◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
mushi-bunko.com

2006年04月28日

巴里でムシブンコ

いまくらいの時季は、どういうわけか、ヨーロッパからの観光客が多いのです。蟲文庫の前の通りからは毎日のようにドイツ語やフランス語が聞こえてきます。

さすが日本の田舎を観光しようという方々ですから、日本文化に関心の高い方も多く、しょっちゅう、「ビゼン? トーゲイ?」とか言われて、思いっきり日本語で「あー、備前焼の本ですかー、いまエエのないですねー」と答えつつ、ふるふるふるふると首を横にふっています。
英語くらいはできたらなあ.....と思うのですが、必要に迫られることなど殆どないので、やはりなかなか覚えられません。

うちの近くにあるKという民宿は、旅館よりもリーズナブルで日本情緒を味わえるということからか、このような欧米の方々にも人気があるのですが、いかんせん、微妙にわかり難い場所にある上、入り口にアルファベットでの表記がないため十中八九は迷うのです。で、そのまま通り過ぎてずんずん歩いているうちに、だんだん「ア、レ?」と不安になりはじめる、ちょうどそのあたりに蟲文庫があるんですね。おかげでこれまたしょっちゅう「スミマセン(と、ここでメモを見る)、K??」と、尋ねられます。
そこは、たった200メートルくらいしか離れていないのですが、日本人に日本語で説明するにしても、やや面倒な場所。仕方がないので、やおらガタッと立ち上がり、「ほな、いっしょに行きますわ」とつぶやきながら目的地までご案内しています。

まあ、こんなことは日常茶飯事なのですが、つい最近、親しい友人が「○○ちゃんがいまパリに語学留学しているんだけど、この前あった交流会みたいなので倉敷出身だと言ったら、蟲文庫を知ってるっていうフランス人の男の人がいたらしいよ。なんかコケがどうとか言ってた」と....。

そうそう、昨年、このようにご案内した中に、かなり日本語の出来るフランス人の男性があって、翌日あらためて御礼を言いに来られたので、これはまた珍しく律義な...と内心思っていたら、なんでも小津安二郎と河瀬直美のファンだとかで、なんだかよくわからないけどちょっと納得。そしてこちらは「デロール」(パリにある標本商)に行きたいだとか、フランスのコケが見たいだとかいう話をしたことがあったのです。
まず、この方に間違いないでしょう。

パリでフランス人に「コケ」とか「ムシブンコ」とか言われてたって...。なんかうれしいようなうれしくないような。とにかく世の中は狭いのです。


『たくさんのふしぎ 好奇心の部屋 デロール』
64281.jpg
その男性はパリ郊外にお住まいということでしたが、デロールのことはご存じなく、
「帰ったら行ってみます」というようなことを言われていました。
ほんとに行ったのかな。



posted by 蟲文庫 at 14:17 | 古本屋日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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