◆古本・倉敷「蟲文庫」◆
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2007年05月01日

不思議の庭

連休までには作りたいと思っていた「蟲通信」6号、やっとできました。なにしろ昨日まで、年始の挨拶入りを配っていたのです。は〜やれやれ。

相変わらずコンビニコピー拡大縮小、切り貼り切り貼り。
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文字が多すぎるのか、一度手に取っても、やっぱりやめて戻していく(持っていってくれない)
若者多し。の通信です。でも『三太』には負けます。


連休の中休み。昨日までの3日間と比べると、さすがにそれなりに落ち着いています。4月の早稲田のメルマガに、観光地にある古本屋の困った話し、というようなものを書いたばかりですが、まさにそんな日々。特に「お子様」と「カメラ」は脅威ですねえ。
そうそう、店の本が「作家別あいうえお」順に並んでないと言って文句を言うのもよしてほしいです。

とはいえ、年に1〜2度の懐かしい顔にも会える時。うれしい再会もありました。店の中がざわざわしていて、ゆっくりおしゃべり、とはいかないのが残念ですが。

再就職5日目のミルさん。少し慣れました。
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2階の物干しにて。
苔もサボテンもよく育つという「不思議の庭」なのです。

以下のページは久々の亀コレクション。

「亀コレクション」続きを読む
posted by 蟲文庫 at 20:49 | 亀コレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月27日

ねこ導入

昨日の地震はびっくりしましたね。わたしは市内某所にて、にゃんこの尻を追いかけておりました。その時の猫写真などはまたあらためて、ということで、まずは目の前の問題です。

善は急げ。件のネズミ問題の打開策として、やはり最も伝統的な方法を採ることにしました。
ずばり「ねこ導入」です。

ハンターとしての素質はナドさんのほうが完全に優っている(ミルさんは見つけて騒ぐだけ)のですが、まあでも、いないよりはマシ、でしょう。それに、捕獲してくれるより、追い払ってくれるほうがわたしもありがたいのです(後始末が、ね)。

というわけで本日より、ミルさん再就職。
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ネズミ対策本部の実務担当です。どうぞよろしく。

もともと、気むずかし屋のナドさんとくらべると、お客さんのウケは数段いいので、看板猫としての働きは期待できます。


顕微鏡のトランス復活!
先日の羽仙会さんらのご尽力により、故障していたトランスが復活しました。原因はスイッチの不良だったそうです。で、ちょうどいい代替品がなかったそうで、なんとも可愛らしいことに・・。

この写真でおわかりいただけるでしょうか。
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つまんでいるのは、天井の電灯などからぶら下がっている紐です(ぷ)
これをカチカチと引っぱってON/OFF(ぷぷぷっ)

もー思わず吹き出しましたよ。こんなことしながら顕微鏡を覗いている人なんて、世界中探しても、そうはいません。最高です。ありがとうございました〜。

posted by 蟲文庫 at 18:38 | 猫亀日報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

ねずみウォッチング

ひとりで店番をしていて、不便を感じるのが食事。
店の奥に台所があるので、お客さんのいない時を見計らって済ませるわけですが、作り始めて食べ終わるまでの間に誰も店に入ってこないということはあまりないのです。例えば一日の来店者数が片手でやっとしかないような激ヒマな日でも、なぜかご飯を食べようとすると人が来ます(売上げにつながるかどうかは別。悲しいくらいに)。

30分や1時間経ってから、伸び切ったお蕎麦や冷めて糊状になった雑炊や食べるなんてこともざら(あ、そういえば「雑炊」の語源は「増水」なんだそうですね)ですが、もっと困るのは、わたしが食事を中断して台所を離れるのを虎視眈々と狙っているヤツがいるということです。
我が家の天井裏に住まうネズミのみなさん。
うっかりフタをするのを忘れようものなら、あっという間に、(特におかず類を)持っていかれます・・。
わたしは古本屋。「潔癖」という言葉とは、あまり縁の深くないところに暮らしておりますが、さすがにネズさんの食べかけには抵抗があります。
泣く泣くいちから作り直すはめに・・・。もったいない〜。

普段から、食品のたぐいはもちろん調味料から一部の調理器具にいたるまで、ことごとく冷蔵庫にしまうなどして、気を付けてはいるのです。でも、やっぱり、「うっかり」ということはあります。

まあでもわたしは子年ですし、ハムスターやハツカネズミを飼っていたこともあるネズミ好きです(いまは猫がいるので飼えない)。彼(彼女)らにもそれなりの生活があります。決して憎くはないのです。なんとか触れ合わないですむ程度に、それぞれ生きていきたいもの。

(以下のページ、ねずみ画像アリ。苦手な方はご注意ください)
って、そういう方には、もうここまでのハナシでも “たいがい” ですけれども。


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posted by 蟲文庫 at 13:35 | 古本屋日乗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月23日

蟲出版(仮)

今日も、お昼過ぎまで店を閉め、吉備国際大学の鈴木英治先生を訪ねる。紙や文書の修復、製本がご専門なので、いまわたしが画策中の「蟲文庫文庫」(蟲文庫出版部)を具体化させるため、いろいろお知恵拝借に。以前、ご自分で活字を組んで製本された堀辰雄の詩集なども見せていただく。
出版部、なんて言っても、すきな短編小説に挿し絵をつけて小ぶりの本にするという、まるっきりのオタノシミなんですが。

一冊目は、この夏に予定している【夏の花 - 原民喜へのオマージュ(仮題)】ミズタニカエコ個展 にあわせて、『夏の花』にミズタニさんのペン画の挿し絵をいれたものになる予定です。

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【愚者の懺悔】ペン画 ミズタニカエコ

で、その様子(経費や手間などのことも)などをみつつ、次が作れるようなら、我らが瀬戸内作文連盟・出海博史さんの木版画をいれた小山清をと思っているのです。
わたしが小山清をはじめて読んだのは、ほんの一年とちょっと前のことなのですが、読みながらすぐに思い浮かべたのが出海さん。さっそく「読んだことありますか?」と連絡をしたら、しばらくして「名前も知らなかったのですが、高松の図書館にありました。惜しむように読んでいます」との返事。ふたりとも、もうすっかり古くからの読者のような気分で、顔を合わせれば小山清の話になります。

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【瀬戸内文庫 蔵書票】木版画 出海博史(いづみひろし)


帰り際、鈴木先生から、蟲文庫の展示スペースをつかった、福永武彦に関する面白そうな企画をご提案いただく。
ぜひっ!やりたいです。とお返事する。

春休みとGWとの隙間のヒマな時期なので、ここぞとばかりにうろちょろしております。

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 (お知らせ)

ゴールデンウィーク中は休まず営業いたします。
posted by 蟲文庫 at 19:02 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月22日

隠れているふり

昨夜、「ぷぅ〜ん」という羽音で夜中に目が覚める。なんと、さっそく蚊に刺されてしまいました。数日前には寒くてストーブをつけたというのに。なんてことでしょう。

この土日はお天気が悪く、店もひまでした。ひたすら値付けや蟲製品作りにはげみました。
明日(23日(月))はお休みします。

関係ないですが猫写真を2枚。
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隠れているふり。

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 (お知らせ)

5月26日(土)あたりから一週間ばかりお休みの予定です。
詳細はまた追って。

posted by 蟲文庫 at 17:49 | お知らせ・催事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月20日

トランスフォーマー

といえば、ルー・リードのアルバムが有名ですが、でも今回はそれとは全然関係なくて、顕微鏡の光源のトランスフォーマー(変圧器)の話です。

昨日、あるやっかいなコケを調べようと顕微鏡のトランスのスイッチを入れたところ。あれ?つかない。コンセントよーし、挿し込みよーし、と指さし確認。で、もいっかい。
やっぱりつかない。

この顕微鏡は、件の西村研究室の西村先生から貸与されている名機(くわしくは以前の日記を)。ですが、それもこれも電気がついてこそのもの。本体はピンピンしているというのに、トランスのせいで見られないなんて・・なんという歯がゆさ。型が旧いので、新しいのを取り寄せ、ということも不可能です。何度覗いてみても、視界は真っ暗闇。ぎりぎりじりじり・・。
とりあえず思いつくのはネットオークションくらいでしょうか、でもオークション(=競争)向いてなくてねえ。うむむ・・。

西村先生に症状を話すと、「トランス本体ではなくて、コードのほうかもね。近くの電気屋さんで調べてもらうといいかも」というお返事。
そうか、電気屋さんね、電気屋さん・・・と思っているところへ、近くの電気屋さんから電話。あ、そうだった。
一部では、こちら蟲日記のコメント欄でお馴染の、「羽島仙養会さん」(または、中西の信一さん)は電気工事士さん。蟲文庫の電気工事もいつも羽仙会さんが頼まれてくださっています。しかも分野は違えども、顕微鏡にもお詳しい。おお、そうじゃ、そうじゃった。とばかりに膝を打つ。あまりにもキャラクターが強烈なので、つい電気屋さんなのを忘れがちです。

で、お見せしたところ、「まあ、ただの変圧器だしなあ、なんとかなるんじゃねえの」ということで、近いうちに、どうにかしてみてくださるそうです。渡りに船、というか、すこし光が見えてきました。直るといいけどなあ。
この顕微鏡は、なんとしても使い続けたいのです。

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問題のブツ。

そういえば、羽仙会さんといえば、先日、PsychicTVのサイトとしては、世界的に有名な、「23net.tv」を運営されているS藤氏をお連れ下さいました。
その時の様子が、「マジカル23 ミステリー・ツアーin倉敷」として6回にわたって紹介されていますので、ご興味のおありの方がありましたら。
いやもう、S藤さん最高でした。あーおもしろかった。
posted by 蟲文庫 at 20:28 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月18日

岡山コケの会本部

今日はふたたびひんやりのお天気。裏庭に出していた亀たちを取り込む。バスキングランプを当ててやると、四肢をのばし、薄目をあけて「は〜ごくらくごくらく」といった表情でくつろぐ。ついでにあくびもする。

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昨日は、夕方まで店を休んで、我らが「岡山コケの会」の総本山、岡山理科大学の西村研究室を訪ねる。岡山駅からバスに揺られること10分ちょっと。本当に山の上にあるのです。

まずは、屋久島のやっしー氏から命を受け、持参した、あるブツ(なんて、もちろんコケ)を見ていただく。
「え?もしかして?」「うそ、まさか・・?」と一瞬、空気が緊迫したものの、結果「アブラゴケの徒長したやつだね」ということで落ち着く。アブラゴケにしては葉のつき方がまばらで行儀が悪く、しかも形がなんかヘン、な「すわ、新種か?」というブツだったのです。
先生いわく、「一瞬、やっしーと田中さん、どっちが先に見つけたのか、なんてことまで考えちゃったよ。ほっとしたような、残念なような・・」(もちろん、こういうモノを見つける目があるのは、やっしーさんでございます)。

その他、いま書いているコケ本の原稿に目を通していただきつつ、さらにコケ観察全般についてもいろいろと(いかにラクをするか、という)アドバイスなども受ける。おかげで悩み事がひとつ解決する。コケ屋(昆虫の専門家やマニアを「虫屋」というのに同じ)の皆様の面白エピソードもたまりません。
たいへん、参考&勉強になりました〜(ありがとうございました〜)


その後の「蒔きゴケ」2006/12/10のギンゴケさん
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1ヶ月後(2007/1/10)

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4ヶ月後(2007/4/10)
posted by 蟲文庫 at 17:01 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

臨時休業のお知らせ

取り急ぎのお知らせです。

*明日、4月17日(火)
苔の用事のため午前中から留守をします。
15時〜16時くらいには戻ってきて開ける予定ですが、確実ではありません。すみません。

*4月23日(月)
苔の用事ではありませんが、上に同じです。

*5月末頃〜6月上旬 苔の用事で一週間ばかり休業予定です。
posted by 蟲文庫 at 14:32 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

生きているうちに

雑草の勢いも増してくる季節です。家を出る前に、庭の枝垂れ梅の下にある、ヒツジゴケのマットの間からぴょろぴょろと伸びてきている雑草を抜く。ふだんは、わたしが外出着で近づくと「きゃ〜〜自転車に乗せられるぅ〜〜〜」とばかりに逃げ回るミルさん(でも、そんなことは年に2〜3度だけなのですが)も、わたしがあまりに真剣にコケの間の草を抜いているせいか、なんとなく近寄ってきて、そのへんでごろごろしはじめる。尾崎一雄の庭には、どんなコケが生えていたんだろうなあ、あの文章から推測するには、たぶんスギゴケとハイゴケはあっただろうな、などと思いながらひととおり抜く。それにしても、カタバミの根は深い、びっくりするくらい長い。

少し早めに店に出てきたところへ電話。
「美穂さん?わかるかなあ?もう何年かになるけど」という70〜80代の男性の声。しばらく考えて・・・。
「あ、○○町のN岡さん?」「そうそう、おひさしぶり。わたしも82になりましてなあ、もうそっちほうまでは行かれんようになってしまいましたわ」。

蟲文庫がまだ前の場所にあった頃、よく酸素搭載の電動式車椅子で来てくださっていた常連さん。当時はご自宅から蟲文庫までが2キロ程度の距離だったのですが、店が移転したものだから、さらに2キロ(計4キロ)離れてしまったのです。越した当初に何度か覗いてくださったのですが、もうここ5年ほどまったくみえず、どうされているのかと時々思っていたのです。声はお元気そうで安心する。

向学心の旺盛な方で、古代史や民俗学にも通じておられるのですが、最近は源氏物語の原文(漢字は草体、仮名は変体仮名、おまけに句点なし)の現代語訳に取り組んでおられるそう。全50数巻のうち、いま43巻まで完了しているということ、「最後まで出来るかどうかわからんけどね」と。でもたしか、5年前もそう言いながら何か別のゴッツイことに取り組んでおられたような。

「まあそれで、とりあえず、生きているうちに電話してみようと思いましてな」と、店は順調か、いくつになった? もう結婚相手はみつかったか、など、相変わらずいろいろと心配してくださる。近況報告がてら、店の通信などをお送りする約束をする。
「ああ、電話してみてよかった」と言ってくださる。そうだ、『ちくま』も同封しよう。

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『Whisky Voice』2007年春 27号

サントリー株式会社が発行している小冊子です。
今月号の「モルトのおいしい街」は倉敷篇。
そしてなぜかその特集の扉にちらっと蟲文庫が出てきます。
どこかでみかけたら、のぞいてみてください。

posted by 蟲文庫 at 11:47 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月12日

読書とコケ観察

裏山のウグイスも、ずいぶん鳴くのが上手になってきました。
上手にできるとうれしいのは鳥も人も同じなのでしょう。ここ数日、さかんに鳴いています。

しばらく切らしたままだった、蟲バッグや苔袋の製作に励む。
もともとは、売るべき本の仕入れがままならず、いくらかでも「にぎやかし」になればという苦肉の策で作り始めた蟲製品(蟲土産ともいう)でしたが、いまでは店の特色のようにすらなっていて、「瓢箪から駒」といったところでしょうか。まあでも、別に儲かりはしないんですけどね。でも「ないよりはいい」のは事実です。

でも考えてみれば、声をかけていただいている、7月(たぶん)の「わめぞの外市」でも、結局「あんまり本がないんです〜」ということで、「にぎやかし」のために、さらなる蟲製品の開発を目論んでいる始末。もー・・相変わらずなんですね。

昨日は店を1時間早く閉めて、郊外の複合型巨大商業施設の中の喜久屋書店へ。9時(10時?)まで開いているはずですが、なにしろ街灯の少ない道を3キロあまり自転車をこぐことになるので、あんまり遅くなると気持ちが萎えるのです。地方というのは、車で動くの前提に作られているのですよね。
そんなわけで、新刊書店は2か月ぶりくらい(大丈夫か、古本屋・・)。目的は、岡崎武志さんの新刊『読書の腕前』(光文社新書)。ありましたありました、当然平積みです。首尾よく手に入れ、また自転車をこいで帰る。

夜、さっそく布団の中で読みはじめる。わたしがコケ本の原稿に書いたことと、そっくりの一文があって、ドキッとする。読書とコケ観察・・・そういえば似たところもあるかもなあ、とぼんやり考えながら、うにゃうにゃと眠りにつく。

亀らはそろそろ屋外生活。
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たま夫、しま子

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むいちゃん
posted by 蟲文庫 at 20:04 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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