◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2007年03月24日

コケとコケの狭間で

ここ数日、自分の書いたコケの文章ばかりを相手にしていて、少々げんなり。
顕微鏡を覗きたい、コケの名前を調べたい〜〜。けど、優先順位が「コケ原稿に取り組むように」と言っています。そうなんですよ。そのとおり。頑張ります。
コケとコケの狭間で苦しんでおります。古本屋なのに。

気分転換に、屋久島で見てきたレアなコケ写真を。

ヤマトフデゴケの「さく」(胞子体のこと。艸に朔と書きます)
真ん中あたりで、かたまってうな垂れているやつです。
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荒川上流付近。

ヤマトフデゴケそのものは、決して珍しいコケではありません(なにしろ蟲文庫の
裏山にもある)が、胞子だけでなく、葉っぱからでもガンガン繁殖できるせい(?)
なのか、この「さく」が見られることはめったにありません。
これを最初に写真におさめたのが伊沢正名さんで、まさにこの場所だったそうです。

ヤクシマミズゴケモドキ
073242.jpg
場所は内緒

ヤクシマ、とつくだけあって、いまのところ日本では屋久島からしか発見されて
いません。
こんな、木の幹に小さな群落をつくって生えるのが普通だそうですが、わたしは
どうも、もっと大きな群落を見たような気がするのです(というのに後で気づいた)
....ああ、もう一度確かめに行きたい。

ウワバミゴケ
073243.jpg
こちらも、日本では屋久島のみです。
興味がなければただのコケですが、わたしには「きゃ〜〜〜」と目がハートに
なるほどのものなのです。道端に、無造作に生えてましたが。でも場所は内緒。

posted by 蟲文庫 at 11:24 | 屋久島コケ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月19日

海もあった

苔のことばかり考えていて、すっかり忘れていましたが、屋久島は島なので、まわりは全部海なのですね。

海が青い、というだけで感激。
よどんだ緑の瀬戸内海沿岸部の人間ですから。
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安房の海岸

でも、屋久島といえばやっぱりこっち。
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白谷雲水峡付近

アニメ「もものけ姫」の舞台(モデル)にもなった一帯だそうですが、なにしろ「もののけ姫」をみていないのでよくわからん。「もーガイドしがいがないなあ... 紀元杉だってちらっと、3秒くらいみるだけだし」と笑われる。
だって、名だたる屋久杉の巨木って、あんまりコケ生えてないんですよ。

わたしの目はこれくらいのところにピントを合わせようとするので
木や花は大きすぎて見えません。
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スギバゴケ(スギゴケにあらず)に水玉。

苔をみて森をみない、というやつですね。

本日のヤクにゃん(つづきを読む)
posted by 蟲文庫 at 18:16 | 屋久島コケ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月17日

苔むした古本

屋久島の森には、苔むした古木や倒木がいたるところあります。何処でどんなコケが何に生えいるのか、例えば「スナゴケ、花崗岩(岩上)、安房林道路肩1000m付近」なんて具合にメモしていくのですが、「古木」と書くべきところをどうしても無意識に一本たして「古本」と書いてしまうのです。もう何度も何度も。習慣というのか職業病というのか...。
わたしは苔も古本も大好きですが、でも苔むした古本、なんていうのはさすがにイヤですね。

それにしても、さすが「苔の島」といわれるだけのことはありました。これまで図鑑の写真でしかみたことのなかった珍種のコケがつぎつぎと眼前にあらわれ、眩暈をおぼえるほど。というのも、今回まるまる3日間ガイドを買って出てくださった、コケに詳しいH氏(コケを案内するのがお仕事ではありません。専門は縄文杉)について歩くだけで、「これがヤクシマミズゴケモドキ」「ウワバミゴケみてみる?」「いまならツノゴケのサクがみれるはず」「こっちには、ヤクシマアミゴケ(絶滅危惧1類)」と、どんどん指さして見せてくれるのです。本土の人間にとっては、“一生に一度”クラスの激レアゴケ尽くし。まるで魔法のようでした。は〜すごかった。できるものなら一年くらいかけてゆっくり見たいです。

また是非行きます。屋久島。

コケの隙間の植物
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オオゴカヨウオウレン(大五加葉黄蓮)と
ムチゴケの仲間

コケの隙間のキノコ
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チシオダケの仲間(たぶん)と
シッポゴケの仲間(たぶん)

今日の屋久島にゃんこ
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安房の町にて

posted by 蟲文庫 at 18:14 | 屋久島コケ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月16日

屋久島からの帰還

おかげさまで、予定通り帰ってきました。

今朝の屋久島からのトッピー(という高速艇。トッピーとは、この地方の方言でトビウオのことです)が「悪天候のため、もしかしたら途中で引き返すかも」という条件付きの運行だったのですが、なんとか無事、鹿児島港までたどり着きました。
とはいえ、全体的にはお天気にも恵まれた素晴らしい屋久島遠征となりました。そんなこんなもまたあらためて。

というわけで、明日17日(土)からは通常営業いたしますので、よろしくお願いいたします。

屋久島のコケ
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安房林道脇1200m付近。
雪が舞っても不思議はないほどの冷え込みですが
花崗岩の白に緑のコケは、たいそう幻想的でした。

屋久島の猫
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島のにゃんこは全体的に小ぶりです。
posted by 蟲文庫 at 22:34 | 屋久島コケ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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