◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2007年06月06日

わめぞ詣でと新宿ゴールデン街の苔

上京とは言っても、神奈川〜茨城と、ひたすら移動を続けていた先週。さすがに日に焼けました。顔がかゆいです。やはりファンデーションくらいは必要だろうか・・と思い始めるには遅すぎる35歳。ああ、かゆいかゆい。

そんなわけで、古本屋さんにも殆ど行けなかったのですが、唯一(いや、唯二)、古書現世の向井さんの案内で、雑司が谷の《旅猫雑貨店》、そして池袋の《往来座》を訪ねることができました。7月の【わめぞ「外市」】にも、ひと箱参加させていただくので、その現場を見学できたのもよかったです。
旅猫さんは、本のほかに手ぬぐいなどの和物雑貨も置いてあります。賑やかなのにスッキリした雰囲気で、これがセンスというものなのねと感じ入りました。猫本を2冊買ったらオマケをしてくれた上に、美味しいおせんべいとラスクまでいただく。ありがとうございます。
往来座へ向かう途中、猫目的で雑司が谷霊園を抜けるも、時間帯が悪かったのか、にゃんこは見当たらず。でも、谷中霊園とくらべると、ぐっと手入れが行き届いてなくて、コケのみなさんは幸せそうにしていました。
そして向井さんと金子さんの後につづいて路地を歩いているうちに、いつの間にか往来座へ到着。広い店内に、文芸書を中心とした本たちがきちんと整理され、ひしめき合っています。そして低く流れるニールヤング。憧れます。わたしもしばらく往来座でバイトしてみたい。ご店主の瀬戸さんから、さきほど乗ってきた都電荒川線をかたどったゼンマイじかけのオモチャをいただく。

その後、みなさんが高田馬場のBIGBOXの9階にて席を設けてくださる。「わめぞ」メンバー(向井さん、金子さん、瀬戸さん、立石書店の牛イチロー先生と渡辺さん、リコシェの阿部さん)のみなさまに、岡崎武志さんや未来社の天野さんもまじえての、もったいないようなひと時。岡崎さんが色紙(急遽、階下のダイソーで調達してきてくださった)に似顔絵を描いてくださり、それにひとりひとり、コケ本に対する激励などを寄せ書きしてくださる。ありがとうございます!がんばります!

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帰ってさっそく帳場に飾りました。

その後、全員でゾロゾロと近くのブックオフヘ。瀬戸さんが抱えてた『神聖喜劇』がすごくうらやましかったが、わたしはこれから移動移動の日々が待っていたので、「いや、どうせ先に見つけててもな・・」と自分を納得させ、うちではなぜかベストセラーの『ブルックリン最終出口』の最初のやつが月報付きだったので、それだけ買う。
そして2軒目。7月の「外市」よろしくお願いしますー!(あ、向井さん、今月の早稲田のメルマガも大丈夫ですよー)

ところで、わたしは表情に乏しかったり、時々ぼーっとしたりするので、ともすれば「つまらなさそう」に見えるらしいのが不安なところ。中身はしっかり愉しんでいるのですが・・。なんか猫みたいに、しっぽとか耳とかがピコピコ動いて。「楽しい楽しい」のサインを送れたらいいのになあ、とふと思うことがあります。

7月の《わめぞ「外市」》情報はこちら http://d.hatena.ne.jp/sedoro/20070530

そして翌日からはふたたび、コケを求め彷徨う日々に突入したのでありました。

「あ、ゴールデン街にもコケが・・」

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posted by 蟲文庫 at 14:18 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月29日

尾崎一雄の『苔』

屋久島の帰りみち、せっかくの機会だからと小倉で途中下車をして、駅北口すぐの「古書城田」さんを訪ねる。事前にお伝えしていたため、お店番をされてたお母さまが、「蟲文庫さんですか?」「いま市で出てるんですけど、しばらしたら戻りますので」とお茶と椅子をすすめてくださる。

スペースは蟲文庫と同じ(10坪前後)くらいかな、いいかげんな本など、ほとんど無いという羨ましい品揃え。やっていくのは大変だろうけど、でも古本屋など、どっちにしても大変なのだから、置きたい本を置きたいしな、とも思う。

わたしの大好きな尾崎一雄が何冊か並んでいる。「あ、これ持ってない」と思って、『閑な老人』を手に取ると、中に、その名も『苔』という、晩年の、随筆とも小説ともつかないような文章をみつける。しかも、ぱらぱらっと目を通してみると、〈苔のことはよく知らないけれど〉と書きながらも、〈何種類かある〉庭の苔に、じつに適切な手入れをほどこしているではないですか。さらには、〈根本まで枯れ色になった苔をより分け、丁寧引き抜いて〉いるうち、セミタケ(冬虫夏草)まで見つけてしまうのだ。さすがは『虫のいろいろ』尾崎一雄。すばらしい。
抱きしめるようにして購入(という、この表現は岡崎武志さんの真似)。苔の島がえりに、ぴったりすぎるくらいの好いお買い物ができました。

市から戻ってこられた城田さんが、よかったら、と近くにある「小文字山」を案内してくださる。京都の「大文字山」に対しての「小文字山」。季節には「小文字焼き」が行われるのだとか。
北九州市の市街地付近、苔は馴染深い種類が多く、ほっとした気分になる(屋久島の苔々には、今回、とてもたちうちできなかったもので)。

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小文字山にゃんこもいっぱい。

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こちらは、古書城田さんの店番ねこ「月夜」ちゃん。

城田さんも、たいへんな猫好き。
「早く帰って、ナドちゃんに会いたいでしょう....」としみじみ言われる。
猫好きでないと言いませんよ、こんなこと。

仙台の火星の庭さんといい、「いかに地方で生き残って行くか」という種類の話しができる、かず少ない仲間でもあります。
posted by 蟲文庫 at 15:23 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月09日

谷中にゃんぽ(つづき)

やけに急ぎ足の白黒ぶちさんがいたので後を追うと、その先には、おお、猫おばさん。
「こんなところで生きていくのは本当に大変よ〜...」と眉をハの字にしてせっせとエサを
与えます。

エサだエサエサ。
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墓地生活の猫。
でも、けっこう太くてツヤツヤしています。

猫おばさんは、普通単独行動をしますが、この方は珍しく旦那さんと思しき男性が同行され
ており「わかったわかった、うんうん食べた食べた、早く行こう」とやけに急かされていま
した。


↓谷中猫写真(つづき)はこちらから
posted by 蟲文庫 at 20:41 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

谷中にゃんぽ

(上京日記の続きです)

古本巡りの合間に、谷中、根津へ「にゃんぽ」(猫を求めて散歩すること)にも行きました。

谷中という地名は、友川かずきの本に出てくる「福島さんのお寺」(歌人の福島泰樹が住職を勤める下谷の法昌寺)を地図で探している時(地図&時刻表が大好き)に覚えました。その後、いろんな人から、あのへんはね、猫がいっぱいいるんだよと教えられ、常々訪ねてみたいと思っていたのです。

風が強く寒い日でしたので、町中ではあまり出会いませんでしたが、谷中霊園の日だまりに「はっ」としてふらふらと近付くと、いたいた、いました〜。噂どおり谷中ノラのみなさんがわんさか。

興奮気味に写真撮りまくりのわたし。デジカメのメモリーが足りなくなるなんて、デレク・ジャーマンの庭以来です。

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ひなたでぬくぬく。

↓谷中猫写真はこちらから
posted by 蟲文庫 at 16:30 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月29日

東京古本詣で(西荻界隈・五反田編)

神保町と早稲田の他には、西荻窪の音羽館と興居島屋、荻窪のささま書店を覗くことができました。

音羽館では均一の文庫から堀田善衛の『広場の孤独』と『時間』、福永武彦『愛の試み』。店内ではマルカム・ラウリー『活火山の下で』が欲しかったのですが、高くて買えませんでした。でも、他にも欲しい本がたくさんありました。
興居島屋では『思索の階段』串田孫一。入っても、しばらくお店の人が出てこないところが蟲文庫みたいです。ただこの時は、移動中の「あ〜時間ないけど、でもでも、せっかくだしぃ〜」とムリヤリ途中下車していたもので、ほとんど駆け足状態。興居島屋の "紙もの” も、ものすごく気になりました。もっとゆっくり見たかったです。

別の日に荻窪のささま書店へ。表の均一で堀田善衛『橋上幻像』、井上光晴『未青年』、津田孝『プロレタリア文学の遺産と現代』、店内では、参詣記念に尾崎一雄の『蜂と老人』『蜜蜂が降る』を買いました。かわいいネズミの袋がうれしい。すごい品ぞろえだなーと、ほーと口開けて眺める。お客さんが引きも切らずなのも頷けます。働き盛りの男子を何人も雇えるなんて、おやじさんすごいな。

ところで蟲文庫は、東京からいらした方などから「ニシオギにあるような古本屋ですね」と言われることがあります。そう言われても、その "ニシオギ" という所を知らない私はなんとも返事のしようがなかったのですが、『古本道場』の中で、角田光代さんが書かれていた西荻(の古本屋)的なるもの。「サブカルチャーの整った田舎(村)」で「流行ともさほど関係なく」そして「かつて誰かに読まれ、大切にされていた本」etc....というのには確かに思い当たるフシがあります。

倉敷は、とても小さな町ですが、柳宗悦や河井寛次郎などが起こした民芸運動には、その黎明期から縁の深い土地柄で、(で、いきなり話しが飛びますが)70年代前半からいまも健在の輸入盤屋さんなどもあり、町の規模にくらべると、「文化」的にずいぶん恵まれてきたように思います。そして、蟲文庫に並んでいる本も、その殆どが、近隣の人々が様々な事情で(時に泣く泣く)売りにこられたものです。買わせていただき、売らせていただくのだ、と思わされずにはおれない場面もしばしば。
そうそう、角田光代さんが他に挙げておられた「西荻の古本屋における共通点」

”昔のガロがある” 
”根本敬の本がある” 
”ジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』がある” 

にも、見事当てはまります。

これに関しては、もう少しじっくり考えてみると、ちょっと面白いものが出て来そうな、そうでもなさそうな、う〜ん...という微妙なところですが、とにかく、いま私は年賀状を書かねばならないので、ひとまず、倉敷はどこかしら西荻と似ている部分があるのかもしれないという事で置いておきたいと思います。
でもそういえば、今年、ある雑誌記事でお世話になった、ライターのK女史から、「蟲さんがもし東京に住むんなら、絶対に中央線ですね」と断言されました。そうなん?

そして16日朝は、五反田の南部古書会館即売会。
しっかり開場前に到着し、まずは表のものを何冊か掴む。そして9時半開場。なるほど、これはオヤジのバーゲン会場ですね。
初参戦の私も隙間を縫って(なんて、実は全然遠慮しませんが)1階(100〜300円中心)で、中西悟堂『野鳥を訪ねて』、室生犀星『蒼白き巣窟』(表紙の蜘蛛がステキ)、中谷宇吉郎『日本のこころ』、永井龍男『わが切抜帖より』『青梅雨』、谷川雁『影の越境をめぐって』、メーテルリンク『蜜蜂の生活』、山田無文『碧巌物語』、串田孫一『風の中の詩』、『新青年傑作選4』、『水木しげるお化け絵文庫1』『同2』などなど...。2階(そこそこのお値段)では、お客さんから頼まれていたものもあり、吉増剛造『わたしは燃えたつ蜃気楼』、串田孫一『博物誌』、中谷宇吉郎『春艸雑記』、丹波文雄『美しき嘘』などを買いました。送料は岡山でも一律で800円というのが嬉しかったです。発送のお世話をしてくださったお兄さんもとても親切でした。
こうして並べてみると、あれま、なんだか無難なセンに収まってしまったかしらねぇ.....な感もありますが、でもまずは「即売会初体験」ということで、よしとしたいと思います。

ただ、前日の飲み会の終りに、「明日、五反田で〜」と、手を振った岡崎さんのお姿が見えないのが、最後まで気になりましたが、後日、原稿の締め切りなどで「遅い出勤」になった由、ご自身のブログにて知りました。この度の五反田、上京前に古書会館への地図までお送りくださって「これはぜひ」とすすめて下さったのも岡崎さんなのです。本当にありがとうございました。

他には、友人知人宅付近ということで、砂川と目白のブックオフにも行きました。武田百合子『犬が星見た』、草森紳一『ナンセンスの練習』、パブロ・カザルス『喜びと悲しみ』、辺見庸『屈せざる者たち』など、105円でなかなかよいものがありました。さすが東京。

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ささま袋。ねずみがかわいい。

posted by 蟲文庫 at 12:22 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

東京古本詣で(神保町・早稲田編)

東京滞在中は、神保町、早稲田、荻窪、西荻窪と、久しぶりに古本屋のお客さん気分を満喫しました。

神保町では、ほとんど「社会見学」モードであちこち覗く。本気で見るのは均一台が中心。しかし、こんなに本が売れない時代でも町中が古本屋さんだなんて、ほんとにすごいところですね。

そういえば、初めて神保町を訪れたのは、蟲文庫を始めてずいぶんたってからのことですが、それまでは勝手に、木造平屋や木造二階建の古本屋さんが(谷中銀座みたいに)ずらずらと並んでいるのだと勝手に想像していました。都心のビル街なのを知って仰天しました。

お昼は、この日、おのぼりさんの私を案内をして下さったMSさん、Sさんと一緒に学士会館でランチをいただく。MSさんが学生時代によく利用されていた場所だそう。大学教授らしき年配の男性が、ひとりでゆったりと食事をしていたりする。建物も調度も、古く余裕のあるつくりで、会食にはもってこいの雰囲気でした。デザート付きのランチが1200円。ちょっと塩気が強い気もしましたが、美味しかったですよ。

ゆっくりしていたら、けっこうな時間になったので、ぼちぼちと早稲田に移動すべく九段下方面へ歩く。途中、この日の神保町最大の目的であった書肆アクセスさんへ。ちょうど畠中さんがいらした(お顔は存じ上げていなかったのですが、でも、きっとこの方が畠中さんだわ、と妙な確信がありました)のでご挨拶できる。初対面で緊張してしまった私は、意味もなく、前日撮った猫小屋写真などを取り出してお見せしたりする(なにやってんだよ、私)。そしてなんとそこへ偶然にも、あの南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)氏がいらっしゃって、さらにあわあわしてしまう。ああでも、このタイミングの素晴らしさには感謝せずにはおれません。蟲文庫、ありがたきしあわせ。

子供の頃から慣れ親しんだ岡山文庫(「岡山のカラーブックス」とは、海月書林さんのお言葉でしたか)がずらりと並んでいるのを見て、一瞬自分が何処にいるのかわからなくなる。なんと大変に評判がいいのだそうです。うれしいな。
「また明日、ゆっくり伺います」と、早々においとまする(も、時間配分を失敗して立ち寄れず。そうしたら、なんと飲み会の席に、私が見たいと思っていた『砂川闘争50年 それぞれの思い』(けやき出版)を持ってきて下さいました。畠中さん、ありがとうございます)。

そして早稲田へ。東西線の早稲田駅を降り、何はさておき古書現世さんを目指す(と言いつつ、途中で何軒か立ちより、ちょこちょこ買う。永島慎二のビニール袋もしっかりゲット)。そしていよいよ現世さん。おおっ、『古本道場』岡崎武志・角田光代(ポプラ社)の写真で見た通りです。奥の帳場へと直進し、ご挨拶。看板にゃんこのノラちゃんもいます。わーい。

さすがは早稲田の二代目のお店。振り返って、蟲文庫の棚の底の浅さ(へんな日本語ですが)に思い至らずにはおれませんが、でも「まだ12年のヒヨッコだも〜ん」と居直って、明日への糧といたします。
現世さんでは、『続・冬の華』中谷宇吉郎(裸本だけど100円〜♪ 検印もすてきなのよ)、『十牛図』上田閑照・柳田聖山、『神隠し』小松和彦、『明恵』奥田勲を買いました。ノラちゃんを触らせてもらって記念撮影も。ふふ。

しかし、ここでもう時間切れ。まだまだ古本屋さんがあるのですが、「また来年」と心に誓い“早稲田古本共和国”を後にする。
全体的に、文学や人文、社会が中心ということもあり、たいへん私の好みの町でありました。ほんとうにまた是非ゆっくりじっくりと思っております。

そして、MSさんSさん、寒い中、殆ど歩き通し(それも表の均一台メイン)の古本巡りにおつき合いくださり、ありがとうございました。ちょっとしたオフ会のようでもあって、うれしはずかしの蟲文庫でした。

夜は、友達のNちゃんが働くゴールデン街の奥亭というお店で、共通の友達HちゃんとYさんにあう。このお店は、工藤冬里さんなども、たまにいらっしゃるそうです。前日、友人宅でプリントアウトした猫小屋連続写真(しつこいってば)を壁に貼り付けて帰る(今朝、 "ママ" から、猫小屋写真、お客さんに大変好評との手紙が届く)。

そうそう、この “奥亭、水曜のママ” のNちゃんと、この日泊めてもらったHちゃんも(この「も」の親分は岡崎武志さんです)荻窪の「ささま」のファンだそう。

というワケで、次回は「荻窪、五反田編」です。

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永島慎二の「早稲田袋」

このお店では、折口信夫全集の端本などを買いました。

posted by 蟲文庫 at 12:17 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月22日

古本漬けの一日

「上京日記」2005年12月15日(木)
 (*13日と14日もありますが、また追い追い)

この日、古本屋には一軒も立ち寄らなかったにもかかわらず、どっぷりと古本漬けになりまし
た。

朝、池上の友人宅(ホンモンジゴケが最初に発見された池上本門寺のすぐ傍なんです〜)を出
て、一艸堂の石田さんにお会いするため、池上ー蒲田と乗り継いで、根岸線で横浜へ。石田さ
んはホームまで迎えに来て下さる。

奥様と3人で横浜散策。ほとんど田舎の姪っ子でも遊びに来たようなムードです。でも、お昼
になったばかりの中華街でさっそく酒を飲みはじめるのが、やっぱり古本屋かな。奥様曰く「
断末魔の聞こえてきそう」な古本業界の先行きなどをぽつぽつ話す。でも、10年後の自分が
どうしているかという事より、世の中がどうなっているのかという事のほうが気になります。
というと、石田さんも全く同感、と。

その後、石田さんも私もアルコールでちょっと眠くなりつつ、近代文学館と大佛記念館を見学。
全集の端本でも、外村繁や葛西善蔵はよく売れるというと、そりゃ頼もしいねと褒められる。
うれしい。

あっという間に夕方になって、また横浜駅まで送っていただく。
「来年は、もっとゆっくりいらっしゃい」と。是非そうさせていただきたいと思います。

そして夜は神保町。

にゃんとも、ワタクシめの上京に合わせて、岡崎武志さんと古書現世の向井さんが宴席を設け
てくださったのです〜〜(ああもう、もったいないもったいない....なむなむ)。し・か・も・
その御二人に加えて、書肆アクセスの畠中さん、「わたしは猫ストーカー」の浅生ハルミンさ
ん、海月書林の市川さん、という、目も眩むような、そうそうたる顔ぶれ。..わたしはわたし
は....なにか芸でも出来たらよかったんですが、あいにく歌も踊りもからきしで、もうどうして
いいのかわからず、とりあえず普通に飲んでいました。(と言いつつ、移動時間の予測ができ
ない田舎者は、5分くらい遅刻してしまいました。岡山県民にとっては、横浜も神保町も同じ
場所に思えるのです....。すみません)

2軒またぎ4時間程の宴席の中で、岡崎さんとは初期の万歩書店や巴里夫のこと、向井さんと
は同い年だという事や蟲文庫をはじめた頃のこと(岡崎さんから「....なんて無造作な....」とあ
きれられる)、ハルミンさんとはツチノコとヒバゴンのこと、市川さんとは百鬼園先生のこと
畠中さんとは岡山文庫や徳島の小西昌幸さんの「ハードスタッフ」のことをお話しをしたのを
思い出しますが、でも本当に、世にいう「いっぱいいっぱい」で、ぼーという状態だったので
うまく説明はできません。すみません。

でも、普段、まともに古本や古本屋の話しが出来るのは、先輩業者のMさんとだけということ
もあり、単純に、とても勉強になり、そして楽しかったです。岡崎さんに「東京も、たまには
いいでしょ?」と言われ、何度も激しく縦に首をふる。感謝の言葉もみつかりません。

11時頃お開きになり、方向が同じの向井さんと帰る。「(書肆アクセスの)畠中さん、今日
でも充分面白かったけど、でもほんとはもっともっと、ものすごく面白いんですよー」と力説
される。でも、向井さんの鋭いツッコミも面白かったです。

この時のことは、岡崎さんや向井さんが、ご自身のブログにも大変好意的に書いてくださっ
ています。
 okatakeの日記「12月16日
 古書現世店番日記「12月15日

そうあることが出来るよう努力していきたいと思います。

ひとつ前の日記にも書きましたが、みなさま、もの凄いご多忙の中を本当にありがとうござい
ました。正月の餅の心配も、まるっきりの冗談ではない蟲文庫ですが、ともかく引き続きがむ
ばります。

これまでも、いろんな方が言われてる言葉ですし、好きで古本屋をやっていれば、そう思わず
にはおれないような気がしますが、「毎日毎日、これだけ沢山の本に接していても、それでも
まだまだ世の中は知らない本だらけで、おおよそ完成ということはあり得ない。でもだからこ
そ古本屋という仕事はどこまでも面白い」です。

そして、やっぱりどこまで行っても、相変らず、食うや食わず自転車操業。とにかく目の前
にある、いま出来ることをコツコツとやるしかないのですが、でもその「目の前にある、いま
出来ること」がゴロゴロ転がっている古本屋という仕事は、本当に、とてもシンプルで幸せな
んだとも思います。

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岡崎武志さんの奥様(直接お目に掛かったわけではありません)か
ら、手作りの文庫本カバーをいただきました。
表がキノコ柄(ベニテングダケもありますよ)内側は葉脈柄という
すばらしい組み合わせ。ステキ。

さて最初にどの文庫本を包もうかと、未だ迷っていたりします。

posted by 蟲文庫 at 13:01 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月25日

海松・雲丹・紅藻

先日、あんまりにも暇なので、ちょっくら海まで行ってきました。
蟲文庫のある倉敷市街地から車で20〜30分で瀬戸大橋のみえる海水浴場
へ着きます。

目的はビーチコーミング。落ちてるモンを拾うのです。今日の収穫は、海松
(ミルと読みます。写真左端の緑の海藻。日本の古い色に”海松色”という
のもあります。ちなみにうちの猫、ミルさんの名前はここから)
と雲丹。でも雲丹は生きてるので、撮影後はもちろん元に戻しておきました。
右端の紅藻は只今調べ中。
一年で、最も海藻の少ないシーズンに入りつつあるので、あまりぱっとしな
い結果ではありましたが、でも帳場にべったり張り付き生活の私には好いも
のでした。

瀬戸内海は、その名の通り内海なので、あまりきれいではありませんが、そ
れでもこうして気軽に海まで行けるというのは嬉しいことです。

そして、こういう時に限って、「行ったのに閉まってた」と後で文句を言わ
れるのが暇な店の宿命。

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posted by 蟲文庫 at 17:16 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月16日

四天王寺の亀と猫

夏の18切符の季節です。この春は、マヘル(Maher Shalal Hash Baz)の
ライブへ行ったり、友人のペン画の個展を覗いたりと、なかなか有効に活用
できたのですが、この度はどうも家庭の事情などで身動きが取れず、どうや
らこのまま期間が終わってしまいそうな気配。下鴨の古本市にも行きたかっ
たのですが。

写真の整理をしていたら、春に大阪方面を訪ねた際、「カメがよーけ見たい」
という私の要求に応じて友人が案内してくれた四天王寺の亀池の写真が出て
きました。本当に、ものすごいたくさんおりました〜。4月の上旬、冬中待ち
望んでいた甲羅干しシーズンの到来に、全身から至福のオーラを放っている亀
のみなさん(写真参照)見ている私も幸せな気分になりました。
ただ、最近ニュースになることもありますが、ミドリガメ(ミシシッピー・
アカミミガメ)の繁殖力に圧されて、在来種のニホンイシガメやクサガメの数
が極端に減ってきています。この四天王寺の亀池も御他聞に洩れず、その殆ど
がミドリガメで、我らがクサガメときたら、ざっと見たところ僅か1〜2匹が
確認できたのみ。ふう....。とはいえ、ミドリガメに責任があるわけではない
ので、やはり「最後まで責任を持って飼いましょう」ということになるのです
が。

四天王寺猫もいました。

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2005年08月12日

夏が来れば思い出す

『夜の本屋』友部正人LIVE

2003年8月22日(金)のことなので、2年前の出来事ですが。

ひょんなことからお話を戴き、いちもにもなく「やりますっ」と言ったものの
果たしてちゃんとお客さんは集まるだろうか、いや、集まったら集まったで、
いったいうちに何人入れるんだ...しかもオンボロ家庭用エアコン一台...暴動
は起きないだろ うか...。まあ団扇でも配るか....と、思いっ切り見切り発車
のイベントでした。

結果、狭い店内に40人詰込んでの満員御礼。一番後ろの人でも3メートル程
度という至近距離での「友部正人 LIVE」ということで、その悪条件も、なんと
かご容赦いただけたようでした。考えてみれば、ものすごく畏れ多い出来事で
したが、イベント慣れしていない私は、ゆっくりとその感慨に浸る余裕もなく
なんだかあわあわしているうちに終わってしまったという感じです。とても大変
でしたが、でも、とても楽しかったです。

「今度は冬にやりましょう」と仰っしゃった友部さん。 暑い中、本当にありが
とうございました。でも、私は真に受けていますよ。今度は冬。 次こそちゃん
とレポートも書きたいです。

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posted by 蟲文庫 at 12:13 | 思い出し日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする