◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2005年09月05日

苔とは書けない

コケ植物は「苔」と漢字で書いたほうが、いかにもそれらしい雰囲気で好いもので
すが、コケは正式には蘚苔類(せんたいるい)といって、おおまかには、スギゴケ
などのふかふかしたタイプの「蘚類(せんるい)」(「蘚」という文字は「こけ」
とも読みます)、ゼニゴケなどのようなぺたっとしたタイプの「苔類(たいるい)」
とに分けられるので、私のように少しでも分類に興味を持ってしまった人間は、ど
うしても「コケ」と片仮名表記をせざるを得なくなってしまいます。細かいことを
いうなら、よく”苔玉”や”苔盆栽”などに使われてるコケたちは、本当はみな
「苔」ではなくて「蘚」なのです。
まあ、そんなことなどどうでもいいと思われる方が大半だとは思いますが、しかし
ともかく分類というものは、そういうものなので、「......好きだねえ......」く
らいに思っておいて下さればありがたいと思います。「苔」と書きたいのだけど、
書けないことがよくあります。

いったい分類なんていうものの、何が楽しいのだ。ということについて説明するの
はとても難しいので、ここではよしておきますが、私がコケに対して感じる一番の
魅力は、「おうちの鉢植えから旅先まで、いつ、どこででも観察できる」というと
ころにあります。新宿駅にもうちの庭にもシベリアにも同じ種類のコケが生えてい
たりするのですから、これはものすごいことだと思います。この前、生まれて初め
て訪ねたイギリスでも、「ああ、君でしたか....」と、うちの裏山でもお馴染のコケ
に遭遇し、なにやら妙な安堵感とときめきを覚えたものです。
コケは少し意識して目を向けてみるだけで、本当にどこにでもに当たり前のように
生えていて、そしてさらに近付いてみると、ひとつひとつは、かなり違う。という
こともわかります。手のひらに収まるような小さなルーペひとつで、我が家の鉢植
えの中に、めくるめくような世界が広がるというわけです。ちなみにルーペは、
Vixenの×10のものがオススメ(下の写真参照)同じようなものは、東急○ンズな
どにも売っています。たぶん千円くらいです。

と、少しでもそんなこんなの取っかかりになればよいなあと思いつつ参加させてい
ただいたページです。
http://www.felissimo.co.jp/aie/workshop/life03_work17.html
小山千夏さんと「苔観察会」。ちなみに、昨年は「玉ねぎみそ」を作りました。
http://www.felinet.com/aie/workshop/life03_work04.html

でもやっぱり「苔」という文字はよいですね。「艸」に「台」ということは「草木
の器」と解釈できます。ロマンですよねえ。

rupe.jpg


posted by 蟲文庫 at 12:20 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする