◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
mushi-bunko.com

2012年12月06日

青森・奥入瀬紀行(1)

温暖といわれる瀬戸内沿岸部のこのあたりの紅葉ももう終わり、冬らしくなってきました。9月の終わりに訪ねた青森は、そろそろ雪景色でしょうか。

遅ればせながらの奥入瀬(おいらせ)紀行です。

::::

このたびの青森・奥入瀬渓流行きは、当地でガイドをされている方々を対象とした「モス・プロジェクト」という学習会のためでした。全部で8回、その道の研究者から、わたしのような「やわらかい」キャラクターの者までが講師として順番に訪問し、コケをはじめとした隠花植物の生態や魅力、その観察方法などを指導、解説、紹介する、といったものです。

1212061.JPG

1212062.JPG
(写真中央下)木賊の群落が目を引きました。


奥入瀬といえば、広大なブナ林や、十和田湖へいたる美しい渓流などで有名な景勝地ですが、じつはコケも豊富です。そこで、これまでのような「ブナの林を眺めながら、おだやかな渓流沿いをやや足早に歩く」ような楽しみ方に、もうひとつ「そこに生えている小さな植物を見つけながらゆっくりと歩く」ということもプラスしたら、もっと奥入瀬の魅力が広がるのではないか、ということから企画されました。

1212066.JPG
イクビゴケ

1212067.JPG 1212068.JPG
キノコシーズンでもありました。

1212069.JPG
トリカブトの花。

12120610.JPG
サラシナショウマの花。


奥入瀬渓流沿いの遊歩道は、整備をされすぎているわけではないのに、とてもおだやかで平坦で、極端にいえばパンプスでも歩けないことはないくらいです(実際、スーツを着た上司と秘書みたいな二人連れとも行き合いました。妄想が膨らみますね。)。例えば白神山地、南なら屋久島などの場合、目的地まで行こうと思うと「登山」が必要ですが、奥入瀬については、そんな頑張りはまったく必要なく、体力に自信のない人でもたのしく歩くことができるのです。

1212063.JPG
平坦で歩きやすい道。左側が渓流です。

1212064.JPG
こんなふうに、流れのすぐそばまで近寄ることが出来る場所もあります。


今回、このモス・プロジェクトを発案し、実現へと尽力されたノース・ビレッジという会社の河井大輔さんは、日本のさまざまなブナ林を歩いてこられている方ですが「こんなにゆっくりのんびり誰でも歩ける場所は他にないですよ」と言われていました。

じつはわたしも、いざ行くことになって「トレッキングシューズいるのかな…」などと不安がっていたのですが(生まれつき体力がなく、登山する気などさらさらないため、トレッキングシューズも持っていないのです)、おそるおそる尋ねてみたら「市街地でのコケ観察の時と同じ靴で大丈夫ですよ」という返事。そして行ってみたら、ほんとにその通り。雨さえ降らなければ普段の格好で充分でした。それくらい、気軽に歩ける場所なのです。


1212065.JPG
栃の実。

今年は栃の実が豊作だそうで、歩いているそばから、流れの中に「ぼちゃん」「ぼちゃん」と落ちる音が聞こえていたのが印象的でした。頭の上に落ちてきたら、すごく痛そうです。でも栃餅は大好物なので、許せるような気もします。

(つづく)
posted by 蟲文庫 at 20:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする