以前にもちらっとお知らせをさせていただいていましたが、数年前から取り掛かっていた星についての本が、ついに今月中旬〜下旬に発売されることになりました。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく第3弾(完結編)の『星とくらす』という本です。前の2作にくらべると、エッセイの要素が強く、内容も「星は好きだけどそれほど詳しくはない」という立場で書いたものなので、雰囲気はだいぶ違うものになったと思います。「自転車での帰り道に星の観察」をしている日常の様子を中心に、流星と彗星はどう違うかなどをイラスト入りでちょこちょこと解説しています。詳しいことは、またあらためて。どうぞよろしくお願いします。
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先日、コケ観察会の講師として鳥取県の若桜(わかさ)へ行ってきました。スキーをされる方なら「氷ノ山(ひょうのせん)」という山の名前で知っておられるかもしれません。
若桜鉄道「若桜駅」
倉敷から鉄道を乗り継いで4時間ほどかかる中国山地の深いところです。若桜自体は初めてでしたが、ここから峠をひとつ越えたところ(兵庫側)に母の実家があるので、ひどく懐かしい感じもありました。
「氷ノ山 自然ふれあい館 響の森」で行われている様々な観察会の一貫で、これまであまりじっくりとコケを見たことはなかったという方の参加がほとんどでした。そんなわけで、まずはコケとコケ以外の植物とを見わけるところからはじめます。その後は、現地に生えているいくつかの特徴的なコケの種類を紹介しました。新緑のまぶしい初夏の森で、地面や岩にはいつくばっているのはもったいないような気もしないではないですが、コケのほうも凵i胞子体)が伸びている時期で「いちばんいいシーズン」ではありました。最後は屋内で顕微鏡観察を。
講師ひとりだったので、行き届かないところが多々あったと思いますが、他の動植物とはちょっと勝手が違う、コケへの近づき方を体験していただけたのではないかと思います。暑い中、ほんとうにありがとうございました。
ところでこのあたりは、倉敷天文台で数々の彗星を発見した本田實さんの生まれ故郷にも近く、天気予報を見ながら「もしかしたら…」と内心期待していた通り、夜には、思わず息をのむような、すばらしい星空を見ることもできました。
近々発売予定の『星とくらす』にも書いたのですが、星を眺めるようになった最初のきっかけは、倉敷天文台と本田實さんの存在なので、なんというのか、もう胸いっぱいでした。
星の写真は撮れなかったので、夕日の写真を。
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(おしらせ)
山尾悠子さんが、角川書店のPR誌『本の旅人』に「倉敷・蟲文庫への通い始め」というエッセイを書いてくださいました。大きめの書店では配布されていると思いますので、機会がありましたらぜひ手に取ってください。わたしはまずは神棚に。
現在蟲文庫では、山尾悠子さんのご著書も販売しております。
『角砂糖の日』山尾悠子歌集(LIBRAIRIE6)3200円+税
3月に重版されたものですが、こちらも既に在庫僅少となっています。
『夢の遠近法』山尾悠子(ちくま文庫)900円+税
『ラピスラズリ』山尾悠子(ちくま文庫)760円+税
いずれもサイン入りです。