◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2011年03月01日

もぐらで友部さん

昨夜は、岡山のライブハウスMO:GLAであった、友部正人さんのライブへ行きました。
以前、友人から「(ふだんの文章と比べると)友部さんのことを書く時だけは、なんか恥ずかしいくらいまっすぐだよねえ。面白くないし」と冗談めかして指摘されたことがあるのですが、ふん、そんなことくらい自分でよーくわかってるわよ。なんとでも言ってください。友部さんは、別格なのです。

前半は、新曲や「手袋と外国コイン」「廃品回収業者」「仲のいい二人」「いじわるそうな女の子」「ダンスホール」など昨年発売された「クレーン」の中の曲を中心に。中盤から「どうして旅に出なかったんだ」「6月の雨の夜チルチルミチルは」「はじめぼくはひとりだった」「一本道」など、おもわず「わっ」と歓声をあげそうになるあの曲この曲も。ずいぶんまえに亡くなられたという弟さんのことをうたった「弟の墓」も印象的でした。

友部さんのうたを最初に聴いたのは10代の終わり頃、知り合いからアルバム「夕日は昇る」を借りたのがきっかけで、そこから遡ったり、そしてそんな頃に偶然にもお目にかかる機会が出来たり、とすでに人生の半分を友部さんのうたを聴きながら過ごしてきました。例えばあの有名な「一本道」。もういままでに何回聴いたかわかりませんが、その都度、その曲にまつわる自分の記憶や感情が、積み重なったりすり替わったりしているのに気づくのも、ライブで聴くことの不思議だなと思います。

などと友部さんの話題になると、どうしても初期の曲が挙がりがちですが、でも最近の曲もとてもいいんです。

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友部正人「クレーン」

特に、昨年発売されたこの「クレーン」は近年の中でも一番好きなアルバム。東京ローカルホンクの演奏もすばらしくて。


そういえば、毎日新聞の夕刊で、3月一ヶ月間、本日1日(火)から、毎週火曜日に友部さんがご自身のうたについて書かれた文章が掲載されるのだそうです。毎日の夕刊…岡山では入手はなかなかハードルが高いのですが、もし購読されている方がいらっしゃいましたらぜひとも。

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今回もSちゃんが車を出してくれました。Sちゃんといえば蟲ライブでのもぎりの美女として、それとなく認識しておられる方もあるかと思います。彼女は実は札幌の出身で、10年ほど前、倉敷に移ってきて間もない頃からうちの店に来てくれるようになりました。親しくなったのは何がきっかけだったのか、もうあまり憶えていなかったのですが、こないだ、玉野の渋川海岸を歩きながら思い出話をしていたら、「北海道から越してくる前に読んでいた友部さんの『耳をすます旅人』に蟲文庫が載っていて、それで」と。ああ、そうだ、そうだった。当時彼女はまだ20代の前半で、そんな若い女の子が友部ファンというのもちょっと意外で、だから、あんまり親しくもない頃からいっしょに友部さんのライブに行ったりしていました。そうだ、友部さんつながりだったなあ、とすっかり忘れていたことを思い出しました。
Sちゃんとは、ベースとなる音楽の好みはわりと違うのですが、時々ツボが重なるところがあります。ちなみにそのツボの双璧(って変な日本語ですが)は友部さんとかえる目。
今回も、たいへんお世話になりました。どうもありがとう。

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『耳をすます旅人』友部正人(水声社)

川西町にあった、最初の店が登場するという、いまとなっては、個人的にとても貴重な記事なのです。
posted by 蟲文庫 at 18:04 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする