ました。ロンドンから車で2〜3時間、ドーバー海峡のある南の端、天候
によっては海の向こうにフランスが見えるダンジェネスという町です。デ
レク・ジャーマン自身が「世界の外の世界」と呼んだように、地の果てと
いった趣の、荒涼とした石ころだらけの土地。でもそこは私の大好きな地
衣類の宝庫でもありました。
「地衣類」といわれて、ピンとくる方のほうが少ないかもしれませんが、
身近では、木の幹や石垣(墓石などにも顕著)にべたっとくっついている
黄色や灰緑色をした、「苔のような....いやでもなんかチガウ....」よう
なアレです。詳しいことは省きますが、まあともかく(苔以上に)非常に
地味な植物なのです。英語では「Lichen」といいます。
このダンジェネスというところは、この地衣類が、もうほんっとにわさわ
さと「これでもか」というくらい生えておりまして、ワタクシひとりで大
騒ぎ。しかも、最終日の僅か2〜3時間の自由時間に訪ねたロンドンの自
然史博物館のミュージアムショップ内書籍販売コーナーにはにゃんとも、
大々的に「Lichen」コーナーがあり、一般向けの写真の美しい入門書の
ようなものまでありました。日本ではまず考えられません。
もっとも、別の仕事で食いぶちを稼ぐ必要もなく研究に専念出来る方々が
確実な数いらっしゃるということでもあるのでしょうが、ともかく「すご
いーすごいー」を連発しつつ後ろ髪をひかれながら博物館をあとにしたの
でありました。
しかし「自分で地下鉄の切符も買えないのに、”Lichen”はちゃんと読める
んですねえ」と同行の方に笑われたりもいたしましたが。
写真は、石に付いた地衣類とダンジェネスの海辺の風景です。



