◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2010年03月04日

西村研究室の胞子

昨夜は、いつもの居酒屋で岡山コケの会のTさんと飲む。一年ほど前から、コケの会代表の西村先生に「最近、うちの研究室におもろいねーちゃん来てんだよー、コケとか海藻も好きだっちゅーてなあ」と話には聞いていて、その後ひょんなことで観察会を手伝ってもらったりして面識は出来ていたのですが、あらためて話すのはこのたびがはじめて。
Tさんは、コケの道に足を踏み入れてわずか1年足らずで、ダンゴゴケという日本新産の苔類を発見してしまったというツワモノですが、話してみると、わたし同じくコケについて専門で学んできたわけでもなく、そしてその道を極めようとしているわけでもない、ただ、気になることは解るようになりたいと思っている「モノズキ」のひとりで安心する。コケはもちろん、海藻標本の作り方について、こんなに熱く語り合える人も珍しい。「コメノリ」なんて、当たり前に口から出てくるのもうれしい。そしてお酒に強いのも。

西村先生のページから写真を拝借。

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ダンゴゴケ属(Sphaerocarpus sp.)タイ類
岡山市南区の田んぼでE.T.さんが2009年11月末に発見.
日本新産となる帰化コケ植物か?!検討中です.

「岡山理科大学のコケ研究室」http://okaridai.ous.ac.jp/garden/kokenoheya/kokenoheya.htm


Tさんは同い年の女性なので「昔、あれ流行ったよねー」みたいな話にも花を咲かせつつ、現在の岡山コケの会の“若手”である自分たちが今後どれだけ会に貢献して行けるのか、例えばいま○○さんが一手に引き受けてくださっているあの業務や、△△さんのこの業務を、先々誰が引き継いで行けるか、というような真面目な話も少々。若手といったって、もうみんな四十目前ですからね。

ともあれ、わたしたちのような素人がこうして気軽にコケのことに関わることが出来るのも、岡山コケの会のみなさん、なかでも西村先生の分けへだてなく惜しみない、「コケに興味あるヤツはなんでも来い!」という姿勢と人柄のおかげです。なのでTさんもわたしも、ダンゴゴケの発見や『苔とあるく』の出版という形で、「先生、こんなん見つけました!」「こんなん書けました!」と、その成果を見てもらう機会に恵まれたことが何よりうれしい、というところでも意見が一致しました。これからもますます精進していきたいと思います。

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その岡山コケの会の創設者、故 井木長治(張二)先生とも親しく、『苔について』というすばらしい作品も残した詩人永瀬清子の没後15年特別展です。

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【 永瀬清子展 時代をかけぬけた天女 】

  ● 2010年1月24日(日)〜4月25日(日)
  ● 開館:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
  ● 休館日:毎週月曜日(祝日は開館)・祝日の翌日
  ● 一般400円、大・高生300円、中・小生200円

 吉備路文学館 http://www.kibiji.or.jp/


永瀬清子『あけがたにくる人よ』のあとがきによれば、「苔について」という詩は、井木先生に京都の苔寺を案内されたのがきっかけで出来た作品だということ。我らが岡山コケの会とはとても縁が深いのです。『苔とあるく』にあの詩の掲載許可をいただいた時は、もう飛び上がるほどうれしかったです。ありがとうございます。
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2009年07月09日

池のまわりのスナゴケ

3年ほど前、はじめて愛媛に行った時、散歩をした池のまわりからちょこっとつまんで帰ったスナゴケ(正確にはエゾスナゴケ)。

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左…コケを蒔いたところ。
右…約3ヵ月後。すこーしだけ覗いてきています。

そうして、少しずつ少しずつ殖えてきて、

こちらは昨日の写真。
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(鉢のサイズは、凡そ21センチ×21センチ)

蒔いたのは、ほんのひとつまみ(五円玉大)のスナゴケだけだったのですが、途中からハイゴケも生えてきました。そういえば、その池のまわりにはハイゴケも生えていたので、胞子がくっついていたのでしょうね。


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真ん中あたりや石のまわりに生えているのがスナゴケ。最近は、ギンゴケや地衣類(ジョウゴゴケの仲間?)なども生えてきましたが、このあたりはうちに来てからのものかも。左上のコケはなんだろうなあ、これから調べてみます。

ちなみにその池は工藤礼子さんのお散歩コースで、それ以前から「星の形のこけがあります」と聞いていたのですが、実際に行ってみて「なるほどスナゴケかー、たしかに星の形だ」と納得したのでした。


PSFから発売になった「工藤冬里/ピアノソロ(彼は窓から帰って来る、手に職を持って)」は明日入荷します。おたのしみに。

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2007年07月06日

粘菌の生える木

(先ずはお知らせー)
明日明後日は、第3回《わめぞ外市》です。東京は池袋にある「往来座」という古書店の軒先を使っての古本市。蟲文庫も、にぎやかしとして一箱(主に蟲グッズ)参加しています。
そして8日(日)には、荻原魚雷さんと浅生ハルミンさんによるトークショーがあります。まだもう少し席が残っているようですので、お近くの方は是非。

詳しくはコチラ http://d.hatena.ne.jp/sedoro/20070706

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梅雨らしいお天気がつづいている倉敷です。
毎年、お盆の頃になると姿を見せる、我が裏庭の粘菌、ムラサキホコリカビ(詳しくは「裏庭の変形菌(粘菌)」。

今朝、なんと蟲文庫産新種を発見!!(注:あくまで、蟲文庫の敷地内においての “新種” です。決して珍しいものではありませんので、お間違いの無きよう)

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フシアミホコリ、かな。たぶん。

胞子が散ってしまうと
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このように、網状になって残るのがわかります。

すごーく小さいです。
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この中央の木の、右下のほうの茶色い塊になって生えています。
(わかるかな〜? 難しいかな、この写真では)

裏庭の少し雨のあたる場所に、長年放置しているこの枯れ木は
我が家の粘菌の産地なのです。

しかし、こんな、カビの写真だけで終わるのも何なので・・

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2007年02月19日

通勤路のコケ名所

自宅から店まで出てくる道々に、いくつかの「コケ名所」があります。

倉敷市街地の某所。
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手前の街路樹のふもとに注目。

押すな押すなの勢いのギンゴケのみなさん。
あふれんばかり、というよりは既にあふれています。
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このまわりには、同じような感じの街路樹が等間隔に何本もあるのですが
こんなにぎっしり生えているのはここだけ。よっぽどここがいいのでしょう。

倉敷は、全国的にみても雨量が少なく乾燥がちの土地柄で決してコケの生育に適しているとはいえません。それでもこうして居場所をみつけてぼちぼち生きているコケには、なにやら尊敬の念すら覚えます。

コケは、体のつくりが原始的で単純なため微妙な日光のあたり具合や風通しなどにも敏感に反応してしまうそうです。同じような場所でも生えたり生えなかったりするのはそのせいでしょうね。例えば、同じマンションでも、Aさんの住む302号室のベランダではよく育つのに、そのお隣Bさんの303号室のベランダに移すと元気がなくなってしまう。なんていうことも珍しくありません。「なんかこの前より風通しが悪いんですけど....うにゃ〜...へなへな」とかそんな感じでしょうか。

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仲良くしていただいている、小山千夏さんの本が発売になりました。

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『小山千夏のノスタルジア』小山千夏(主婦と生活社)

不思議なもの、愛らしく好ましいものを見つけるのが大得意の千夏さんの暮らし、一挙大公開。
よーくみると、わたしもちらっと写ってました。自分じゃないとわからないくらいですが。

蟲文庫にも入荷していますのでぜひ。

懐かしの「たまねぎみそ」2004年
http://www.felissimo.co.jp/aie/workshop/life03_work04.html
この頃は、まだ父が生きていて、野菜つくってたな。

posted by 蟲文庫 at 17:37 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月25日

MIKONの顕微鏡

ニコンではなく、ミコンです。本当です。タッチミスでもバッタもんでもありません。
独逸ミコンMineralienKontor社デザイン。露西亜サンクトペテルブルクLomo社(あの!)製造の実体顕微鏡。

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ほら。

「MIKONの顕微鏡」と言うのもインパクトがありますが、「Lomoの顕微鏡」と言っても、それと同じぐらいか、もしかしたらそれ以上のインパクトがありますね。
でもこれ、意外にというのもナンですが、ちゃんとした実用品なのです。約6倍〜200倍までレンズ交換なしで切り替え可能。実にクリアによく視えます。

コケを分類まできちんとしようと思うと、学校の理科の授業でもおなじみの「生物顕微鏡」(プレパラートを作って細胞観察などするやつ)と、もうひとつ「実体顕微鏡」という、いうなれば拡大鏡の親玉のような顕微鏡と2種類必要になります。
生物顕微鏡のほうは、以前の日記にも書いたように、申しぶんのない逸品を使っているのですが、いかんせん、実体顕微鏡のほうは、それと比べるとあきらかに落ちるものなので、「う、もうちょっと倍率に幅があったら...」などと、日々難儀していたのです。

そうしましたら昨年末、鉱物の研究をしておられるご近所のN氏が、「これ、すごく見やすい! 最近これの新しいの買ったから中古だけど、どう?安くしとくよ」と持ってきてくださったのです。

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いやほんと、気持ちがいいほどよく視えます。顕微鏡はやっぱりこうでなくっちゃ、というくらいです。
さらに、使用感がなんとなくLomoっぽいというか、倍率のダイヤルの動き方などがやたらオモチャっぽくて、それがまたかわいい。ミコンとニコン、片仮名で書いても棒が一本違うだけというのもまたいい。

今朝のコケ。
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ヒツジゴケ(の仲間)の新芽です。少し前まで手前にちらっと写っているような緑褐色をしていたのですが、ふと気が付くとこんなにも鮮やかな黄緑が出てきていました。
posted by 蟲文庫 at 12:07 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月23日

物干し台へようこそ

久し振りに先輩業者のMさん来店。「今年の冬は暖かいから、火の気なしでも表開けたままで行けるなよあ」と同意を求められるが、すみません、わたしはまだまだ半人前なので、最高気温が15度を下回ると寒いです。

とはいえ、先日、小雪の舞う中、庭のコケをみてみたら、もう黄緑色の新芽が出ていました。へえ、やっぱり早いなあと思ってあたりを見回すと、梅も沈丁花も蕾がついているではないですか。すごいなあ。春ですね。少しずつ日も長くなっています。

店の2階の物干しに放置している多肉植物の鉢。
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ちなみにエケベリアの仲間です。

よーくみると
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あ、そこにいる君はもしかしてヤマトフデゴケくん!

この近辺でヤマトフデゴケが生えているのは、裏の神社の境内西側の植え込み。
ということは、そこで明日のヤマトフデゴケのために蒔かれ胞子が風にのってふらふらとここまでやってきたということでしょう。すばらしい。ようこそ我が物干し台に!

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 〈お知らせ〉

2月11日(日)、12日(月)の連休は、蟲文庫も連休とさせていただきます。店をお休みいたします。


posted by 蟲文庫 at 17:57 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

こけを蒔きましょう

気が抜けて風邪をひいた人の見本みたいな状態。2〜3年ぶりの本格的な風邪です。生姜湯やトウガラシ梅茶でしのぎつつ店番だけはなんとかこなしております。ま、座ってるだけですからね。

お正月休みにそこそこ売れたので、棚が寂しくなってきたなあと思っていたら、今日は何件か買い入れがある。うれしい。これがなくっちゃ始まらないのです。さっそく値段をつけて棚にさす。

件の工藤冬里氏の陶器は、あれからファンの方の複数買い、また、観光の方の「あら?100円なの?」という衝動買いなどで、あっという間に残り20個を切りました。金つぎがしてあるような、手のかかったものも残っていますよ。おはやめに。

その陶器をつかって蒔いたコケが、早くも殖え始めました。

2006年12月10日
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2007年1月10日
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左側がほんのり緑色をしているのがご確認いただけるでしょうか。
この寒いなか、一ヶ月程度でこれだけ反応があるなんてすごいです。

蒔き方はコチラ

続き
posted by 蟲文庫 at 16:22 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月12日

冬のこけ蒔き

件の工藤冬里さんのやきものの中から、水はけのよさそうなものを数点選出し、コケを蒔きました。
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まずは、鉢底に軽石などを敷きます。

そして土をいれ、コケを蒔きます。
コケはいちど水洗いして土を落としておくと、他の雑草などが生えにくくてよいです。
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これは、この5月に松山を訪ねたおりのスナゴケ。
今回は、スナゴケ3鉢とギンゴケ2鉢。

そして薄く土をかぶせ、ジョウロで静かに水をまきます。
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スナゴケは有機質の少ない土壌を好むようなので、わたしはサボテンの土を使っています。ギンゴケはあんまりコリがないようなので、同じようにしてみます。
ちなみに庭や畑の土には雑草の種が多く含まれているので、使わないほうが無難です。

