◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2014年07月21日

イケダズー

「最近大丈夫?」と最近知り合いからよく声をかけられます。そういえば、去年の夏はおそろしく体調が悪く、隙をみては横になっているような状態でした。しかしその後、原因が判明しまして、いまはすっかり元気になりました。ご心配くださった方、どうもありがとうございます。


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6月の下旬、久々に池田動物園へ行きました。元岡山藩主である池田家が経営する民間の動物園で、岡山駅からなんとか歩いて行ける距離にあります。

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本格的な暑さがやってくる前に、と思って出掛けたのでしたが、時すでに遅しでもうすっかり夏の日差し。動物たちも大半がぐったりしていましたが、コツメカワウソのチョコ丸♂とティラミス♀だけは、元気いっぱいで、その生来の落ち着きのなさを存分に発揮していました。

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まあとにかくせわしない動物です。かわいいけど。


園内をぶらぶら歩いていたところ、昨年の冬だったか、鳥取での展示で問題になったアルビノの狸が、その後ここに引き取られ飼育されているのに出会いました。ケージのそばに設置されている飼育日誌によれば、だんだんと人にも慣れて、当初のパニック状態からは脱しつつあるということでした。他の動物からも、入園者が行き交う場所からも少し離れた所で大事にされていました。
それから、写真を撮り損ねましたが、わたしが子供の頃からここにいる象のメリーちゃんも健在。今年49歳だそうです。涼しくなったらまた行きたい。


この動物園の一角には「池田動物園動物病院」があり、犬や猫はもちろん、このような地方の動物病院ではなかなか診てもらえないような、地味な動物(亀とか)や珍しい動物でも診てもらえるそうです。そんなこんなで、カピバラなどをぼけーと見ながら園の隅のほうへ歩いていると、いきなり柴犬に吠えられたりしてびっくりします。

そういえば、かつては店の裏の鶴形山にもニホンザルと鶴と狸と孔雀と水鳥が飼育されていたのですが、ある時、地元の情報誌の「岡山 vs 倉敷」特集で、池田動物園とこの鶴形山の動物コーナーが比較されていて、「そりゃなかろう……」と子供ごころに思った記憶があります。


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(おしらせ)

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現在書店に並んでいる、「BRUTUS 特別編集 合本 本屋好き。」でふたたびご紹介いただきました。2011年の「本屋好き。」特集と2013年の「古本屋好き。」特集が1冊にまとめられたムックです。店主紹介のコーナーでぼさっと突っ立っております。
posted by 蟲文庫 at 16:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月29日

夏仕度と古本

本格的な暑さになる前に、ということでしょうか、少し前から古本の買取りが続いています。おかげで帳場周辺が道なき道や行き止まりになっていることもありますが、これがなくては始まらないので、ほんとうにありがたいことです。日本文学、海外文学、自然科学、社会、思想哲学、民族(俗)、美術、音楽、映画関連は大歓迎ですが、取り扱いは古本全般ですので、それ他の分野でもお気軽にご相談ください。最近は郷土関係の本もぼちぼち入ってくるようになりました。いずれ棚ひとつぶんくらいの郷土史コーナーを作りたいのですが、まだまだ(まだまだ)。

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最近、このポスターを貼りなおしたおかげかも。


まだ店頭には出せていませんが、先日は、昭和初期頃のものと思われるマッチラベルの貼込帖が入ってきました。京都大阪あたりを中心に5冊分、1000枚前後。

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東京や山陽地方のものも少しあるのですが、その中に、「岡山 京橋食堂」のマッチラベルもありました。京橋のあたりは先の大戦で空襲に遭っているはずなので、記憶しておられる方はもうおられないかもしれませんが。



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(おしらせ)

夏休みの成羽美術館は「世界に誇る 成羽の化石」展。

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化石少年が集めたのは、太古の森のかけらたちだった。

7月19日(土)ー9月28日(日)まで。
http://bit.ly/1lQaGOS

いいなあ、行きたい。
posted by 蟲文庫 at 13:33 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

南下する「かえるライン」

全国的にみて、最も田植えが遅い地域とおもわれるこの岡山県南西部でも、いよいよ田んぼに水が入りはじめました。市街地にある店から、田園地帯の中の自宅まで自転車をこいで帰っていると、ある場所を境に、急に蛙の鳴き声がにぎやかになります。ここを「かえるライン」と呼び、田んぼとの距離やその規模、そこに暮らす蛙の種類によってさまざまに聞こえてくる鳴き声をききながら帰るのが夏場の楽しみです。
最近では、この一帯にもかなり住宅がふえ、それにつれて「かえるライン」もじわじわと南下。いまに我が家を通り越してしまうのではないかと心配していたのですが、どうやら今年から、あまり自由には宅地として売ることができなくなった(たしか「調整区域」というのだと思います)ということで、いくらかほっとしています。

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昨夜は、さっそく耳をたよりに家の近所をうろうろ。写真では暗くて何がなんだかよくわかりませんが、ついに水が張られた田んぼで、蛙のみなさんがおもいおもいに鳴いていました。

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そしてこの季節は恒例の裏庭の蔓や雑草の大掃除を。雑草といっても樹木のように大きくなるやつなので鋸がいります。さらに根気もいるのですが、こないだ映画館で「WOOD JOB!」を観たところなので、ちょっとたのしい。

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こんなふうに、あっというまに繁茂するクサギという雑草を
夏の間にあと1〜2回は刈らなくていけません。


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夏の終りには、よい香りのする可憐な花をつけ、


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秋になると美しい瑠璃色の実がなりますが、

とにかくやっかいなのです。

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(おしらせ)

3月12日からの長きにわたり開催していた『胞子文学名作選』松田水緒原画展は好評のうちに終了いたしました。ご覧いただいたみなさま、そしてお買い上げいただいたみなさま、ありがとうございました。4月の後半には、松田水緒さんご本人と『胞子文学名作選』の装丁をされたデザイナーの吉岡秀典さんも、はるばる東京からみえ、裏山でコケの胞子体や胞子を観察していただくなど、たのしい胞子活動をご一緒することができました。

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原画の一部は、現在も店内「港の人」コーナーにありますので、ご興味のおありの方はぜひご覧下さいませ。
左下にちらっと写っている実体顕微鏡でコケ観察もできます。

そしてそして、『胞子文学名作選』は、ちょうどこの会期中に増刷されました! ひきつづき、どうぞよろしくお願いいたします。
posted by 蟲文庫 at 17:48 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月03日

「Quatro Microscópios 4つの顕微鏡」展

「Quatro Microscópios 4つの顕微鏡」始まっています。
中川ユウヰチ・ミズタニカエコ・むらいゆうこ・ヨシダコウブン という錚々たる顔ぶれによるグループ展。

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日時:4月27日(日)〜5月11日(日)
場所:蟲文庫店内の東側壁面
時間:店舗営業時間内(11時頃〜19時頃)

店内東側壁面をつかった、ごくごく小規模のものですが、とてもすてきな展示になりました。
11日(日)まで開催中ですので、ご興味のおありの方、お近くまでいらした方はぜひとも。

来週には終わってしまうのがとても惜しい気持ちです。

※【Quatro Microscópios 4つの顕微鏡展】は、11日(日)をもちまして終了いたしました。連休中だったこともあり、たいへん大勢の方にご覧いただくことができました。タイトルのとおり、4つの別世界をのぞき見るような、とても素晴らしい展覧会でした。お越しくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。
posted by 蟲文庫 at 11:16 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月25日

お知らせ号(140425)

ここ数ヶ月の間の新入荷です。


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『遠い夜』工藤冬里 (詩集・CDR)(机と枕)1500円

2010年と2011年に模索舎で行われたライブの音源とテキスト(全65作品)です。



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quartet octet/Taku Sugimoto(slubmusic tengu5)1800円。

杉本拓さんの新譜です。


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井の中の蛙/古池寿浩(tenseless music)2000円。

ふいごのリーダーで、HOSEのメンバーでもあるトロンボーン奏者 古池寿浩さんの初のソロアルバム。木下和重さんのレーベルより発売。

http://tenselessmusic.com/(カーソルを合わせると、蛙がくるくる回ります)



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『ぽかん』3号(付録:「ぼくの百」秋葉直哉、付録:「のんしゃらん通信1号」)900円
ぽかん別冊『昨日の眺め』700円

こちらは昨年後半の入荷なのですが(ご紹介が遅くなってすみません)、真治彩さんの編集による『ぽかん』3号と別冊『昨日の眺め』です。近日中に『ぽかん』4号も発売予定。4号には、わたしも書かせていただきました。木山捷平へあてた手紙です。


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『うたのしくみ』細馬宏通(ぴあ)1380円+税 

かえる目でもおなじみの細馬宏通さんの新刊です。


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『谷根千ちいさなお店散歩』南陀楼綾繁(WAVE出版)1500円+税 

谷中・根津・千駄木の、名前だけを知っていた、いろんなお店の内部が覗けます。
posted by 蟲文庫 at 18:56 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

廃墟の椿とミニプリン

最近「なんだか晴れ晴れとした顔しているね」とよく言われます。
たぶん、いま締め切りのようなものがほとんどなく、棚の手入れや園芸に没頭できるからだと思います。そういえば、パサパサだった髪の毛にも勝手に艶がもどってきました。とにかく昨年は、いろいろと大変だったのです。はげるかと思いました。

先週の定休日、お天気がよかったので池田動物園にカワウソをみに行こうかと思ったのですが、時間的にやや出遅れたのでやめて、近所を散歩しました。

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廃墟があったので近づいていくと。

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足もとも頭の上も、たいそうかわいいことになっていました。


そして店に戻ると、最近よくやってくるようになった猫。

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真ん中あたりに顔があります。

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この大きさだと、まだ生後半年ほどでしょうか。
近所のお宅のプリンという猫の子供のようなので、我が家ではミニプリンとか小プリンと呼んでいます。


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(おしらせ)


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「Quatro Microscópios 4つの顕微鏡」
中川ユウヰチ・ミズタニカエコ・むらいゆうこ・ヨシダコウブン 4人展


日時:4月27日(日)〜5月11日(日)
場所:蟲文庫店内の東側壁面
時間:店舗営業時間内(11時頃〜19時頃)
※期間中無休の予定ですが、個人商店のため、やむを得ず臨時営業する場合があります。
遠方からお越しの方など、なるべく事前にお問い合わせください。

蔵書票展や蟲文庫文庫の原民喜『夏の花』三部作の挿し絵でもお馴染、久々のミズタニカエコさんによる企画展示です。「Quatro Microscópios」 とはポルトガル語で「4つの顕微鏡」という意味。この錚々たる顔ぶれです。どうぞお楽しみに。このすてきな案内状のデザインは中川ユウヰチさんですよ。

蟲催事:http://homepage3.nifty.com/mushi-b/events.html


尚、『胞子文学名作選』松田水緒原画展も、ひきつづき開催中です。5月19日(月)まで!
posted by 蟲文庫 at 13:17 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月01日

桜前線と亀前線

今年もソメイヨシノが咲き、冬眠していた亀のみなさんが目を覚ましました。

近所の小学校の桜。

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そして、我が家の亀。

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屋外水中冬眠組。全員無事に冬を越しました。
数ヶ月ぶりの外の光に、おそるおそる首を伸ばしているところ。


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こちらは、その少し前から動き始めていた、屋内越冬のつぶさん。
窓の外には近所のグレ子(猫)。


いま桜前線の北上にともなって、各地の亀たちも順々に目を覚ましていることでしょう。これからまだしばらくはぼんやりとして、5月の連休くらいからエサを食べはじめ、人間が半袖になる頃には、相当やる気に満ちあふれてきます。夏場は、目の輝きが違うのです。

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(おしらせ)

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おかげさまで、『胞子文学名作選』が増刷になりました。蟲文庫には、まだ少し在庫があるのですが、いまあちこちで品切れになっています。もうまもなく増刷分が出来上がる予定ということですので、いましばらくお待ちお願います。

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この本を何冊か積み上げると、とてもきれいで、ああなんて贅沢な、といつも思います。
ありがとうございます。


下北沢ピリカタント書店で開催中の『胞子文学名作選』松田水緒原画展は4月6日(日)まで。
最終日の6日には、「松田水緒ノンフィックションペインティング with ミステリアスビーチ」が行われますよ。
※事情により、ピリカタント書店での原画展は4月4日で終了。予定されていた6日のイベントは延期となりました。(4月4日更新)
蟲文庫では、5月19日(月)まで開催しています。

詳細:http://d.hatena.ne.jp/miasiro/20140311(港の人日記)

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松田さんが、すてきなDMをお送りくださいました。片面がキラキラしています。両面とも楽しいなんて、レコードみたいでいいですね。
posted by 蟲文庫 at 15:40 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月19日

春の胞子展

こちらでのお知らせが遅くなりましたが、先週より蟲文庫店内にて「胞子文学名作選」松田水緒原画展と第4回「コケムシテン」がはじまっています。


昨年秋に発売された『胞子文学名作選』田中美穂 編・解説(港の人)の中に棲んでいる松田水緒さんによるイラストの原画を展示しています。これまでも、学芸大のSUNNY BOY BOOKS、吉祥寺のパルコブックセンター、リブロ池袋などでも行われてきたのですが、ついに倉敷にやってきました。現在、下北沢のピリカタント書店でも同時開催されています。

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(蟲文庫20周年記念)
松田水緒「胞子文学名作選』原画展

・会期:2014年3月12日(水)〜5月19日(月)
・場所:蟲文庫店内のガラスケースとその周辺
・時間:店舗営業時間内(11時頃ー19時頃)
・毎週火曜定休
(※期間中やむなく臨時休業する場合があります。遠方からお越しの方など、お気軽にお問い合わせください。)

・作品はすべて販売いたします。
・期間中『胞子文学名作選』をお買い上げの方には、吉岡秀典さんデザインのブックカバーをお付けします。
(※数には限りがありますので、なくなり次第終了します)

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うちの店の大きさが大きさ、というか狭さが狭さなので小さな作品に限定してお送りいただきました。はじまってまだ一週間ほどなのですが、目指して来てくださる方はもちろん、昨年の鎌倉ブックフェスタでの飯沢耕太郎さんとわたしとの「胞子対談」を聞きに来てくださり、その会場で松田水緒さんのお姿もみかけた、といわれる方が偶然に、すでに3人もみえていて、さらに昨日は定休日に臨時で営業したおかげで、『胞子文学名作選』もお取り扱いいただいている、札幌の「古本とビール アダノンキ」のご店主までみえて(広島まで来られていたそう)、なんだかもう展示スペース周辺がふしぎな盛り上がりをみせているのです。
これから5月中旬までの、のんびり開催なので、お近くまで来られた方がぜひお立ち寄りください。

松田水緒さんのブログでもご紹介いただいています。
http://autoreverse71.tumblr.com/post/79649430632/20

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そして先週末からは、第4回「コケムシテン」もはじまっています。
すでに恒例となった、岡山県立大学デザイン学部の学生さんたちによる「コケ観察からうまれたデザイン」の展示です。

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第4回「コケムシテン」岡山県立大学デザイン学部有志
期間:2014年3月15日(土)〜23日(日)
場所:蟲文庫店内
時間:11時頃〜19時頃(店舗営業時間内)
毎週火曜定休(※期間中やむなく臨時休業する場合があります。遠方からお越しの方など、お気軽にお問い合わせください。)
料金:入場無料

このコケ観察が、

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こんなふうになりました。

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ふだんは平面の人ばかりだそうですが、今回はほぼ全員が立体に挑戦。コケを顕微鏡でのぞき見た世界の影響なのかもしれません。

こちらは今週の日曜(23日)までですので、ご興味のおありの方はどうぞお早めに。
posted by 蟲文庫 at 12:25 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

近所のMさん

昨年の夏の終り頃から、ひたすら切羽詰まった状態だったコケ図鑑もなんとか無事に出来上がり、深夜や明け方にがばっと起き上がって「うわ〜あれがまだ出来てない〜(書けない〜)」とか「ああ、ほんとうにあれでよかったんだろうか……」などと頭を抱えることもほぼなくなりました。おかげで最近はよく眠れます。しばらくは店の中の細々としたことに専念し、自身の疲労回復にも努めたいと思います。こんな時、帳場に座っているだけでいちおうは「仕事」になるなんて助かるなあ。あ、もちろん、日々古本の補修、値付け、棚出しには励んでおります。ここのところ、うれしい買取りも続いています。


かれこれ2週間ちかくも姿がみえず心配していた近所のMさんがやってくる。

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お腹まわりもたいへん充実しており、特に何事もなかったようでした。
よかった。

そういえば、猫で思い出しましたが、友人知人が恋人や配偶者と別れたり、結婚が決まったり、仕事が変わったりしても、知らされるのはたいてい少し後になってからなのですが、飼っている動物が死んだ時だけは一番に連絡があるのです。考えさせられます。


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清音読書会より『木山捷平資料集』の最新号をご恵贈いただきました。

木山捷平の年譜や作品はもちろん、雑誌などへ投稿された作品や研究資料、座談会や放送、音楽化された作品のリスト、文学展のポスターの写真などがたいへん丁寧にまとめられています。

木山捷平の作品に親しむ人がひとりでもふえてくれたら、という思いで編まれているこの資料集。つい最近、わたしもそんな気持ちで、あるところへ木山捷平に関する文章を書かせていただいたところです。
posted by 蟲文庫 at 19:05 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月21日

のっそりと20周年

蟲文庫はこの2月7日で20周年を迎えることができました。
これは奇跡のようなものです。でも、奇跡のおこっている最中、人はわりあいぼーっとしているものですし、20周年という奇跡は、やはり20年をかけて起こっているので、「やったー」という達成感のようなものではなく、「そうかあ、20年かあ」とふと振り返ってみて、それがいかにすごいことであるのかあらためて意識するような、そんなのっそりとした感覚です。ほんとによく続いてきたもんだ。
おかげさま、というのは、こういう時のためにある言葉だと思います。ほんとうにおかげさまでここまで続けてくることができました。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


それで、20周年記念の葉書を作りまして、いまぼちぼちと書いては投函しているところです。

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『苔とあるく』が出た時、友達がプレゼントしてくれたヨーロッパの古い石版画。
実際にはA3ノビくらいのサイズです。

苔、羊歯、海藻、といずれも胞子でふえるものたちばかりで、さらによく見ると、胞子そのものの顕微鏡スケッチまで描かれており、まるで未来(『胞子文学名作選』)を予見していたかのようなのです。
これをひとりで眺めているのはもったいないので、葉書にしました。店頭にもありますので、ご希望の方がいらっしゃいましたらお声かけください。

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ちなみに、『胞子文学名作選』の尾崎翠「第七官界彷徨」の扉は、この石版画の中の苔の部分が使われています。


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(おしらせ)

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『早稲田文学』7号

特集「<私>から別の形態へ」に「世界は胞子からはじまる」というエッセイを書かせていただきました。扉絵は『胞子文学名作選』の松田水緒さん。『早稲田文学』は今年で創刊123周年。早稲田文学といえば井伏鱒二、そして木山捷平を思い浮かべ、いまさらながら緊張で内臓が縮こまる思いです。


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『本の雑誌』3月号

『胞子文学名作選』関係者座談会が掲載されています。港の人の里舘勇治さん、編集の井上有紀さん、デザインの吉岡秀典さん、シナノ印刷営業部の渡部さんによって、この本についての裏話や苦労話などが詳細に語られています。面白いのでぜひ。

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近々蟲文庫店内のガラスケースの中とその周辺で松田水緒さんの原画展を行う予定です。どうぞお楽しみに。
posted by 蟲文庫 at 20:01 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月25日

『ときめくコケ図鑑』出来ました

取り急ぎのお知らせです。

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『ときめくコケ図鑑』田中美穂 文/伊沢正名 写真(山と渓谷社)1680円

予定通り、1月24日に発売になりました。

10日ほど前に見本が届いたのですが、伊沢さんからお電話で「すごくいい本になったね!」と言っていただいて、受話器をもったまま、思わずその場にしゃがみ込んでしまったほど、ほっとしました。ご協力いただいた皆様には心より感謝申し上げます。

詳しくは、またあらためて。

どうぞよろしくお願いいたします。
posted by 蟲文庫 at 17:39 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月04日

年明けの蟲文庫賭博

あけましておめでとうございます。
早々に、たくさんの年賀状をいただきまして、ありがとうございます。今年は間に合わなかったので、そのかわり、旧暦あたりに20周年の葉書が出せるよう、のろのろと準備をはじめたところです。

お宮の坂のところで遊んでいた猫ら。

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猫というのは、車のバンパーの匂いをかぐの好きですよね。


この年末年始は例年になく暖かいせいか、そぞろ歩きの人々も普段よりすこし多い気がします。昨日は、年に1、2度みえる蟲文庫賭博のご家族も来店。今回は「正月からやってるかどうか」の賭けだったそうです。負けたら皆におごるルールらしい。かつては「つぶれてないかどうか」の賭けだったので、うちも成長したもんだなあと思いました。年明けの運試しのネタなんて。
近県在住の方なのですが、毎回、ご家族全員必ず数冊ずつお買い上げくださり「また来るからなー、がんばれよー」と言って帰っていかれます。ありがたいことです。

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だいぶ前から店の表にポスターを貼っている、映画『楽隊のうさぎ』(中沢けい 原作/鈴木卓爾 監督)。岡山ではシネマクレールで1月11日(土)〜24日(金)まで上映が決まりました。

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初日の11日(土)11:50〜の回の上映後には鈴木卓爾監督による舞台挨拶があります。ご都合のつく方はぜひシネマクレールへご一緒に。

映画「楽隊のうさぎ」公式サイト:http://www.u-picc.com/gakutai/
岡山シネマクレール:http://www.cinemaclair.co.jp/
posted by 蟲文庫 at 12:41 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月31日

大晦日のパクチー

例年と比べると、ずいぶん暖かい大晦日です。ここ数ヶ月の間、ひたすら追い込みが続いていた仕事もようやく手を離れ、ちょっと気が抜けているところ。

今年は、本が出たり、出張が増えたりと外向きの出来事が多い1年でしたが、店のほうも、特に自然科学の方面でよい買取りに恵まれ、自分の得意分野もだんだんと充実してきました。
夏前から体調を崩したため、しばらく大変な思いをしましたが、涼しくなる頃にはなんとか回復し、『胞子文学名作選』も無事に完成。この『胞子文学名作選』は、まるで降って湧いたかのように、ある日突然いただいたお話でした。憧れの版元である「港の人」はもちろん、編集の井上有紀さん、デザイナーの吉岡秀典さん、イラストの松田水緒さんとの思いもよらない出会い(出会い方)を考えると、ああほんとに胞子や菌糸のつながりのようだなあ、その一連の流れを思い返すたびに不思議でたのしい気持ちになります。
先日お知らせした『ときめくコケ図鑑』でも、たくさんの方々のお力添えをいただきました。年が明けて、本が出来た時にあらためてご紹介したいと思っています。本当にありがとうございました。

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松田水緒さんからお贈りいただいた『胞子文学名作選』のために描かれたイラストの原画3点。右側の冬虫夏草は尾崎一雄「苔」の挿し絵ですね。
近いうちに、店内のガラスケース周辺で小さな原画展を行いたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。


この2年間ほど、ずいぶん目まぐるしい日々が続いていましたが、どうやらそろそろ一段落しそうな気配。来年は、店の棚をよく整理し、木山捷平を読み返し、樹木と鳥の名前を覚える年にしたいと思っています。あと、ちょうど20周年になるので、ひさしぶりに蟲文庫文庫か、せめて蟲通信を出したいです。

おかげさまで、またこうして1年店を続けられることができました。来たる2014年も、なにとぞよろしくお願いいたします。

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ひさしぶりにベランダに出たら、コリアンダー(パクチー)の花がまだ咲いていました。もうずいぶん前から咲いたままなので、寒さで固まっているのではないかという気もしています。



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(年始の営業について)

1月1日(水)休業
1月2日(木)〜4日(土)通常営業
1月5日(日)〜7日(火)休業
1月8日(水)〜9日(木)通常営業
1月10日(金)休業
1月11日(土)15時から営業
1月12日(日)以降通常営業

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(おしらせ)

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『'Scapes スケープス』Feb.2014 特集:アイスランド 岡山

岡山の本と本屋にまつわるページでご紹介いただきました。文章は空犬さん、写真は浅田政志さんなのです。


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『天然生活』Feb.2014 特集:発酵 猫

猫特集のページに、ミルさんの幼少期から現在までの様子を載せていただきました。古い写真にはナドさんも写っています。
posted by 蟲文庫 at 13:03 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月27日

コケ図鑑のお知らせ

ひさしぶりの更新になりますが、さっそくお知らせです。

年明け早々、山と渓谷社より『ときめくコケ図鑑』を発刊予定です。

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田中美穂 文/伊沢正名 写真
(先日届いたカバーの色校です)


あの伊沢正名さんによる瞠目するような写真とともに、蘚類71種、苔類34種、ツノゴケ類1種を、肉眼〜20倍で確認できる範囲で解説しています。

コケというのは、顕微鏡で細胞の形などを確認しないと正確な種類がわからないものが大半なので、そんなコケのことを簡単に説明するというのは、本当に難しいのですが、この本では「野外で確認できること」を念頭に、「観察会で、はじめてこのコケを見る人に向けて自分はどんな説明をするかな?」と考えながら書きました。
そのほか「コケの基本」「コケのいる場所」「(コケ観察中に)気になる生き物」「地図や地形図で探す」「学名(ラテン語)について」など、フィールドで役立ち、楽しめる、ということを中心に紹介しています。

そして何より伊沢正名さんの写真。もうほんとうにすばらしいので、眺めるだけでも楽しいと思います。伊沢さんのコケ写真集でもあります。

山と渓谷社:http://www.yamakei.co.jp/products/2812202250.html
※同シリーズの既刊には「鉱物」「きのこ」「カエル」「星空」があります。


『苔とあるく』や、藤井久子さんの『コケはともだち』(リトルモア)を読んでコケに興味を持たれた方が、さらにもう一歩コケに近づく時に役立てばと思っています。

1月24日発売予定です。よろしくお願いします。


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もう、ひと月以上もたってしまいましたが、京都・ガケ書房で行われた『胞子文学名作選』発売記念トーク「苔、羊歯、茸、黴、麹、海藻、そして古本、ついでに亀」にお越しくださったみなさま、ありがとうございました。胞子文学に興味をお持ちくださった方から亀好きの小学生の男の子、そして旧くからの友人まで、タイトルの通り、いろんな方面の方がみえていて、わたしもとても楽しかったです。

トークのほうも、聞き手をつとめてくださった山下さんのおかげで、たぶんいままでで一番(ちゃんと?)しゃべることができたと思います。まずはこの本が出来たいきさつや、収録作品、装丁について、多少の裏話もまじえてお話させていただき、つづいて苔や羊歯や黴のことなども。でも、あとで聞いたら、いちばん面白かったのは、亀の話になった時、せっかく山下さんが「亀の甲羅にコケが生えて困る」と話をふってくれたのに、わたしが「それはコケはなくて藻です」と答えたところだった、という人も多くて反省しました。


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会場には、『ときめくきのこ図鑑』の著者である、堀博美さんもみえていて、はじめてご挨拶することもできました。


そういえばこの日の昼間、夜のトークも聞きに来てくださったコケ研究界の若手ホープであるOさんが「ぜひ胞子力を高めて行ってください」と京大博物館の標本庫(あの『標本の本 京都大学総合博物館の収蔵室から』(青幻社)の!)や書庫を案内してくださったのも、たいへん貴重な体験でした。コケの世界では有名なフォーリー(コケ界の歴史上の人物です)の標本もあるのです。

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この日、前回ガケ書房で対談させていただいた、善行堂の山本善行さんは、残念ながら出張のためお留守だったのですが、「京都新聞」に連載されている「京滋文学道しるべ」に、ちょうどその日『苔とあるく』のことを書いてくださっていたのです。びっくりしました。第一報は、京都へ向かう電車の中で受け取った扉野さんからのメールだったのですが、その後も、会う人会う人に「今日の京都新聞!」と声をかけていただきました。うれしかったです。

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この切り抜きは、それからしばらくして、古本の師匠である横浜の一艸堂石田書店の石田さんの奥様(京都のご出身)から届いたものなのです。お手紙によれば「京都にいる妹が送ってくれたもの」ということでした。


夜は市原の友人宅にお世話になり、左京区を満喫して帰ってきました。
posted by 蟲文庫 at 14:48 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

東赤石山系さん

湯たんぽにストーブ。これらの出動ももう時間の問題になってきました。あっという間に寒くなりますね。

とはいえ、あの猛烈な暑さの夏が過ぎ去り、活動しやすい季節になったのは確か。最近、覗いてくれた旧くからお客さんや友人知人と「わーひさしぶりー」と言い合うことが多いです。ようやく、必要以外の外出も出来るようになってきた、といったところでしょうか。

そんなこんなで、わたしも先日久しぶりに山へ行きました。
日ごろからお世話になっているコケの先生たちの調査に同行させてもらう形で愛媛の東赤石山系へ。

【閲覧注意】後半にヒキガエルの写真があります。苦手な方はご注意ください。

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朝早めに出発し、10時くらいには現地到着。

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小さな小さなコケが相手なので、通常2時間とされる登山道をその倍以上の時間をかけて進みます。

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久しぶりに実物を目にできたコケのみなさん。

上段(蘚類):ミズゴケ属、クジャクゴケ(剳tき)、シシゴケ。
下段(苔類):ヒメジャゴケ(小判状の繁殖器付き)、ムチゴケ属、ツキヌキゴケ属(無性芽付き)

四国の山は、やっぱりいいなあ。


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ずいぶん山深い場所なのですが、かつては銅山で栄え、一万人以上が暮らしていたそうです。

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小学校や病院まであったということですが、見渡してみても、いまその面影は、こんな石組みやレンガの壁くらいにしか残っていません。ただ、登山道を歩いていてふと目に入る、こんな陶器の欠片には、その当時の名残がひどく色濃く感じられました。

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帰り道で出会ったヒキガエル。
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わーひさしぶりー、とべたべた触っていたら、すごく嫌がられました。
冬眠前の変温動物に、人間の体温はそりゃしんどかろう。失礼しました。


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(お知らせ)

この前もお知らせした、11月16日(土)京都・ガケ書房で行われる「胞子文学対談」

ガケ書房:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/
蟲日記:http://mushi-bunko-diary.seesaa.net/article/377801645.html


内容が内容なので、いったいほんとに聞きに来てくださる方があるのかしら……と大変不安です。
(こわいので、予約状況はまだ聞いてないです)
ご都合のよろしい方、ぜひともお願いします。ひらに、ひらに。

posted by 蟲文庫 at 20:58 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月17日

最近のミルさん。ついでに亀。

数日前から突然気温が下がり、しばらく忘れていた「防寒」という言葉が頭の中を埋めつくしています。暑いのも苦手ですが、寒いのも苦手。風邪をひいたりなんだりで具合の悪い人も多い様子。どうかみなさん、遠慮なく上着を着用し、夜は冬布団をかけて寝てください。昨夜はミルさんも布団にあがってきていました。

今朝の様子。

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1996年7月生まれなので、現在17歳3ヶ月。一昨年の秋、ナドさんが死んだのがちょうど17歳3ヶ月の時でした。ミルさんも最近だいぶ歩き方がよたよたしてきましたが、まだテーブルの上まではジャンプできます。もうちょっと長生きしてほしいです。


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 (お知らせ)

11月16日(土)京都・ガケ書房にて『胞子文学名作選』発刊記念イベント
【苔、羊歯、茸、黴、麹、海藻、そして古本、ついでに亀】を開催していただきます。

http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/

ガケ書房では、昨年2月『わたしの小さな古本屋』の時も発売記念として古書善行堂の山本善行さんとの対談をさせていただいたのですが、それに続いて、というありがたい催しです。今回は、店主の山下さんが聞き手をつとめてくださって、この本が出来上がった経緯、収録作品や、またやむなく収録をあきらめた作品、そしてあのすごい装丁のことなどについてもお話させていただきたいと思います。もちろん胞子のお話も。

ところでタイトルの最後の「ついでに亀」。ご存知の方もおられると思いますが、店主の山下さんはたいへんな亀好きで、ガケ書房でも4匹の亀が飼われています。『亀のひみつ』にもずいぶんご協力をいただき、発売時には、やはり同様の企画が出かかったのは出かかったのですが、ただ、「さすがに本屋で亀の話ではお客さんがおいてけぼり…」という冷静な判断により、見送り。
「でも、やっぱりあれ残念でしたね」ということで、今回ついでにちょこっと混ぜてしまうことになりました。
お近くの方、どうぞよろしくお願いいたします。

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当日は、わずか数冊ではありますが、緑の限定版の販売も行います。


その『胞子文学名作選』。おかげさまであちこちで話題にしていただいているようです。現在、オリオン書房ノルテ店、青山ブックセンター六本木店、紀伊國屋書店新宿本店、ジュンク堂仙台ロフト店などで、「胞子文学フェア」と題した、このたび収録作品をはじめとした「胞子本」を紹介するフェアが行われています。まだ、あまりきちんと把握できていないのですが、今後も同様のフェアを行ってくださる書店がいくつもあると聞いています。もしどこかで見かけたら、ぜひ立ち止まってみてください。胞子は立ち止まった時にやっと視えてくるのです。
posted by 蟲文庫 at 21:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月29日

『胞子文学名作選』について

『胞子文学名作選』がついに出来上がりました。

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『胞子文学名作選』田中美穂 編(港の人)2600円+税
ブックデザイン: 吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)

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断面。

先日ようやく蟲文庫にも入荷しました。作品ごとに紙が違うため、手触りや匂いもどんどん変化する、というとんでもないデザインの本です。家の者が、手に取るなり「物質!」と叫んでいました。

(収録作品)

永瀬清子「苔について」・・・詩

小川洋子「原稿零枚日記」・・・小説

太宰治「魚服記」・・・小説

松尾芭蕉 2句・・・俳句 

小林一茶 3句・・・俳句 

伊藤香織「苔やはらかに。」・・・小説

谷川俊太郎「交合」・・・詩

多和田葉子「胞子」・・・小説

野木桃花 1句・・・俳句 

川上弘美「アレルギー」・・・小説

尾崎一雄「苔」・・・小説

河井酔茗「海草の誇」・・・詩

栗本薫「黴」・・・小説

宮澤賢治「春 変奏曲」・・・詩

佐伯一麦「カビ」・・・小説

前川佐美雄 3首・・・短歌 

内田百閨u大手饅頭」・・・小説

井伏鱒二「幽閉」・・・小説

尾崎翠「第七官界彷徨」・・・小説

金子光晴「苔」・・・詩


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この本は、3年前に出された飯沢耕太郎さんによる『きのこ文学名作選』(港の人)の姉妹編。先日行われた「かまくらブックフェスタ」では、飯沢耕太郎さんと「きのこニョキニョキ×胞子ふわふわ 文学談義」という対談をさせていただきました。

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(※港の人の月永さんが撮られた写真を拝借しました。)
この写真ではわかりませんが、飯沢さんはきのこ柄のシャツをお召しで、わたしは胞子っぽい柄のワンピースを着ています。事前に相談したわけではないのですが、なんとなく服装がかぶっていました。

飯沢さんとの対談は実は二度目になります。最初は2010年1月、わめぞのイベント第18回往来座外市にて「粘菌生活 キノコとコケとエトセトラ」というお話をさせていただきました。ちょうど、平凡社新書の『きのこ文学大全』が出たばかりの頃で、コケなどの隠花植物にもその可能性があるかも?というようなお話もしたのです。それがついに、というか、いつの間にか、このたびの『胞子文学名作選』として実現したのです。

今回も、主に飯沢さんがまとめてくださり、わたしは飯沢さんが要所、要所でこしらえてくださる「田中がしゃべりやすい(しゃべれそうな)内容」の時になんとかしどろもどろでしゃべる、という状況でしたが、おかげさまで(ほんとうにおかげさまで)なんとか終えることができました。それにしても飯沢さんの、あの思いや考えを瞬時に的確な言葉に変換し、さらにユーモアも交えてお話できる能力というのは、いったいどういったところからやってくるのか、と遥か遠くの惑星をみやる思いでした。
飯沢さん、そして大町会館までお越しくださった大勢のみなさま、ありがとうございました。

この対談では、途中からデザイナーの吉岡秀典さんも加わってくださって、あのものすごい装幀についてのお話も伺うことができました。この席には、装画を担当してくださった松田水緒さんもみえていたのですが、松田さんの描かれる絵には『きのこ文学名作選』でひとめぼれしていたので、今回も描いていただけて、もうほんとうにうれしかったです。

この鎌倉大町会館は、よく映画などの撮影にも使われた、深谷の仲町会館を思わせる雰囲気でした。古い公民館のようなところです。

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【通信販売について】

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向かって左側の銀色が通常版、右の緑が限定300部の苔版。
(表紙の色以外は、中身も定価も同じです)

通常版については蟲文庫でも通信販売を承っております。送料実費をいただくようになりますが、
ご希望の方は、mushi-b■nifty.com(■→@)まで、メールでお問い合わせください。

限定「苔版」の通信販売の受付は終了いたしました。ありがとうございました。(10月4日更新)
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いまだから言えますが、じつは先週の「かまくらブックフェスタ」でのお披露目に間に合うかどうか、という瀬戸際のぎりぎり進行。前日まで、関係者のだれひとり実物を見ていないという状況だったのですが、無事に、とんでもなく素晴らしい本が出来上がりました。やったー。

この本が出来たいきさつや、造本については、これからちょっとずつこのページに書き足していきたいと思います。


まず、最初の作品、永瀬清子「苔について」。

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じつはここはわたしの書き文字なのです。便せんに、一行一行書きました。

自分の書く文字が好きな人というのは、あまりいないと思います。わたしもそうなのですが、デザイナーの吉岡秀典さんがいたく気に入ってくださったので、とてもうれしかったです。「ふだん使っている紙と万年筆で、コケの標本袋に書くときのようなスピードで、決して丁寧に書きすぎないように」というご指示でした。

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ちなみに、その「コケの標本袋」の文字は、表紙のデザインにも使われています。

それにしても、この手書きのページだけは、例えば印刷の直前に誤字脱字がみつかったとしても、岡山からは修正できませんから、お送りする前には、文字通り目を皿のようにして何度も何度も確認しました。

それでも、頭を抱えて転げ回るようなミスは、たいてい本が出来上がってから見つかるものなので、怖くてまだじっくりとは見られてないです。
posted by 蟲文庫 at 13:38 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月20日

胞子の栞

先日からお知らせしている『胞子文学名作選』田中美穂 編(港の人)がついに発売になります。
といっても、まだ実物を手にしていないので、この22日(土)23日(日)に開催される「かまくらブックフェスタ」から帰ってきたら、あらためてご紹介したいと思います。蟲文庫には25日くらいの入荷予定です。

ひとまず、蟲文庫特典として「胞子の栞」をつくりました。

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縦半分に切ると栞が2枚取れるように印刷しています。羊歯、苔、きのこ、麹黴、海藻。
(亀はついでに刷ったので関係ありません)
「かまくらブックフェスタ」にも持っていきます。


※『胞子文学名作選』は蟲文庫でも通信販売を受付いたしますが、メールの返信、荷造り発送作業などが大変のろいほうなので、お届けまで、すこしお時間いただくことになると思います。よろしくお願いします。
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22日(日)の『胞子文学名作選』刊行記念トークイベント「きのこニョキニョキ×胞子ふわふわ 文学談義」で飯沢耕太郎さんと対談させていただきます。まだ若干空席があるということなので、ぜひ。

http://www.minatonohito.jp/kamakurabf/#event
posted by 蟲文庫 at 16:33 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月13日

洗濯機と白いお父さん

【お詫びと訂正】

ひとつ前の日記の「かまくらブックフェスタ」のお知らせの部分で、飯沢耕太郎さんの敬称が抜けていました。
大変失礼をいたしました。

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扉や窓を開け放っていられる気候になったので、近所の猫らがぞくぞくとやってきます。入れ替わり立ち替わり、飼ってもいないのに、一日中猫がいるような状態。

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Kさん宅の白いMさんの姉か妹になるらしいトラミさん。さすが美形です。


先日、洗濯機を購入。もうかれこれ10年以上、入居時に前の人が残していった二槽式のオンボロを使い続けていたのですが、当時から脱水タイマーのネジが切れて、脱水つまみを手で持っていないと回らない状態というのが、いよいよ面倒になってきたのです。それでついに全自動、とも考えたのですが、やはりこれまでと同じような二槽式の、その中でもいちばん単純な仕組みの製品にしました。それでも、脱水時に手が放せるようになっただけでずいぶんラクです。

それにしても、最近の洗濯機は18万円とか20万円とか「いったい何をしてくれるんですか?」と聞きたくなるような高級品もあるんですね。二槽式の最高級は、脱水直前のすすぎまでを自動でやってくれるというもので6万8千円の製品でしたが、でも、そこまでしても二槽式にする事情がなんなのかを知りたいところです。
ちなみに、我が家が最も単純な二槽式を使っているのは、湿度高めのガレージのような場所に設置するため、コンピュータで動く製品はすぐに壊れそうだから、という理由によるものです。


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洗濯といえば、上の写真は、我が家でふだんから「お父さんは?」「お父さん取って」「お父さん持った?」「お父さん知らない?」などと言われている自転車の鍵。あのCMに登場する白い犬のお父さんのキーホルダーです。すっかり薄汚れて白くなくなってきましたが、でも、このお父さんの中には機械が入っていて、胴体を押すと「お前に別件などない!」「青春は待ってくれないぞー」などランダムに5種類くらいのセリフをいいます。もちろん北大路欣也の声です。洗濯できないのです。
posted by 蟲文庫 at 12:54 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月04日

昨日のオニヤンマ

例年以上の猛暑が続いていた倉敷ですが、先週ひさしぶりに雨が降ったのを境に気温が下がり、ここのところずいぶん涼しいです。夜、半袖で自転車に乗っていると寒いくらい。
そして、今年のはじめくらいからずっと携えて暮らしていたようなある仕事が一段落。ついに完全に手を離れ、こちらもほっとしたところです。


定休日の昨日は、ほぼ一日雨降りでしたが、夕方いっときやんだので散歩へ。


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ものすごく久しぶりに見たオニヤンマ(死骸)。

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飛んでいるのを見た記憶は、小学生時代にさかのぼります。


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用水路には立派なアメリカザリガニ。


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もうすぐ食べられそうな無花果の実。

家のまわりには無花果の木が多いので、歩いていると、あちこちからふわっと甘い匂いがしてきます。


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(おしらせ)

もうあと1週間くらいで次の号が出てしまいますが、現在書店に並んでいる『CASA BRUTUS』特集:北欧デザインの名作と暮らす。巻末「LIFE@PET」のコーナーで、我が家のクサガメ、サヨイチをご紹介いただきました。

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亀のサヨちゃん、なんとCASAデビュー!
たまたま遊びにきていた、ご近所猫のほそ子さんも活躍しています。

取材してくださったカメラマンの女性が、亀の飼育経験もある亀好きの方で、たいへんかわく撮ってくださいました。わー

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先日もお知らせしたとおり、9月22日、23日に「かまくらブックフェスタ 2013」が開催されます。
いろいろ盛りだくさんのお催しの中で、『胞子文学名作選』のお披露目をかねて、飯沢耕太郎さんと対談をさせていただきます。お近くの方はぜひ!

「かまくらブックフェスタ」:http://www.minatonohito.jp/kamakurabf/
『胞子文学名作選』:http://www.minatonohito.jp/products/141_01.html

posted by 蟲文庫 at 15:54 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする