◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
mushi-bunko.com

2005年08月27日

海辺をゆくお猿の電車

イギリスの南端。ケント州・ハイズ 〜 ダンジェネス間には、世界最小の公
共の蒸気機関車が走っています。

わずか20キロあまりの区間を、一時間以上かけて走ります。 マラソン選手
なら伴走もできるのでは.....というくらいの、のろのろ運転。「『大脱走』
ごっこ にはもってこいだねー」という冗談も出ようというもの。

われわれ東洋人が乗ってさえ「せま〜」と思う車内は、一度乗り込むと、次
の駅に付くまでは殆ど身動きがとれません。 丁度、古めの観覧車の中のよう
な感覚です。実際、地元の大柄な男性に訊ねると、「わたしは大きいので乗れ
ない」と言われてました。まるで”お猿の電車”です。汽車だけど。

下の写真1枚目をよ〜く見ると、煙りの向こうに機関士のおじさんが見えま
すが、運転席にあぐらをかいて座り、振り返るような姿勢で後方に積まれて
いる石炭をすくってはくべていました。真っ黒のおヒゲも「家に帰って洗う
と、ほんとは真っ白なんだよ(笑)」とのこと。

路線バスなども殆どない土地なので、それなりには「利用」されているのか
もしれませんが、しかし、どちらかというと、イギリス人らしい遊び心によ
って維持運営されているようでした。流れる風景は、緋色の芥子が群生する
牧草地、そして砂浜。 まさに「世界の車窓から」ですが、しかしその向こう
には要塞の如き原子力発電所が.....。と、こちらの話しもまた追々。

写真2枚目は、終点のダンジェネス駅のホームです。ちなみに、切符も何も
なく、出発前に機関士さんが「さっきお金を払ったやつらだけが乗っている
かどうかを見て回る」方式でびっくりしました。

osaru2.jpg

osaru1.jpg


posted by 蟲文庫 at 15:46 | ダンジェネスの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする