◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2017年08月27日

夕焼けと夕方猫

日が暮れるのがずいぶん早くなりました。
19時に店を閉めると、たいてい郵便局の夜間窓口に急ぎの郵便物を出しに行ったり、近くのコンビニに公共料金などの支払いに行ったりします。日の長いうちは、その行き帰りに夕焼けを眺めたり、夕涼みの猫たちを写真に撮ったりするのが楽しみなのですが、そろそろ難しくなってきました。

こないだまでの夕焼けと夕方猫たち。

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そしてこれからの季節、楽しみになるのは星空。

初夏に出した『星とくらす』は秋からはじまる本なので、内心ずっとそわそわしていたのですが、だいぶそれらしい季節が近づいてきてほっとしています。ひきつづきよろしくおねがいします。


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(おしらせ)

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『POPEYE』9月号 特集「君の街から、本屋が消えたら大変だ!」の中でご紹介いただきました。倉敷も本屋が激減してしまった町なので「まあとにかく、本屋が一軒でも多いといいよね(古本屋だけど)」と思いながらやっています。見かけたらぜひ手に取ってみてください。
posted by 蟲文庫 at 12:16 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月20日

夏休みの店番

今年のお盆休みの期間中も大勢の方にお越しいただきました。ありがとうございました。しばらく顔を合わせていなかった友人知人も覗いてくれて、たのしい数日間でした。

こないだも、ひさしぶりに訪ねてくださったある方から「相変わらず、よくじっとしてられるわねー」と感心されましたが、だからこそ、こうして訪ねてきてもらえるんですけどね、と相変わらずそう思うのでした。


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最近よく、うちの物干し台で涼んでいるご近所さん。
posted by 蟲文庫 at 18:14 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

友部さんの月と星

先日、近くまで来られていた友部正人さんとユミさんご夫妻がお立寄りくださいました。ここ数年、家の都合で店内でのライブはもちろん、近隣であったライブを観に行くことすら出来ていなかったというのに、まさか自分の店で店番をしていてお会いできるなんて。ほんとうにありがたく、うれしく「なんて幸せ者なんだ、わたし」と思いました。

お話しによれば、数日前に鎌倉のmolnというお店であった「貸切り図書館」というライブのイベントで、わたしの『星とくらす』の紹介とともに、月や星にまつわる歌を何曲か歌われたのだそうです。例えば、♪月はあんなに、明るいのに♪という歌詞の出てくる「夜よ明けるな」とか。

鎌倉 moln「貸切り図書館 49冊目」
http://cloud-moln.petit.cc/banana/2706126

他に、月だと「はじめぼくはひとりだった」「一本道」「あいてるドアから失礼しますよ」「びっこのポーの最後」「ルナダンス」「密漁の夜」「38万キロ」「ジョージア・ジョージア・オン・マイ・マインド」「イタリアの月」「空から神話の降る夜は」「夜明けからいちばん遠い2月」「月の船」などがありますね。友部さんとユミさんは「月はいろいろあるけど、星が思ったよりなかったね」と仰っていました。そういえばそうかも。星ですぐに思いつくのは「君はこんな言い方嫌かもしれないけど」の♪ちっぽけな夜空が いっぱいの星で見送ってくるよ♪とか「地球のいちばんはげた場所」の♪ぼくらは古新聞を指揮棒にして 冬の星座に歌わせた♪かな。あと「海が降る」には天の川が出てきますね。「遠来」の♪ぼくらのいる星をながめている♪とか「愛について」の♪星のように遠い場所から♪はどうでしょう。ちょっと違うかな。
ああ、できるものなら聴きに行きたかったです。


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はじめてお会いした時にいただいたサイン。
1993年12月23日といえば、蟲文庫オープンのひと月ほど前です。
当時のわたくし、21歳。

探してみたら、その時のライブのポスターが出てきました。
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シルクスクリーンによるプリントの布製。

あ、いまこうして書いていて、「月でもうひとつ思い出した!」と思ったら「君が欲しい」の♪心やさしい月の輪熊が♪で、これは月ではなくてクマでした。


ライブの時にお会いするのとは違って、近況や共通の知人のことなど、いろんなことをゆっくりとお話し出来て、たいへんうれしかったのですが、でもまた蟲文庫でもライブが出来たらいいなあということも、つくづくと思いました。そういえば、おふたりとは、15年ほど前の真夏の蟲文庫での“酸欠”「友部正人朗読会+ライブ」の話にもなりまして、笑いながら「あれ、ほんと大変だったよね」なんて。

しばらく休んでいた蟲文庫でのライブは、3月のかえる目が5〜6年ぶり、そして近くのライブハウスに観に行くことすら、先日の知久寿焼さんのソロが数年ぶり、といった状況なのですが、どちらもこれからだんだんに復帰できたらと思っています。またよろしくお願いします。


お土産にいただいた、私家版の詩画集

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友部正人と広田稔による詩画集
『色鉛筆のどんでん返し』
『風のあしあと』

posted by 蟲文庫 at 16:55 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月03日

お盆のおしらせ

暑くなりました。関東方面のニュースを聞くと、天候が不安定で気温も低めのようですが、こちら岡山は安定の猛暑。表へ出ると身の危険を感じるほどの日差しです。最近、締切までにあまり間がない原稿の依頼が続いたな、と思っていたら、そうでした、お盆進行というやつですね。観光地ということもあり「連休こそ仕事」なので、つい忘れがちです。

昨年は都合により休業しましたが、今年は例年通り「お盆休み」の期間中は休まず営業の予定です。ただ、その前に6日(日)〜10日(木)まで休業いたします。詳細についてはブログトップの「おしらせ」ページをご覧ください。先日、ある方から「休業日のおしらせがわかりにくい」というご指摘をいただき、さっそくカレンダー式にしてみました。


お盆っぽい写真を一枚。

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家のまわりにわずかに残る蓮根畑
今年もきれいに咲いていました。
posted by 蟲文庫 at 00:00 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月21日

『星とくらす』できました


先日もお知らせさせていただいた、『星とくらす』が出来上がりました。そろそろ店頭に並びはじめていると思います。蟲文庫にはすでにあります。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく三部作の完結編。


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『星とくらす』田中美穂 著 木下綾乃 絵(WAVE出版)1600円+税

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帯を外したところ。

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カバー裏は南天の天の川。

装丁は、今回も松田行正さんのマツダオフィスです。


「苔」「亀」は、基本的に「そのことに詳しい人」の立場で書いていますが、今回はまったく違って、かなり素人の目線のもの。内容も、「自転車での帰り道に星空を眺めている日常についてのエッセイ」が中心で、どことなく『わたしの小さな古本屋』に近い部分もあるかと思います。「天文の基本について」ではなく、そこへいたるもう一、二歩手前あたりの、星に親しむきっかけやとっかかりになれば楽しいなと思って書きました。かえる目の「天文台もなかのうた」についての文章もありますよ。

3年ほど前にこの本を書きはじめた頃から、母が「天文はぜんぜん興味がない…(私には難しいかも)」と暗い顔をしていたのですが、先月、試しに4校くらいのゲラを見せてみたら、「わ、これなら読めそう!おもしろそう」と目が輝いたので心底ほっとしました。これは内容もだとは思いますが(思いたいですが)、木下綾乃さんによるイラストのおかげも大きいと思っています。案内役のヤマネコくん、とてもかわいいのです。

ところで、この本は「秋のころ」のオリオンの話しからはじまっています。季節外れもいいところですが、秋の終わりから見えはじめるオリオンは、日頃から星に親しんでいる人にとっても、それほどでもない人にとっても、印象深く、頭の中でイメージしやすいのではないかと思ったからです。とはいえ、季節に関係のない話題も多いですし、たったいまが初夏なだけで、季節はどんどんと移り変わるので、目次などで気になったところから読んでいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

星空をはじめとした写真や、専門的な内容の確認については、多くの方ににご協力をいただきました。
『苔とあるく』からちょうど10年。「おわりに」にも似たようなことを書いたのですが、同じ編集者と10年かけて、このような3冊の本を作ることができたのは、とてつもなく幸せで、ほとんど奇跡のようなものだと思います。これまで、さまざまな形でお力添えくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。
無事出来て、よかったなー。


「この本が、ふだんより少しだけ目線を上げ、星々に近づくきっかけとなりますように。」


posted by 蟲文庫 at 20:09 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

氷ノ山の星空と星の本

2ヶ月ほども更新できずにいるうちに、もう6月です。

以前にもちらっとお知らせをさせていただいていましたが、数年前から取り掛かっていた星についての本が、ついに今月中旬〜下旬に発売されることになりました。
『苔とあるく』『亀のひみつ』につづく第3弾(完結編)の『星とくらす』という本です。前の2作にくらべると、エッセイの要素が強く、内容も「星は好きだけどそれほど詳しくはない」という立場で書いたものなので、雰囲気はだいぶ違うものになったと思います。「自転車での帰り道に星の観察」をしている日常の様子を中心に、流星と彗星はどう違うかなどをイラスト入りでちょこちょこと解説しています。詳しいことは、またあらためて。どうぞよろしくお願いします。

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先日、コケ観察会の講師として鳥取県の若桜(わかさ)へ行ってきました。スキーをされる方なら「氷ノ山(ひょうのせん)」という山の名前で知っておられるかもしれません。

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若桜鉄道「若桜駅」


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倉敷から鉄道を乗り継いで4時間ほどかかる中国山地の深いところです。若桜自体は初めてでしたが、ここから峠をひとつ越えたところ(兵庫側)に母の実家があるので、ひどく懐かしい感じもありました。

「氷ノ山 自然ふれあい館 響の森」で行われている様々な観察会の一貫で、これまであまりじっくりとコケを見たことはなかったという方の参加がほとんどでした。そんなわけで、まずはコケとコケ以外の植物とを見わけるところからはじめます。その後は、現地に生えているいくつかの特徴的なコケの種類を紹介しました。新緑のまぶしい初夏の森で、地面や岩にはいつくばっているのはもったいないような気もしないではないですが、コケのほうも凵i胞子体)が伸びている時期で「いちばんいいシーズン」ではありました。最後は屋内で顕微鏡観察を。
講師ひとりだったので、行き届かないところが多々あったと思いますが、他の動植物とはちょっと勝手が違う、コケへの近づき方を体験していただけたのではないかと思います。暑い中、ほんとうにありがとうございました。

ところでこのあたりは、倉敷天文台で数々の彗星を発見した本田實さんの生まれ故郷にも近く、天気予報を見ながら「もしかしたら…」と内心期待していた通り、夜には、思わず息をのむような、すばらしい星空を見ることもできました。
近々発売予定の『星とくらす』にも書いたのですが、星を眺めるようになった最初のきっかけは、倉敷天文台と本田實さんの存在なので、なんというのか、もう胸いっぱいでした。


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星の写真は撮れなかったので、夕日の写真を。


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(おしらせ)

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山尾悠子さんが、角川書店のPR誌『本の旅人』に「倉敷・蟲文庫への通い始め」というエッセイを書いてくださいました。大きめの書店では配布されていると思いますので、機会がありましたらぜひ手に取ってください。わたしはまずは神棚に。


現在蟲文庫では、山尾悠子さんのご著書も販売しております。

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『角砂糖の日』山尾悠子歌集(LIBRAIRIE6)3200円+税 
3月に重版されたものですが、こちらも既に在庫僅少となっています。

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『夢の遠近法』山尾悠子(ちくま文庫)900円+税
『ラピスラズリ』山尾悠子(ちくま文庫)760円+税

いずれもサイン入りです。
posted by 蟲文庫 at 18:38 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月19日

かえる目、科、属、種

あれから、さらに風邪をこじらせたり、確定申告があったりして、いつのまにか3月も中旬になっていました。お彼岸ですね。

ひさしぶりの「かえる目」のライブ、あらためて宣伝をと思っていたのに、もう日も迫り、そろそろご予約で満席になりつつありますが、それでもあたらためて。

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「蟲文庫で、かえる目の切符拝見」
出演:かえる目(細馬宏通:vo, g、宇波拓:g、木下和重:vo, vl、中尾勘二:perc, kl)
於:蟲文庫
日時:3/30(木)18:30開場/19:00開始
予約:2300円/当日:2500円(※ドリンクのご用意ができないため、持ち込み歓迎いたします)

このすてきなライブのタイトルは、細馬宏通さんが考えてくださいました。
ちなみに「かえる目」は「かえるもく」と読みますよ。動植物の図鑑などをみていると「目」「科」「属」「種」というのが出てきますが、あの「目(もく)」です。かえる目の場合、メンバー4人全員揃う時は「かえる目」、なんらかの都合で3人の時は「かえる科」、同じく2人の時は「かえる属」、そして細馬宏通さんのソロの時は「種」である「かえるさん」になります。

それでは、みなさまのお越しをお待ちしております。たのしみー

※大盛況をもって終了いたしました。お越しくださったみなさま、メンバーのみなさま、ほんとうにありがとうございました。

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撮影:藤井 豊(2017.3.30)

当日の様子は、またあらためて書きたいと思っています。
posted by 蟲文庫 at 11:50 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

24年目になりました

日差しがずいぶん明るくなってきました。冬の短いこちら山陽地方は、そろそろ春めいてきています。

おかげさまで蟲文庫は、この2月7日に23周年を迎え、24年目となりました。本当に、どれをひとつとっても、おかげさまと幸運とのうえに維持継続できている思います。そして、自分に出来ることは、これからも「続けていく」「続けられる」ということを一番に考えながらやって行くことだと思っています。ひきつづきどうぞよろしくお願いします。成り行きとはいえ、よくこんな寒くて暇な時期にはじめたものだと、毎年しみじみ思います。


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自宅付近のノラさん。先日ついに写真に撮ることができました。


でも、そんなことを言っているそばから、先週は風邪をひいて臨時休業してしまいました。体調不良で休むのは、昨年春のぎっくり腰以来です。突然やってきた咽喉の腫れ、悪寒、節々の痛み、38〜39℃の発熱(ふだんは風邪をひいても熱は出ないタイプです)で寝込み、もうこれは絶対インフルエンザというやつでしょう、と思い、なんとか起き上がれるようになったタイミングで自宅からいちばん近いM内科へ。M先生は弟の同級生のお父さんです。待合室に座っているのもつらい状態でしたが、事前に「インフルエンザかも」と申告していたせいか早めに診てもらうことができ、結果「おめでとうございます!インフルエンザじゃありませんでした。自由行動です!」という診断と現在の症状にあわせたお薬を処方していただき、しかし、会計とお薬待ちの間に貧血を起こして、しばらく診療室で横になるなどしながら、またよろよろと家まで帰りました。久しぶりに診察していただいたM先生は、快活さはそのまま、いい感じにお歳を召しておられました。
ということで、「症状の重い風邪」でした。症状が出る直前までいつもどおり店番をしていたので、インフルエンザではなくてほんとうによかったです。

そして、二日ぶりに店を開けると、「どうやら今日は開くらしい」ということで、ご旅行の日程を入れ替えてまで待機してくださっていた方が二組もみえ、感謝の言葉もありませんでした。ほんとうにありがとうございました。


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【速報】

3月30日(木)に、かえる目のライブが決まりました!

「蟲文庫で、かえる目の切符拝見」
出演:かえる目(細馬宏通:vo, g、宇波拓:g、木下和重:vo, vl、中尾勘二:perc, kl)
於:蟲文庫
日時:3/30(木)18:30開場/19:00開始
予約:2300円/当日:2500円

すでにご予約受付中です。6年前の「かえる目のムシムシ大行進」以来となります。年度末の月末の平日ですが、ご都合のつく方はぜひ!

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posted by 蟲文庫 at 13:47 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

表紙の版画

お正月の空気もすっかり消えてなくなって、一年でもいちばんひっそりとした季節になりました。毎日寒いですね。でも、本棚の整理や補充をするにはいい時期です。

暮れのある日、何冊かの本をお買い上げになったあと声をかけてくださった女性は、ちくま文庫版『わたしの小さな古本屋』の装画を担当してくださった平岡瞳さんでした。
このたびのことがあるまで、直接は行き来がなかった方で、お会いするのはもちろんはじめて。でも、この本が出来た時、東京のある古書店主さんから「えっ!平岡さんと田中さんて、知り合いじゃなかったんですか?」と驚かれたくらいで、たしかにぴったり、というのか、しっくりというのか、そうわたしが言うのも図々しいですが、出来上がった本を手に取ったとき、妙に、ほっと落ち着いた気持ちになったのです。思わず「よかったねえ」と自分の本にむかって声をかけてしまいました。そしてこの時ご本人にお会いして、件の古書店主さんの言葉をあらためて思い出しました。

しかも、オリジナルの版画を「もし、よかったら」とお贈りくださったのです。

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いつか見てみたいと思っていましたが、まさか手元に置くことができるとは思いもしませんでした。それもご自身がわざわざ届けに来てくださるなんて。

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平岡さんに装画をお願いすることなり、まずは「外観か店内の様子を」ということになったのですが、担当編集のTさんとデザイナーの横須賀拓さんと平岡さんとの打ち合わせの席上で、「のれんを外して、表から店内の様子を見たらどんな感じだろう」という意見が出たそうで、その後、わたしが様子を写真に撮って送りました。
そして出来上がった版画は、イメージ通り、ではなくて、イメージ以上。写真には写っていなかったり、写したわたしも気がついていなかった、いくつかの大切なものが描かれていて、ほんとうに驚きました。
いまは店の中の、どこに飾るのがいちばんいいかと思案中です。

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ミルさんもいます。

それから、この本が発売になった直後くらいに書いた、龍膽寺雄『シャボテン幻想』(ちくま学芸文庫)の解説の中に登場する「本書をきっかけに育てはじめたサボテン」がこの絵の中にあるということにも、しばらくしてから気がついて、本人としては「あっ!」とびっくりした、ということもありました。

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店に出して間もなく売り切れの勢いなので、いまさらのお知らせで申し訳ないのですが、このたび新装版として再刊された、山尾悠子『角砂糖の日』が入りました。もとは1982年に深夜叢書社から出された、幻と言われていた歌集です。

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『角砂糖の日』山尾悠子(LIBRAIRIE6)3200円+税
(※こちらの本は店頭販売のみとさせていただきます)完売となりました。ありがとうございました。(1/27 更新)

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一頁に一首という贅沢なつくりで、三章あるそれぞれのトビラには、合田佐和子、まりのるうにい、山下陽子の挿画が入っています。

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じつは、山尾悠子さんはお近くにお住いなので、「蟲文庫特別バージョンで」とサインを入れてくださいました。
以前からお名前と作品は存じてあげていましたが、店をはじめて、県外の方などから「岡山といえば山尾悠子さんですね」と教えられ、地元の方だと知って驚き、そうしてそれから20年ほどがたち、このような機会に恵まれました。


山尾悠子さんの小説は、国書刊行会から出ている単行本や作品集で読むことができますが、現在ちくま文庫に入っているものもあります。

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初期の作品集『夢の遠近法』、長い休筆のあと発表された『ラピスラズリ』
こちらの2冊は、近いうちに蟲文庫にも並べたいと思っています。

そういえば、『角砂糖の日』にサインを入れるために店までお越しくださった山尾さんから、「ちくま文庫仲間ですね」と言われて、おもわず眩暈でよろけそうになりました。

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まもなく23周年を迎える蟲文庫。どちらの出来事も「つづけていたら、こんなことも起こるんだよ」と、はじめたばかりの頃のわたしに教えてあげたいです。
posted by 蟲文庫 at 12:47 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

亀の福飾り

あたたかいお正月になりました。今年もどうぞよろしくお願いします。

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いただきものの、亀の福飾り。

亀好き、田んぼ好きとしては、このうえないお飾りです。


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ミルさんも、なんとかぼちぼちやっております。
まもなく21歳。


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(おしらせ)

年末年始は無休でしたので、10日(火)〜13(金)まで、お正月休みをとらせていただきます。14日(土)の午後より営業再開いたしますので、またどうぞよろしくお願いします。
posted by 蟲文庫 at 20:28 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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