また、あとで判らなくならないように、ラベルとつけておくとよいでしょう。石などを置いて、影になる部分をつくってやると尚よし。

本来は、「最初の数ヶ月間は毎日水やりするべき」だそうですが、わたしはこのまま雨のあたる場所に放置しています。だってめんどくさいもん。
というのか、ほったらかしでも生えてくるコケは、この場所が好きなコケなのです。

その他、購入したやきものと瓢箪
posted by 蟲文庫 at 14:27 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月08日

蒔きゴケ法

冬の声をきくと、いちはやくしもやけになる、しもやけ仲間の友人と「今年はまだならないねえ、あったかいからかな」などと話していた矢先、耳と右足の小指がむずむず。今年もいよいよしもやけシーズンの到来です。酷冷期には、靴をはくのがつらくなります。

明日の《工藤冬里・工藤礼子ライブ》にむけて、東京や京都や高野山から正月休みをくりあげて聴きに来てくれる友人知人が「手伝うことがあれば」と何人も覗いてくれる。でも、昨日キャスターをつけてすんだし、わたしと待機要員(母)のふたりがいれば充分間に合います。ありがとうございます。
タイミングよく、というか、札幌のSさんから、古書ザリガニヤというお店の『ザリガニツリ』という通信のバックナンバーがまとまって届く。工藤冬里さんの連載があるのです。大工仕事などでざわざわしていた心身がすとんとおちつく。


「蒔きゴケ法」というコケのふやし方があります。簡単にいえば、コケを小さく刻んで土と混ぜて雨ざらしにしておくのです。この写真はその実験中のもの。

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10月24日に、ギンゴケとヒツジゴケとスナゴケをそれぞれ「蒔いて」みました。これは一昨日の様子です。早速、手前のギンゴケの鉢に変化がみられはじめました。このように土全体が緑色になってくるのは、コケの原糸体が繁殖してきている所為なのです。もうすこし放っておけば、全体がギンゴケに覆われるはずです。
奥が同じ時に蒔いたヒツジゴケの鉢。比べてみると、違いがわかるのではないかと思います。
posted by 蟲文庫 at 17:48 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月20日

鶴形山こけパトロール

土日と降り続いた雨もあがり、わたしの肩コリと口内炎もだいぶよくなってきたので、今朝は裏山こけパトロールに行きました。

裏山、といっても、市街地の真ん中にぽっかりと島のようにある鎮守の杜。頂上付近には神社、西の端のほうにはお寺が2つあります。

さて、我が愛しのコケのみなさんはこの秋をどうお過ごしでしょうか。

わたしのコケ人生のはじまりの岩。今日も青々と美しい。
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遠くからみると全部同じコケに覆われているようですが。

近付いてみると、実はいろいろ生えています。
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左半分がヒジキゴケ、右半分がミヤマハイゴケ
さらによーく見ると、もう3種類(計5種類)以上は生えています。


境内付近のヤマトフデゴケも健在。
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ぽつぽつとある大型のはハイゴケ。

ところでこの鶴形山。ここ数年、老朽化した箇所の修復、砂利道の舗装、樹木の伐採などが盛んにおこなわれました。でも、歩きやすくなったり、明るくなったりしたぶん、虫やコケにとっては少し住みにくい環境になってきたのは残念です。

コケを例にとれば、樹木が伐られ、よく日が射すようになったおかげで雑草が勢いを増し、これまで「うきゃきゃ」と嬉しくなるくらい素敵に群生していたコバノチョウチンゴケ(半日陰くらいが好き)が見るも無残な姿に...。とかね。そんな場所がいたるところにあります。ちょっと涙が出ます。

とはいえ、コケもしぶとくたくましい生き物なので、「まあいいけどね〜べつに」くらいで、いつか(何年後か何十年後かに何百年後か何千年後かに)また環境が整うまでぐーすか寝ているのかもしれませんけれど。

以前、知人から貸与された本に、こんなふうな一節がありました。

〈進化の主要な道筋からはずれてしまった蘚苔類(コケ)は、謙遜して、独自の新しい生活環をつくりだした〉

きゃーカッコイイ。


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 (お知らせ)

今月末、11月28日(火)〜12月1日(金)まで臨時休業いたします。


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2006年08月09日

裏庭の変形菌(粘菌)

わが裏庭に住まう粘菌。毎年このお盆前後に出現します。

今日も、「さーて、むいちゃん(イシガメ)の水替えでもするかー」と
しゃがみこんだところ、地面に錆色をしたコナコナが。
DSCN6011.jpg

おや、これはもしかして、と目線を少し上にあげますと。
DSCN6034.jpg
やはりそうでした。

お馴染のムラサキホコリ科ムラサキホコリ属(Stemonitis)の変形菌さん。
かなりポピュラーなうえ、軸から先までが1〜2cmと比較的大型なので
初心者でもみつけやすいもののひとつです。

数年前、コケ観察中に出くわしたものを採集して帰り、裏庭に蒔いてみましたら、以来毎年ひょっこり出てきます。
ただ、植物が花を咲かせる時のような、わかりやすい「前触れ」がなく、しかも、肉眼でそれとわかるような状態になってから、この写真のようになるまでに、ほんの1〜2日程度なので、気をつけていないと見逃してしまいます。

蟲文庫の裏庭の変形菌スポット。
DSCN6018.jpg
水槽の左側、なんだかよくわからない木の棒の下のほう。


ちなみにわたしのパソコンは、「きん」と入力して変換すると、単語登録もしていないのに、最初にちゃんと「菌」が出てきます。さすがですね。

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2006年06月17日

ギンゴケの胞子体

今日のコケ写真
66171.jpg
自宅の庭のギンゴケ。「さく」と猫の毛付き。

ギンゴケは渋谷にも岡山にも富士山にも南極にも普通に生えてるという(ある意味普通ではない)凄いヤツですが、この「さく」付きはけっこう珍しい。

そういえば、写真家の伊沢正名さんが、“銀座のギンゴケ” を含む、コケマップ・東京都心部版 を作りたいとおおせでしたが、その後どうなったのでしょう。奥多摩版は出来つつあるかも。


3年ぶりくらいに通信を作っています。といっても、催しの案内やおすすめ本に早稲田のメルマガの既刊分を載せただけの一枚もの。こちらをご覧下さっている方にとってはなんら目新しいものではありません。主にインターネットをご利用でない方へということで。でも、そのうちこの裏面を目録にしたものを発行したいとは思っています。
相変わらず文字を打ってプリントしたものを切り貼り切り貼り、題字は手書で仕上げはコンビニコピーだ。

しかしそんな話の後に恐縮ですが、実をいうとわたしのPCは、なぜかPowerBookG4(ちょっと前のクラシック環境対応のやつ)。導入当初、某クリエイター氏からは、「ナニ蟲文庫の分際でPowerBookなんか使こてんのよー 型落ちのiBookで充分すぎるんじゃ、あほー」などと罵られた(?)ものです。ええ、お気持ちは痛いほどわかるのですけれど、でもなー、わたしあの白いン嫌いなんですよ。毎日使うものが気に入らないなんていやだわ。それに車みたいに維持費もかからんしな。

とはいえ、最近ではこの蟲サイトの運営をはじめ、あれこれ活用はできています。写真も尋常じゃなく多いからなー(でも、その内7割は猫写真で、さらにその中の8割はナドミル...いや、でも、そのおかげで、『早稲田古本屋日録』の表紙を飾ることができたのですからっ!)。そんなわけで、その本体をなるべく長生きさせるためにも、そろそろ写真用に外付けHDDを検討中。
iPodで代用できるってほんとですか?(もちろん持ってない)。

posted by 蟲文庫 at 13:27 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

その後の「苔袋」

昨年末、東京は中野のタコシェさんから突然お声をかけていただき、風呂敷包み(中は手製の菓子)を背負って上京していった「苔袋」たち。詳しくはコチラ
ずいぶん心配したものですが、その後、地味には売れているようでして、この度3回目の追加注文をいただきました。タコシェさんを知る東京の友人からは、「ひとつでも売れたらいいほうなんじゃない?」とヒドイことを言われていたのですが、おかげさまで現在20袋は売れている様子。あの強烈なイロイロが溢れんばかりに並んでいるタコシェさんを思えば、これは大健闘といえるでしょう。わいわい。

乾燥標本向きの良質なハイゴケが手に入ったところ。週明けには納品できそうです。

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2006年03月07日

苔の花

「苔の花」は夏の季語。コケ植物は花を咲かせはしませんが、これからの季節に伸びてくる
「さく」と呼ばれる胞子体を「花」に見立てているのでしょうね。

『苔咲いて雨ふる山井澄みにけり』飯田 蛇笏 という有名な句もあります。

こんなの。
6307sk1.jpg
「さく」という字は、「艸冠」に「朔」と書きます。

今日、倉敷は雨上がりのよいお天気なので、コケの緑がひときわ綺麗です。コケ観察のたのし
みな季節がやってきました。

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 《お知らせ その1》

『早稲田古本屋日録』向井透史 著(右文書院)の増刷が決まりました!わ〜い。蟲文庫でも
大変好評で残りあと僅かです。来週末には再入荷の予定。おもしろいんですよ、おすすめ。


 《お知らせ その2》

4月上旬、当店内にて『 OraNoaライブ』『あがた森魚ライブ』を行う予定です。
詳しくはコチラ→「蟲文庫春の催し
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2005年11月03日

『苔袋』東京へ行く

数日前のこと、ぼんやりと(って、私はいつでもぼんやりしておりますが)全く面識は
ないというのに“何点かの自主製作物の数少ない取扱店”同士ということから、勝手に
シンパシーを感じている、東京は中野にある「タコシェ」のことを考えていたら、そこ
へ突然、当のタコシェさんから電話が掛かってきました。もちろん初対面(いや、電話
ですが..)です。びっくりしました。
この度ご一緒することになった『豆本展』のことかしらんと思って話しはじめると、実
はそうではなくて、なんと蟲土産の中の『苔袋』をタコシェに並べられないかという、
ありがたい打診だったのです。わーい。

倉敷の鎮守の杜のふもとで生まれ育った田舎者の『苔袋』が、はたして東京なんぞでち
ゃんとやって行けるんだろうかと不安ではありますが、ともかく決ったからには頑張っ
てもらうしかないので、只今納品にむけて鋭意制作中です。今月末までにはタコシェの
店頭(....いや、しっぽのほうかもしれんが)に並ぶ予定。東京及びその近郊のみなさま
どうかよろしくお願いいたします。都会の人波に疲れてしゃがみ込んでいたら、そっと
手を差しのべて、とりあえず見える所らへんまで引っぱり上げてやってください。

ところで現在、千倉海猫堂で行われている『豆本展』のDMはこちら。
http://www.geocities.jp/takahashibiwa/uminekodouDM2005-11.html
参加される、たかはしびわさんのページからリンクさせていただきました。

蟲文庫での展示は1月です。




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2005年10月20日

苔パトロール

昨日は、久しぶりに店を休んで、春、秋恒例の「苔パトロール」に行ってきました。
お気に入りのフィールドに異状はないかと見て回るのですが、今回は、珍種の羊歯
コケの宝庫、Y○峡。かつて、ヒバゴンならぬY○ゴンの噂も流れたほど、うっそ
うとした原生林の残る素晴らしい場所です。幸いにも特に目立った変化はなく、い
い具合に放置された状態が保たれていました。しかしこんな所に来ると、「あ、○
○コケ、あ、キノコだ、あー変形菌(粘菌)、あ、座頭虫も久しぶり、おおっと、
ニョロさんだ〜......と、その前に足元に気を付けなくては」などと情報過多でアッ
プアップしてしまいますが、ともかく大変満喫いたしました。海か山か(犬か猫か
漉し餡か粒餡か)と問われたら、断然後者です。

その後、同行者のひとりの提案で、某所にて初心者向けの洞窟探検もしました。初
心者向けといっても、ちゃんとヘッドライト(その人は、いつも持ち歩いているら
しい)を装着しての本格的なやつです。本当の真っ暗闇は始めてのことだったので
軽い恐怖感、緊張感とともにかなり楽しめました。ついつい頭の中を、嘉門達夫の
♪ゆけーゆけー川口浩♪が流れたりします。でも、こういうのは基本的に男の子の
世界ですね。

yaman.jpg

senosan.jpg
こんなところです。
暑くなく寒くなく蚊もいない、まさに絶好のパトロール日和。

miztamakoke.jpg
コケに水玉。

doukutu2.jpg
あてずっぽうにフラッシュをたいて撮った写真。
感想:「こんなところを歩いていたのか...」



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2005年10月06日

コケのお部屋

トップページのお品書きにある「蟲眼鏡」 の一部が出来ました。
まずは「コケのお部屋」です。コケ植物についての基礎知識と観察方法など
についてのご紹介。左下の「コケ植物について」というところから入り、後
は”標本箱”の上にある >12345 という数字の順にご覧下さいませ。
今後、変形菌、地衣類、海藻と作って行く予定です。

それから、主にWindowsをお使いの方からご指摘を戴いていた「カーソル
を持っていっても指マークにならない」という問題について、ひとまずの
対策を講じましたので、ご確認いただけたらと思います。
posted by 蟲文庫 at 13:25 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月05日

苔とは書けない

コケ植物は「苔」と漢字で書いたほうが、いかにもそれらしい雰囲気で好いもので
すが、コケは正式には蘚苔類(せんたいるい)といって、おおまかには、スギゴケ
などのふかふかしたタイプの「蘚類(せんるい)」(「蘚」という文字は「こけ」
とも読みます)、ゼニゴケなどのようなぺたっとしたタイプの「苔類(たいるい)」
とに分けられるので、私のように少しでも分類に興味を持ってしまった人間は、ど
うしても「コケ」と片仮名表記をせざるを得なくなってしまいます。細かいことを
いうなら、よく”苔玉”や”苔盆栽”などに使われてるコケたちは、本当はみな
「苔」ではなくて「蘚」なのです。
まあ、そんなことなどどうでもいいと思われる方が大半だとは思いますが、しかし
ともかく分類というものは、そういうものなので、「......好きだねえ......」く
らいに思っておいて下さればありがたいと思います。「苔」と書きたいのだけど、
書けないことがよくあります。

いったい分類なんていうものの、何が楽しいのだ。ということについて説明するの
はとても難しいので、ここではよしておきますが、私がコケに対して感じる一番の
魅力は、「おうちの鉢植えから旅先まで、いつ、どこででも観察できる」というと
ころにあります。新宿駅にもうちの庭にもシベリアにも同じ種類のコケが生えてい
たりするのですから、これはものすごいことだと思います。この前、生まれて初め
て訪ねたイギリスでも、「ああ、君でしたか....」と、うちの裏山でもお馴染のコケ
に遭遇し、なにやら妙な安堵感とときめきを覚えたものです。
コケは少し意識して目を向けてみるだけで、本当にどこにでもに当たり前のように
生えていて、そしてさらに近付いてみると、ひとつひとつは、かなり違う。という
こともわかります。手のひらに収まるような小さなルーペひとつで、我が家の鉢植
えの中に、めくるめくような世界が広がるというわけです。ちなみにルーペは、
Vixenの×10のものがオススメ(下の写真参照)同じようなものは、東急○ンズな
どにも売っています。たぶん千円くらいです。

と、少しでもそんなこんなの取っかかりになればよいなあと思いつつ参加させてい
ただいたページです。
http://www.felissimo.co.jp/aie/workshop/life03_work17.html
小山千夏さんと「苔観察会」。ちなみに、昨年は「玉ねぎみそ」を作りました。
http://www.felinet.com/aie/workshop/life03_work04.html

でもやっぱり「苔」という文字はよいですね。「艸」に「台」ということは「草木
の器」と解釈できます。ロマンですよねえ。

rupe.jpg


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2005年08月15日

去年の変形菌

昨年の今ごろ、裏庭でカメの水槽をお掃除中、変形菌発見。
もうすっかり結実して、胞子を撒き散らし段階に突入してました。
その前のアメーバ状態を見逃してしまったのは残念。

変形菌は、粘菌ともいいますが、10数年前、南方熊楠がらみで
一躍有名になりました。一生の間に、動物的な時期と植物的な時
期とがある、とても不思議なイキモノです。
高校の生物部の顧問の先生が、この道のオーソリティだったため
私もけっこう長いお付き合いです。学校嫌いで、小中高の記憶な
ど殆どない私ですが、高校生の頃、日曜ともなれば変形菌を探し
て野山を這いずりまわっていたことだけは、いまも愉しく思い出
されます。

これはStemonitis(ムラサキホコリ)の仲間かな。
その前の年に県北の羅生門周辺で採集したものの胞子を試しに蒔
いてみたのですが、それが上手く動いてくれたようでした。

henkeikin.jpg
posted by 蟲文庫 at 11:00 | コケ+変形菌便り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする