◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年09月06日

佐渡日記2 ご近所のコケ観察

先週は、東京も岡山も特別な暑さでしたが、佐渡も暑かったです。なにしろ島というのは遮るものがない。空気が澄んでいるせいか、太陽光線をまともに受けるような感じです。ただ、日が暮れるとぐっと涼しくなるので、夜はずいぶんと過ごしやすかったです。

泊めてもらった「acci-cocci」2階。窓から真野湾が一望にできます。
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実はわりと神経質で、旅先ではあまりちゃんと眠れないほうなのですが、この日は数日振りに「よくねたー」という気分でした。

午後は、いよいよコケ観察。
事前に送ってもらった苔標本をもとにこしらえた「acci-cocci 周辺コケマップ」をお渡しし、コケの生態、野外用の実体顕微鏡の使い方などを簡単に説明したのち出発。

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参加者は、熱心なご婦人から近所のお子さん、そして秋山徹次さんまでと多彩な顔ぶれ。

コンクリートに生えている地衣類を観察するみなさん。
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あやしい光景ですね。

地衣類というのは、コケと間違われやすいものの代表で、いわゆるコケ(わたしの専門分野である「蘚苔類」)より、ややカビっぽい雰囲気のものです。実際に地衣類というのは、菌類と藻類が共生している、コケとはまったく別の生き物。木の幹についてる、灰緑のワカメっぽいもの、とか、墓石などについている、黄色やオレンジの粉っぽいもの、といえば、なんとなく思い浮かぶ方もあるかもしれません。

こんなの。
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地衣類(ちいるい)。コケではありません。


あまりにも暑いので、周辺マップの途中をはしょって日陰のある白山神社へ。

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ここは種類も多いので「ここに、少なくとも8種類はあります。では、探してみましょう」と声をかけると、あとはもうみなさん夢中です。ちなみにナミガタタチゴケ、ホウオウゴケ、ハイゴケ、ジャゴケなど、入門編といえるコケが中心なので、観察会にはもってこいでした。しかもこんな場所なのに蚊は意外と少なかったのもよかったです。

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ナミガタタチゴケ(Atrichum undulatum)とジャゴケ(Conocephalun conicum)。

ジャゴケというのは、このぺたっとした緑の濃いほうのコケのこと。「ジャ」は「蛇」。ゼニゴケの仲間で爬虫類のウロコのようにみえることからこの名前があります。ある程度の湿度がないと生えないせいか、ベルギー生まれのアルノさんにとっては「生まれてはじめて見る、すばらしく美しいコケ」に映った様子。ふ〜ん、日本ではけっこう嫌われ者なんですけどねえ、と視点を新たにすることもできました。

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アルノさんともすちゃん。

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最後の観察場所、真野宮周辺では、変形菌(粘菌)を発見。

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ムラサキホコリ(Stemonitis)の仲間。変形菌の中でも大型で、最も目にする機会の多い種類です。ただし、気にしてないと見えませんけどね。


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ふたたびacci-cocciに戻り。

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今度は採集したコケを顕微鏡で観察します。

こんなものが見えています。
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ナミガタタチゴケの横しわ(ナミ、部分)。


その後、めいめいの都合にあわせて、帰る人は帰り、じっくりと調べる人は調べ夕方まで。暑い中、みなさんお疲れさまでした。わたしは大変たのしかったです。次の機会があれば、もう少し山の奥のほうへも入ってみたい。

ところで今回、参加者の中でも一二を争う熱心さで、かつ要点を押さえた完璧な標本を仕上げたのが秋山徹次さんだった、というのが個人的に大変ツボでした。聞けば、高校時代には地学部で天文にもお詳しいということ。なるほど、やはり素地がおありなのですね。びっくりしました。

そう、佐渡の星空。もうなんだか呆気にとられるような美しさでしたよ。今度は望遠鏡担いで行きたいです。できればしばらく住みたい。

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佐渡の夕焼け。


posted by 蟲文庫 at 14:01 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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