をタノクサボシといい
 村の娘たちが並んで田の草を取っているように見た名だという。これも美し
 い名で、踊り子星によく似た見方である。」

と書かれてありました。本田先生は1941年に倉敷天文台に着任される前、黄道光観測所(広島県沼隈都瀬戸村=現福山市)におられたということなので、そのころ耳にされたエピソードなのでしょうね。そしていまもご健在の奥様、慧さんは、この瀬戸村のご出身。

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『星三百六十五夜』野尻抱影 著。

現在では、この中公文庫BIBLO版「春」「夏」「秋」「冬」の全四冊で読むことができます。個人的にはもうちょっとコンパクトにまとめてほしいのですけどね。だって文庫本といえども4冊買うのって大変よ。一年中、一生読み続けられそうな本だと思うだけになおさら。

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 (おしらせ)

こけし絵はがき入荷しました。

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ハルミン特製「HAVE A NICE KOKESHI」4種・各150円。

このたび発売された『kokeshi book―伝統こけしのデザイン 』cochae 著(青幻社)、こちらのイラストを担当された浅生ハルミンさん(『苔とあるく』のイラストも担当していただきました!)による、特製の絵はがきです。どきどきするほどかわいいです。

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こけしを訪ね雪の蔵王(山形)にご一緒したのが懐かしく思い出されます。

左:ハルミンさんが伴われていた秋田のこけし(@鳥海山)。
右:この絵はがきのモデルでしょうか。


posted by 蟲文庫 at 21:56 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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